AGA治療薬として特に知られているのが「ミノキシジル」と「フィナステリド」です。AGA治療をするなら、どちらも欠かせないお薬です。
本記事では、ミノキシジルとフィナステリドの効果・違いなどを詳しく解説していきます。
AGA治療を始めるなら、ミノキシジルとフィナステリドについて正しく理解したうえで、最適な治療を進めましょう。

ミノキシジルとフィナステリドとは

まずはミノキシジルとフィナステリドについて、基本的な知識を覚えておきましょう。
以下の内容について詳しく解説していきます。
ミノキシジルとは
ミノキシジルとは血管拡張作用のあるお薬で、AGAの治療においては発毛を促進するお薬として知られています。
「攻めの薬」ともいわれており、すでに毛が抜けて薄毛になってしまった頭皮に、新しく毛を生やすためのお薬として使われます。
内服薬と外用薬の2種類があり、どちらも発毛のために使われていますが、内服薬は日本皮膚科学会ガイドラインでは推奨されていません。
内服薬は副作用として多毛症を引き起こすことを根拠に使われているだけで、現状では利益と危険性が十分に検証されていないとのことです。
そのため、日本皮膚科学会ガイドラインに従うのであれば、ミノキシジルは外用薬での使用がおすすめです。
フィナステリドとは
フィナステリドはAGAの原因を生成してしまう「5αリダクターゼ」の作用を抑える効果があります。端的にいえば、AGAの進行を止める効果のあるお薬です。
ミノキシジルは生やすための「攻めのお薬」でしたが、フィナステリドはこれ以上抜けないようにするための「守りのお薬」です。
AGAは放置しているとどんどん進行していくため、今後の薄毛の進行を抑えるために、フィナステリドは可能な限り常に服用を続けたいお薬となっています。
一緒に処方されて併用することが多い
ミノキシジルとフィナステリドは、一緒に処方されて併用することが基本となります。
フィナステリドだけでは新たに毛を生やすことはできず、ミノキシジルだけでは抜け毛を防ぐことができないためです。
「現状の髪形で満足している」「予防だけをしたい」という場合は、フィナステリドだけを服用することもありますが、新たに毛を生やしたい場合は、併用して治療を進めましょう。
おおむね半年ほどすると効果を実感できる
ミノキシジルもフィナステリドも、使い始めてすぐに効果が出るわけではありません。
どちらも基本的には効果が出るまで、半年ほどの期間を要します。
そのため、薄毛に悩んでいるならできるだけ早く治療を始めましょう。
ミノキシジルとフィナステリドの違いを5つの項目で比較!
ミノキシジルとフィナステリドの違いについても詳しく見ていきましょう。
効果については先ほど軽く触れましたが、費用や副作用などのほかの重要な項目についても解説していきます。
効果の違い
ミノキシジル | フィナステリド | |
---|---|---|
効果 | 発毛の促進 | 抜け毛の予防 |
効果は前述したように、抜け毛の予防をするか、発毛を促進するかの違いです。
新たに毛を増やしたいならミノキシジルを、これ以上抜け毛を増やしたくないならフィナステリドを使いましょう。
費用の違い
ミノキシジル | フィナステリド | |
---|---|---|
費用 | 月5,000円~8,000円 | 3,000円~4,000円 |
費用に関しては、ミノキシジルのほうが多少高額である場合が多いです。
また、ミノキシジルを使う場合は基本的にはフィナステリドも併用することになるので、基本的には予防のみのプランよりも発毛プランのほうが高くなります。
ミノキシジルだけでは発毛はできても予防ができないため、ミノキシジルだけを処方するケースは少ないです。
副作用の違い
ミノキシジル | フィナステリド | |
---|---|---|
副作用 | 頭皮の赤み・かゆみ・動悸など | 性欲減退・勃起不全など |
副作用に関しても大きな違いがあり、ミノキシジルは散布をすることで頭皮のかゆみや赤み、また血管拡張作用により動悸が出ることもありますが、これといって目立つような副作用はありません。
少なくとも日常生活に大きな影響を与えることはないでしょう。
ただし、フィナステリドに関しては、性欲減退・勃起不全といった副作用が発生することがあります。
確率としては決して高いわけではないので、過度に不安になる必要はありませんが、もし妊活をしているのであれば大きな問題になりかねません。
そのため、妊活中はミノキシジルのみにしたり、ED治療薬も同時に処方してもらったりと、対処をしましょう。
初期脱毛の違い
ミノキシジル | フィナステリド | |
---|---|---|
初期脱毛 | 発生することがある | 発生する可能性は低い |
ミノキシジルやフィナステリドでAGA治療をすると、最初は初期脱毛といって毛が抜けてしまうことがあります。
これはヘアサイクルを正常化する過程で発生するもので、1~2ヶ月もすれば症状は治まり、そのあとはお薬が効いてきます。
どちらのお薬も初期脱毛が発生する可能性は高くないものの、どちらかというとミノキシジルのほうが発生しやすいです。
治療方法の違い
ミノキシジル | フィナステリド | |
