AGA治療で後悔する理由と原因|後悔しないために

AGA治療で後悔する理由と原因|後悔しないために

AGA治療は薄毛になることを防いだり、抜けてしまった髪の毛を再び生やしたりと、一見、QOLが上がる素晴らしい治療に思われます。しかし「AGA治療」と検索しようとすると「後悔」という単語が検索候補に表示されるほど、治療を受けたことを後悔している方も多いことがわかります。

自分に合わない治療法を選択し、思ったより効果が出ない場合や、費用を計算せずに治療を始めてしまった場合、多くの方が後悔します。

AGA治療は正しい治療法を理解し、長期的な目線で取り組むことが大切であるため、本記事で紹介する後悔のパターンや失敗しないための方法を参考にして、AGA治療を始めてください。

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目次

AGA治療で後悔する3つの主な理由

AGA治療を実際に受けた方が後悔する理由には、さまざまなものがあります。特に多いのは以下の3つのパターンです。

自分が該当する可能性が高いと感じる場合や、長期的に予算を確保できるか不安な方は、もう少し熟慮してからAGA治療を受けるかどうか決断しても良いかもしれません。

AGA治療で後悔する理由1:期待外れの治療効果

AGA治療を受ける方の中には、治療効果が期待外れであり、後悔している方も多いとされています。

AGA治療は高い確率で効果が期待できるとはされていますが、100%効果が出るわけではありません。また、効果には個人差があります。

AGAの最大の原因は「5α還元酵素」により「DHT」という悪玉男性ホルモンが発生し、ヘアサイクルが乱れることですが、生活習慣や食事の内容などの影響を受けないわけではありません。

例えば、タバコはAGAの原因であるDHTを増やすことがハーバード大学の研究によってわかっています。無作為に選出したアメリカの中年男性1241名を対象に「喫煙者」と「非喫煙者」を比較した場合、DHTの濃度が非喫煙者に比べて喫煙者の方が14%高いことが分かりました。

※出典:中年男性における喫煙、年齢、相対体重、食事摂取と血清副腎ステロイド、性ホルモン、性ホルモン結合グロブリンの関係

また、AGA治療を受けた方全員に同様の効果があるとは断言できません。フィナステリド錠の説明書にも、以下のような記載があります。

24歳から50歳の男性型脱毛症患者(Modified NorwoodHamilton分類24),25)Ⅱvertex、Ⅲvertex、Ⅳ及びⅤ:図1)414例を対象とした48週間のプラセボ対照二重盲検比較試験において、頭頂部毛髪の変化を写真により7段階で評価した結果、フィナステリド錠投与群(0.2mg/日及び1mg/日)はプラセボ群と比較して統計的に有意な改善を示したが、実薬群間では統計的な有意差は認められなかった。

投与前と比べ48週で改善と判定されたのは、0.2mg投与群で54.2%(71/131例)、1mg投与群で58.3%(77/132例)、プラセボ群で5.9%(8/135例)であった。
出典:5α-還元酵素Ⅱ型阻害薬 男性型脱毛症用薬 フィナステリド錠 あすか製薬株式会社

つまり、48週間の間にAGAが「改善した」と判定できたのは0.2mgを毎日処方された方が54.2%、1mgを毎日処方された方が58.3%ということであり、約半数しか改善していないのです。

また、効果が出ない原因には、目的に応じた治療を行っていないことも考えられます。AGAの薬は3種類あり、フィナステリドとデュタステリドは基本的にAGAを防ぐ目的で用いられ、発毛を目指す際にはミノキシジルが主に用いられます。

よって、髪の毛を増やしたい場合はミノキシジルを利用することが推奨されますが、フィナステリド、またはデュタステリドだけを服用して「生えてこないな…」と悩むパターンも少なくありません。

AGA治療で後悔する理由2:高額な治療費用

治療費用が想定より高いことも、AGA治療を後悔する理由の1つです。AGA治療は目的によって料金が異なり、また、クリニックによっても料金に幅があり、下記の相場よりも高くなることもあります。

