AGAの初期症状が見つかったり、家族に薄毛の人が多かったりすると「これからどれくらいの進行速度でAGAが進むの?」「進行速度が早いとすぐに薄毛になるの?」と不安になってしまうことも少なくないでしょう。
そこで、本記事ではAGAの進行速度について詳しく解説していきます。
AGAの進行速度を正しく理解し、薄毛の進行を止められるような対策を行いましょう。

AGAの進行速度は5年が目安!進行する特徴を解説!
AGAの進行速度は個人差があるものの、おおむね5年を目安に考えましょう。
つまり、AGAを発症してから5年ほどかけてだんだんと薄毛が目立っていくようになるということです。
AGAが進行する特徴をチェックして、今後に備えましょう。
AGAは基本的にゆっくりと進行する
AGAというのは基本的にはゆっくりと進行していきます。
突然AGAによる抜け毛が増えたり、反対にAGAの進行が止まるというケースは少ないです。
ゆっくりと徐々に、抜け毛が増えていき「気が付いたら薄毛になっていた」というケースが多いです。
そのため、常に目を光らせて、薄毛が進行していないかチェックする癖をつけることがAGAを対策するうえで重要になってきます。
進行パターンは複数あり個人差が激しい

画像引用元:Classifications of Patterned Hair Loss: A Review – PMC
AGAの進行速度は基本的にはどんな人もゆっくりではありますが、進行パターンに関しては個人差が激しいです。
大まかな進行パターンである「U型」「M型」「O型」をそれぞれ解説していきます。
U型脱毛
U型脱毛は前頭部、つまりおでこ全体の生え際が頭頂部へ向かって進行していくタイプです。
おでこがどんどん広くなっていくイメージです。
前髪を上げて、おでこの面積が変わっていないかチェックすることで、進行度合いが分かります。
M型脱毛
M型脱毛は前頭部がM字の形になりながら頭頂部へ向かって薄毛が進行していくタイプです。
いわゆるM字はげといわれるものです。
M型脱毛も前髪を上げて生え際の食い込みをチェックすることで、進行度合いが分かります。
O型脱毛
O型脱毛は、頭頂部から徐々に薄毛が頭皮全体に広がって進行していくタイプです。
O字はげや、つむじはげといわれることもあります。
意識的に頭頂部を見ないとご自身で気付けないため、特に警戒してチェックする必要があります。
急激に進行した場合は別の脱毛症である可能性が高い
- 休止期脱毛症
- 円形脱毛症
前述のように、AGAはゆっくりと進行していくため、もし急激に進行した場合は別の脱毛症の可能性があります。
急激に抜け毛が発生する脱毛症として考えられるのは「休止期脱毛症」や「円形脱毛症」です。
「休止期脱毛症」や「円形脱毛症」は、AGAとは異なり自然に治っていくこともありますが、症状が悪化してしまうこともあります。
保険適用となる可能性もあるので、一度近くの皮膚科で診てもらいましょう。
AGAが急激に進行したときの3つの対処法
AGAは基本的にはゆっくりと進行しますが、急激に進行する可能性もゼロではありません。
また、今までAGAの進行に気が付かず、いざ意識したら一気に毛が減っているように感じることもあります。
そんなときは以下の方法で対処しましょう。
1.まずはAGAクリニックの医師に診てもらう
まずはAGAクリニックのカウンセリング予約をして、医師に診てもらいましょう。
場合によってはAGAではない可能性もあるので、その点も考慮して診断をしてもらえます。
人によってAGAの症状は異なるので、ご自身一人で悩んでも解決するのは難しいです。
専門である医師に聞いて、適切な対処法を仰ぎましょう。
2.できるだけ早く予防・改善のお薬を使う
医師の診察でAGAと判断されれば、AGA予防や改善のお薬を処方してもらえるので、すぐに治療を開始しましょう。
AGAは早く治療を開始したほうが、最低限のお薬で髪を維持できるため、今後の治療費を抑えることに繋がります。
一度毛が抜けて薄毛になった頭皮を、髪のあるフサフサの状態にするのは大変なので、少しでも早く治療を開始し、今後の負担を減らしましょう。
最低限の予防のお薬だけなら月3,000円程度で治療を続けられます。
3.必要に応じて植毛も検討する
すでにAGAが進行しすぎて多くの毛が抜けてしまった場合は、植毛も検討してみましょう。
植毛は、側頭部や後頭部などのAGAの影響を受けにくい毛を、薄毛になっている部分に移植する治療方法です。
費用はかさみますが、1度の施術ですぐに薄毛を改善できますし、移植した毛はAGAの影響を受けにくいので、今後は薄毛になりにくくなります。
つまり、植毛をするだけで長期的な薄毛対策となります。
興味があるなら、AGAクリニックの医師に相談してみましょう。
初期のAGAなら進行速度を遅くできる?治療のポイントを解説!
AGAになった場合は、できるかぎり進行速度を遅くして、髪を維持しましょう。
以下にAGAの進行を遅くするための治療のポイントをまとめたので、ぜひ参考にしてください。
予防のお薬を使えば今後は抜け毛を防ぎやすい
AGAの進行を遅くするのに特に有効なのが予防のお薬です。具体的には、フィナステリドやデュタステリドという内服薬です。
前提として、AGAは「DHT」というホルモンが増えて、ヘアサイクルを乱すことでだんだんと薄毛になるという仕組みです。
フィナステリドやデュタステリドは、AGAの原因である「DHT」というホルモンの生成を妨げる効果があります。つまり、AGAの進行を止めてくれます。
今後AGAのどんな治療をするにしても、フィナステリドやデュタステリドで進行を止めるのは基本なので覚えておきましょう。
進行を止めるには予防のお薬を服用し続ける必要がある
フィナステリドやデュタステリドなどの予防のお薬は、進行を止めるために常に服用し続ける必要があります。
フィナステリドやデュタステリドが持つ「DHT」の生成を妨げる効果は一時的で、服用している間しか効きません。
つまり、服用をやめてしまうと、また「DHT」が生成されてヘアサイクルが乱れ、抜け毛が増えてしまいます。
今後AGAと向き合う限りは、治療をやめずに服用し続けることになると理解しておきましょう。
ずっと治療費がかかると考えると億劫に感じるかもしれませんが、理想の髪を維持するための美容院代のように考えれば割り切れるかもしれません。
お薬だけでなく生活習慣も正すことが大事
AGAの進行を止めるためには、お薬だけでなく生活習慣も正しましょう。
AGAになっても「髪を元気に育てる」「頭皮環境を良くする」というのは、抜け毛を防ぐため重要です。
睡眠の質を高めたり、食事の栄養バランスを意識したりして、健康的な生活を送りましょう。
薬以外でAGAの進行を遅らせる方法