---|---|---|
治療方法 | 内服薬か外用薬 | 内服薬のみ |
治療方法は、フィナステリドは内服薬のみとなっています。服用のタイミングは決まっていませんが、毎日就寝前に1錠服用して治療を続けるのが一般的です。
対してミノキシジルは内服薬と外用薬があります。外用薬は1日に2回散布し、内服薬はフィナステリドと同じように1日1回1錠が基本です。
ミノキシジルは「メソセラピー」といって頭皮に直接注射して治療する方法もあります。
ミノキシジルとフィナステリドでAGA治療する際の3つのポイント
ミノキシジルとフィナステリドでAGA治療する際は、覚えておきたいポイントがほかにもいくつかあります。
以下のポイントを理解したうえで、安心安全かつ効果的にAGA治療を進めましょう。
1.個人輸入での購入は避ける
ミノキシジルとフィナステリドは個人輸入でも購入ができますが、基本的には避けましょう。
個人輸入で購入すると粗悪品を購入してしまうこともありますし、そもそもとしてクリニックで購入した方が安い場合も少なくありません。
また、クリニックなら服用してトラブルが発生しても、担当の先生に相談できますが、個人輸入で購入した場合だと、何らかのトラブルがあったときに頼れる医師がいません。
基本的に個人輸入で購入するメリットはないので、クリニックにて処方してもらいましょう。
2.効かない場合もある
ミノキシジルもフィナステリドも日本皮膚科学会ガイドラインで認められているAGA治療薬ではありますが、必ずしも効果があるとは限りません。
場合によっては、どれだけ服用しても効果を感じられない人もいるでしょう。
AGA治療薬の効果は服用して半年ほどで出てくるといわれています。そのため、半年たっても何の変化も感じない場合は、一度医師に相談してみてください。
3.予算に余裕があるならデュタステリドも検討する
フィナステリドと似たお薬としてデュタステリドというものがあります。
フィナステリドはAGAの原因となる「5αリダクターゼ」の2型のみに作用するのですが、デュタステリドは2型と1型どちらにも作用します。
端的にいえば、デュタステリドのほうがAGA予防の効果を発揮できる可能性があるということです。
デュタステリドはフィナステリドよりも月1,000円程度高価ではありますが、予算に余裕がある場合は、デュタステリドも検討してみましょう。
デュタステリドとフィナステリドは併用できないので、どちらかを選びましょう。
ミノキシジルとフィナステリドに関するよくある質問
- 妊活中はミノキシジルとフィナステリドを服用できない?
フィナステリドにはEDの副作用があります。そのため、妊活中はフィナステリドの服用は考える必要があります。なお、ミノキシジルにはEDの副作用はないため、ミノキシジルだけなら問題ありません。
- ミノキシジルとフィナステリドに副作用はある?
フィナステリドには性欲減退や抑うつ症状、ミノキシジルにはかゆみや発疹、動悸などの副作用が起こり得ます。
- ミノキシジルとフィナステリドは効かなくなる?
ミノキシジルやフィナステリドには「耐性がついて効かなくなる」という報告はされていません。ただし、ほかの何らかの原因によって「今まで効果があったのに効かなくなる」というケースが出てくる可能性は否めません。
- ミノキシジルをやめてフィナステリドだけでも良い?
ミノキシジルをやめてフィナステリドだけにすると、効果としては予防のみになります。そのため、新たに毛を増やしたい場合はミノキシジルの服用も続けましょう。
- ミノキシジルとフィナステリドを飲んで効果出るまでにかかる期間は?
ミノキシジルやフィナステリドの効果が出るまでには半年ほどかかります。
- ミノキシジルとフィナステリドを飲むタイミングは?
飲むタイミングに決まりはありませんが、ホルモンの分泌が活発になる寝る前に推奨されることが多いです。
- ミノキシジルとフィナステリドに併用禁忌はある?
フィナステリドにはありません。ミノキシジルは内服薬だと血圧に作用するお薬や風邪薬などに含まれる「イミグラン」などが該当します。
- 1mg・5mgなど用量は何を選べば良い?
最適な用量は人によって異なります。ミノキシジルもフィナステリドも基本的には診察のうえで処方してもらえるので、診察の際に医師に聞きましょう。
まとめ
- ミノキシジルは発毛を促す攻めの薬
- フィナステリドは抜け毛を予防する守りの薬
- 併用することで予防しつつ新たな毛を生やせる
AGAを治療するうえで、ミノキシジルとフィナステリドは基本となります。
発毛を促進するミノキシジルと、抜け毛を予防するフィナステリドという違いがあるものの、発毛をする場合は併用して使うのが一般的です。
なお、薄毛が進行していない場合は、フィナステリドだけで予防をすることもあります。
併用するべきなのか、フィナステリドだけにするべきなのかは人によるので、一度クリニックにて診察を受けて、ご自身に合った方法を医師と相談して決めましょう。
【参考文献】
男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
臨床発毛医学の現状と展望 2018
毛と毛包の解剖・毛髪異常