そして、AGA治療は保険適用外であるため、完全自費で治療を行わなければなりません

数ヶ月や1年程度ならば負担に感じないかもしれませんが、10年、20年と続けなければならないことを考えると、最終的な費用はかなり高額になるため、後悔する方も多いでしょう。

AGA治療の平均的な費用
フィナステリド4,000円〜6,000円/月(税込)
デュタステリド6,000円〜8,000円/月(税込)
ミノキシジル(内服)4,000円〜8,000円/月(税込)
ミノキシジル(外用)5,000円〜7,000円/月(税込)

ミノキシジル外用薬は5%〜15%と濃度に幅があるため、濃度が高いものを選ぶと相場より高くなることもあります。

AGA治療で後悔する理由3:副作用のリスク

AGA治療は100%副作用が発生しないわけではありませんし、副作用が原因でAGA治療を中止する方もいます。

フィナステリドとデュタステリド、ミノキシジルと3つの代表的なAGA治療薬の副作用を知っておきましょう。

フィナステリドの副作用

フィナステリドの副作用
1~5%未満1%未満頻度不明
過敏症そう痒症、じん麻疹、発疹
血管浮腫(口唇、舌、咽喉
及び顔面腫脹を含む)
生殖器リビドー減退勃起機能不全
射精障害
精液量減少
睾丸痛、血精液症、男性不
妊症・精液の質低下(精子濃
度減少、無精子症、精子運動
性低下、精子形態異常等)
肝臓AST上昇、ALT上昇、
γ-GTP上昇
その他乳房圧痛、乳房肥大、抑う
つ症状、めまい
出典:5α-還元酵素Ⅱ型阻害薬 男性型脱毛症用薬 フィナステリド錠 あすか製薬株式会社

フィナステリドの場合、リビドー減退が1%〜5%未満の確率、勃起機能不全などが1%未満の確率で発生するとされています。また、頻度は不明ですが、肝機能障害が起こる恐れがあるとされているため、不安な方は事前に医師に相談しましょう。

デュタステリドの副作用

デュタステリドの副作用
1%以上1%未満頻度不明
過敏症発疹蕁麻疹、アレルギ
ー反応、瘙痒症、
限局性浮腫、血管
性浮腫
精神神経系頭痛、抑うつ気分浮動性めまい、味覚異常
生殖系及び乳房障害性機能不全(リビドー減退、勃起不全、射精障害)乳房障害(女性化乳房、乳頭痛、乳房痛、乳房不快感)精巣痛、精巣腫脹
皮膚脱毛症(主に体毛脱落)、多毛症
消化器腹部不快感腹痛、下痢
その他倦怠感、血中CK増加
出典:5α還元酵素1型/2型阻害薬 男性型脱毛症治療薬 デュタステリドカプセル グラクソ・スミスクライン株式会社


デュタステリドもフィナステリドに近い副作用が発生し、加えて乳房障害、いわゆる男性であるにも関わらず胸が大きくなる症状が発生することがあります。非常に低い確率ではありますが、副作用が発生し、後悔する方も稀にいます。

また、頻度不明とされていますが、肝機能障害や黄疸があらわれることがあるとされているため、フィナステリドと同様に、肝臓に持病のある方はあらかじめ医師に相談してください。

ミノキシジルの副作用

ミノキシジル外用薬の副作用
関係部位
皮膚頭皮の発疹・発赤、かゆみ、かぶれ、ふけ、使用部位の熱感等
精神神経系頭痛、気が遠くなる、めまい
循環器胸の痛み、心拍が速くなる
代謝系原因のわからない急激な体重増加、手足のむくみ

また、ミノキシジル外用薬は血流を良くする作用があるため、心拍数が上がってしまったり、それに伴い頭痛を感じたりする方もいます。また、頭皮に直接塗るため、肌が弱い方はかぶれたり、かゆくなったりすることもあります

肌が弱い方でも、濃度が低い場合はこれらの症状が起こりにくいとされているため、不安な方は濃度が低いものから始めると良いでしょう。

また、ミノキシジル内服薬は国内での臨床試験実績が無いため、明確なデータはありませんが、血管拡張剤としても使用されており、心臓への影響が懸念されることも少なくありません。

心臓疾患のある方や血圧に問題がある方は、必ずその旨を医師に伝えた上で治療を受けましょう。

長期的に治療を受けるうえでの健康への影響は?