AGAの進行を遅らせようにも「お薬は使いたくない」という人もいます。
そんなときは生活習慣を正すことを心がけましょう。
具体的には以下の方法で、進行を遅らせられます。それぞれ詳しく解説していきます。
飲酒喫煙を控える
飲酒や喫煙はできるだけ控えましょう。
飲酒をするとアルコールの影響で栄養を吸収しにくくなりますし、喫煙をすると血行が悪くなって頭皮に栄養が届きにくくなります。
また、喫煙はAGAの原因である「DHT」の濃度が高くなるともいわれているため、特に控えたいところです。
油ものを控えタンパク質を意識的に摂取する
食事に関しては、油ものを控えるようにしましょう。揚げ物のような脂質が多い食べ物は頭皮環境を悪化させてしまいます。
反対に毛の主成分になるタンパク質は意識的に摂取するようにしましょう。
特に植物性タンパク質が豊富な、大豆や豆腐などがおすすめです。
亜鉛もAGA対策には有効と考えられています。サプリを活用しても良いので積極的に取り入れましょう。
なるべくストレスを溜め込まないようにする
- 休日に趣味に没頭する
- 友達に愚痴を聞いてもらう
- ポジティブなメンタルを作る
- 入浴する
- たくさん睡眠する
ストレスがたまると血行が悪くなり、頭皮に栄養が届きにくくなります。
そのため、ストレスを貯めないようにすることが大事です。
ストレスの解消法、向き合い方は人によって最適解が異なるので、自分なりの方法を探してみてください。
ヘアケアの方法を見直す
- 爪を立ててシャンプーをする
- 合成界面活性剤の入ったシャンプーで洗いすぎる
- 髪を自然乾燥させる
ヘアケアの方法を今一度見直してみましょう。
最適なヘアケアが決まっているわけではないものの、爪を立ててシャンプーをしたり、合成界面活性剤の入ったシャンプーで洗いすぎたりすると、頭皮環境が悪くなる可能性があります。
頭皮環境が悪くなると、炎症が起きて抜け毛が増えやすくなることも十分考えられます。
シャンプー選びで悩んでいる場合は、AGAクリニックにて購入できる専用のシャンプーを使ってみるのも一つの手です。
睡眠は最低6時間以上とる
睡眠は少なくとも6時間以上はとりましょう。
人は睡眠をとることで、身体のあらゆる調子を整えています。
そのため、睡眠時間が不足すると、ストレスによって血行が悪くなったり、肌・頭皮が荒れたりとさまざまな不調が出てきます。
結果として、頭皮や髪に栄養が届かず、AGAを悪化させてしまうことに。できるだけ睡眠時間は確保して、さらに睡眠の質も高めましょう。
スマホをベッドまで持っていくと睡眠時間も睡眠の質も低下します。寝る前のスマホを避けるだけでも睡眠は大きく改善するでしょう。
適度な運動をする
適度な運動もAGAの進行を遅らせることに繋がります。
運動することで血行を促進して頭皮に栄養が届きやすくなります。
また、運動はストレス発散になるほか、疲労感によって睡眠の質も高まりやすいです。
運動をするだけでさまざまな問題を解決することになるので、AGAの改善のために積極的に取り入れてみましょう。
AGAの進行速度に関するよくある質問
- AGAの進行速度は遺伝が関係する?
AGAの原因となるホルモンや酵素の活性度・感受性などは遺伝によって決まりやすいです。そのため、進行速度に関しても、遺伝は大いに関係してきます。
- フィナステリドで進行が止まらないことはある?
服用してからおおむね半年ほどで効果が出てくるので、最初は進行が止まらなくてもおかしくはありません。半年以上しても進行が止まらない可能性はゼロではないので、医師に相談してみましょう。
- 薄毛の進行が止まったらAGA治療薬は飲まなくて良い?
AGA治療薬の服用をやめると、またAGAの進行は進んでいきます。進行を止めたいなら服用を続けましょう。
まとめ
- AGAは基本的に数年かけてゆっくりと進んでいく
- 進行を止めるにはお薬の服用を続けることが大事
- 生活習慣を正すことで進行を遅らせることも可能
AGAの進行速度はゆっくりで、基本的には数年かけて薄毛が進んでいきます。とはいえ、一度薄毛になった頭皮を治療薬にて発毛するのは大変です。
そのため、AGAを発症したらすぐに治療をして、進行を止めることが重要です。
AGAの疑いがあるなら、一度クリニックにて診てもらいましょう。
【参考文献】
男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
臨床発毛医学の現状と展望 2018
毛と毛包の解剖・毛髪異常