AGA治療では数十年にわたって薬を服用することになるため、長い目で見て、自分にとって安全かを確認する必要があります。いくら安全とされているとはいえ「薬」であることには変わりないため、体に全く負担がかからないわけではありません

目立った症例は報告されていませんが「服用すると健康になる薬」というわけではないため、いつかは服用を中止することも頭の隅に置きながら治療を進めることを推奨します。

効果的なAGA治療を成功させるための具体的な対策

AGA治療を成功させるためにはどのような対策を取るべきかを考えることが重要です。

高い確率でAGA治療を成功させ、後悔しないための具体的な対策について詳しく紹介します。ぜひ参考にしてください。

AGA治療の知識を身に付ける

AGA治療に関する正しい知識を身につけることが、まず最初のステップです。このサイトや、AGAクリニックが更新しているブログなどを読んで、正しい情報を得てから治療を始めると良いでしょう。

世の中にはエビデンスがない民間療法や、迷信のようなものが真実のように紹介されることが少なくありません。正しい知識を身につけてから、自分に合った最適な治療を受けることこそ、AGA治療を成功させる方法と言えます。

治療を継続する

AGA治療は継続しなければ効果が出ません。

むしろ、最初はフィナステリド、またはデュタステリドの作用でヘアサイクルを整える過程で、初期脱毛と呼ばれる現象が発生することもあります。初期脱毛は文字通り髪が抜ける現象であり、この時点で治療をやめてしまうと「治療を受けたのに、むしろ髪が減った」という結果になってしまいます。

効果が比較的早く現れる方でも2〜3ヶ月程度は発毛を実感できないことがほとんどですし、1年以上継続してようやく効果が見られる方も少なくありません。

また、AGAは進行性の病気であるため、髪の毛が生えたからといって薬を完全にやめてしまうと、再び薄毛になる可能性があります。AGA治療で髪の毛を生やし、その毛量を維持するためには、長期的に治療を継続する必要があると覚えておいてください。

治療中のケア

頭皮ケアを行うことや、必要な栄養素を摂取することも、AGA治療の効果を最大限に引き出すために重要です。例えば、ミノキシジルには血行を促進する効果がありますが、これは栄養を頭皮に行き渡らせるために必要な作用です。

しかし、栄養が不足していれば、どれほど血行が良くなったとしても、髪の毛の成長にはつながりません。そのため、食生活を見直し、足りない部分をサプリメントで補うことを推奨します。具体的には、ビタミンC、亜鉛、ビオチンなど、髪の毛の成長を促す栄養素を摂取することが重要です。

また、頭皮マッサージも、血行を良くするための有効な手段です。入浴時にぬるま湯で頭皮を揉みほぐすことで、栄養が行き届きやすくなります。これだけで劇的な改善が期待できるわけではありませんが、AGA治療と併せて、日常的なケアとして取り入れると効果が期待できるでしょう。

AGA治療の費用対効果を正しく理解する

AGA治療の平均的な費用
フィナステリド4,000円〜6,000円/月(税込)
デュタステリド6,000円〜8,000円/月(税込)
ミノキシジル(内服)4,000円〜8,000円/月(税込)
ミノキシジル(外用)5,000円〜7,000円/月(税込)

AGA治療を受ける際には、費用対効果を正しく理解することが欠かせません。

AGAを予防する治療の場合、毎月3,000円から8,000円程度の費用がかかります。発毛を目指す場合は、毎月8,000円から14,000円程度が必要です。費用は予防に使用する薬がフィナステリド、デュタステリドか、発毛に使用する薬がミノキシジル内服薬か外用薬かによって上下します。

さらに、サプリメントなどを利用する場合は、費用がさらに上乗せされます。AGAクリニックごとに料金体系が異なるため、治療を開始する前にどの程度の費用がかかるのかを確認しておくことが大切です。

また、AGA治療は進行性の病気に対応するため、基本的に終わりがありません。薬を飲み続ける必要があり、その費用も継続してかかります。毎月3,000円の治療費でも、年間で36,000円、20年間で720,000円となります。

このように、長期的な費用の負担を理解した上で、本当に治療を始めるべきかを慎重に考える必要があります。

代替治療法と最新の脱毛症対策について

ここまで紹介したフィナステリド、デュタステリド、ミノキシジルといった一般的な治療法に加え、近年では新しい治療法も登場しています。

これらの治療法は、一般的なAGA治療よりも料金が高い場合が多いですが、予算に余裕がある方にとっては、選択肢として検討する価値があるといえるでしょう。

自毛植毛について

自毛植毛は自分の後頭部や側頭部など、AGAの影響を受けにくい部分の髪の毛を薄毛が気になる部分に移植する治療法です。移植した髪は定着すれば自然に生え、ヘアサイクルも正常に戻るため、AGAの根本的な改善が期待できます。自分の髪を使用するため、拒絶反応や副作用が少ない点が大きなメリットです。

しかし、最大のデメリットは費用の高さです。移植する本数が少ない場合は50万円程度で済むこともありますが、多くなると100万円以上かかることが一般的です。そのため、現時点で十分な予算があり、薬の服用を避けたい方に適した治療法といえます。

最新の医学的アプローチ・代替治療の可能性

最近では自毛植毛以外にもAGA治療薬を用いないAGA治療が発明・導入されつつあります。まだ「主流」とはいえませんが、選択肢の1つになり得るものもあるため、気になる方は確認してみてください。

低出力レーザー治療(LLLT)

低出力レーザー治療は特定の波長の光を頭皮に照射し、毛根の細胞を活性化させて発毛を促進する治療法です。血流が促進され、細胞が活性化することで、AGAの改善が期待できます。内服薬に比べ副作用が少なく、痛みもほとんどないため、比較的リスクの低い治療法と言えるでしょう。

ただし、すべてのクリニックで提供されているわけではなく、効果も個人差が大きいことから、現在は「一般的な治療の補助」という位置づけにとどまっています。

幹細胞治療

幹細胞治療は、自分の幹細胞を培養して増殖させ、それを体内に戻すことで組織を再生させる新しい治療法です。この方法では1回の治療でも発毛できる場合があり、今後普及する可能性があります。

ただし、料金が高額である点がデメリットです。例えば「大阪AGA加藤クリニック」では1回の幹細胞治療で約88,000円の費用がかかり、他のクリニックでもおよそ同様の値段で提供されています。
出典:幹細胞培養上清液療法(エクソソーム療法)|大阪AGA加藤クリニック

現在のAGA治療は内服薬や外用薬が主流ですが、研究が進むにつれて、さらに効果的な治療法が登場する可能性があります。最先端の治療法は費用が高い傾向にありますが、普及することで、将来的にはより手頃な価格で利用できるようになるかもしれません

そのため、現時点では内服薬や外用薬でAGAの進行を抑えつつ、将来の新しい治療法に期待を寄せるのも1つの選択肢といえるでしょう。

まとめ

今回は、AGA治療を受けたことを後悔してしまう理由や、治療を成功させるための具体的な対策について紹介しました。AGA治療は正しい方法で行えば効果が期待できる治療ですが、すべての方に向いているわけではありません。

この記事で紹介した内容を参考に、自分自身の生活スタイルや予算、治療に対する期待値を考慮した上で、治療を始めるかどうかを検討することを推奨します。

また、治療を始める場合は、どのクリニックで、どの治療法を選ぶのかを慎重に判断することが大切です。AGA治療は長期的な取り組みであり、費用や効果、リスクを十分に理解した上で、後悔のない選択をしてください。

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