AGAは根本的な治療法がないので、可能な限りは発症をする前に対策をしておきたいところです。
とはいえ、どのような原因で発症するのかが分からないと、対策のしようもありませんよね。
そこで本記事では、AGAの原因を詳しく解説していきます。
原因と同時に対策方法も紹介しているので、ぜひ参考にしていただき、AGAにならない状態を目指しましょう。

AGAの原因になる10の要素を対策方法とともに解説!

それではさっそくAGAの原因を詳しく見ていきましょう。
対策方法も併せて解説しますので、1つ1つチェックして、少しでもAGAによる薄毛を防げるようにしましょう。
1.男性ホルモン
AGAの根本的な原因は、男性ホルモンです。
男性ホルモンであるテストステロンが5αリダクターゼという酵素が結びつくと、テストステロンが悪性の男性ホルモンである「DHT」に変化します。
この「DHT」が頭皮の細胞分裂を阻害し、ヘアサイクルを乱すことで抜け毛が発生します。
5αリダクターゼという酵素の働きを阻害する内服薬「フィナステリド」や「デュタステリド」を服用することで対策できます。
2.遺伝
前述した、AGAの根本的な原因である「DHT」の生成のされやすさは遺伝によって決まります。
そのため、家族にAGAの人が多いほど、ご自身も遺伝によってAGAになる可能性が高いです。
遺伝によって「DHT」が生成されやすくなるのは防ぎようがないので、「フィナステリド」や「デュタステリド」を服用して「DHT」を生成されないように対策しましょう。
3.飲酒
飲酒自体はAGAの直接的な原因にはなりませんが、飲酒によるアルコールの影響で、髪や頭皮へ栄養が届きにくくなることがあります。
結果として、頭皮の環境が悪化して、薄毛が進行しやすくなります。
そのため、可能な限りは飲酒は避けましょう。
日常的に飲酒する習慣があるなら、休肝日を設けましょう。そこから徐々に休肝日を増やしていき、お酒の量を減らしてください。
4.喫煙
喫煙をすると血行が悪くなったり、ホルモンバランスが乱れたりするので、AGAを悪化させます。
また、喫煙はAGA治療薬が効果を出すための妨げにもなるため、治療が上手くいかない原因にもなり得ます。
そのため、喫煙は飲酒以上に避けたいです。
禁煙をするのが難しい場合は、禁煙外来を利用するのも一つの手です。
5.片寄った食事
片寄った食事もAGAを悪化させる原因になり得ます。
特に糖分や資質の多いものばかり食べていると、血液の流れが悪くなり、髪や頭皮に栄養がいきわたりません。
栄養バランスの良い食事を心がけて、健康的に過ごすことで、髪や頭皮も活発になり、AGAを防ぐことに繋がります。
亜鉛を含むあわびや牡蠣、植物性タンパク質の多い納豆や豆腐などはAGAに良いといわれています。
6.過度なストレス
過度なストレスもAGAを進行させて薄毛を悪化させる原因となります。
ストレスを感じると自律神経が乱れて、血流が悪くなり、髪や頭皮に影響が届きにくくなるためです。
そのため、できるだけストレスを感じないような環境を作りましょう。
趣味に没頭したり温泉に浸かったりすることでストレス解消するほかにも、常にポジティブな心構えを作ることでもストレスの対策ができます。
7.睡眠の質の低下
睡眠の質が悪いと、自律神経が乱れたり、ストレスがたまったりして、血流が悪くなります。
結果、髪や頭皮への栄養が不足してAGAを悪化させる原因になります。
日中に軽い運動をするとストレス解消になるだけでなく、疲れによってぐっすりと眠れて睡眠の質を高められます。
8.血行不良
これまで紹介しているように、血流が悪くなると髪や頭皮へ栄養が届かずにAGAを悪化させます。
そのため、血行不良になるような原因はできるだけ取り除きましょう。
加齢によって毛細血管が少なくなるとどうしても血行不良は防げません。そんな場合は、頭皮のマッサージをして少しでも頭皮の血流を良くしましょう。
9.不適切なヘアケア
不適切なヘアケアをすると、AGAが悪化することがあります。
たとえば、頻繁にシャンプーをしすぎると頭皮の保湿バランスが乱れて、かゆみが発生することがあります。
結果、かゆみから頭皮を掻きむしってしまい、抜け毛が増えてしまうことも。
正しいヘアケアの方法はクリニックにて教えてもらえます。場合によってはヘアケア商品を販売しているクリニックもあるので活用しましょう。
10.頭皮環境の悪化
これまで紹介した原因のほかにも、頭皮環境を悪化させるような行為によって、AGAは進行します。
たとえば、頭皮が不潔な状態が続くと、脂漏性皮膚炎が発生して、炎症が起きて抜け毛が増えます。また、冬になって頭皮が乾燥することで、フケが増え炎症が発生し、抜け毛が増えることも。
そのため、1つの要素に気をつけるのではなく、総合的に頭皮環境を整えることが大事です。
頭皮のマッサージはどうするか、どのシャンプーを選ぶべきかなど、頭皮環境を整えるために疑問に思うことは、医師に質問しましょう。AGAクリニックの意思であれば、適切な方法を教えてくれます。
どんな薄毛がAGAになる?AGAの症状を解説!

どんな薄毛がAGAになっていくのは、AGAの症状がどのように進んでいくのか見ていきましょう。
AGAの症状の進み方は、主に「前頭部」「額の生え際」「頭頂部」の3パターンがあるので、それぞれ解説していきます。
前頭部
前頭部からは、おでこが広がるようにAGAが進行していきます。
初期症状から気付くのは難しく、徐々に「おでこが広がっているな」と感じはじめ、少しずつ薄毛が進行しているのが良くあるパターンです。
そのため、少しでも「前よりおでこが広いかもしれない」と感じたら、AGAを疑いましょう。
額の生え際
額の生え際からは、両こめかみの部分がM字に食い込むようにAGAが進行していきます。
額の生え際も徐々に食い込んでいくので「気が付いたら進行していた」となることは少なくありません。
「以前よりM字が進行している」「もともとM字はなかったのに食い込みができている」と感じたらAGAを疑いましょう。
頭頂部
頭頂部からは丸く広がるようにAGAが進行していきます。
おでこや額の生え際とはことなり、ご自身で確認するのが難しいので、最もAGAの進行に気付きにくい場所でもあります。
定期的に頭頂部は鏡を使ってチェックしましょう。
「以前よりも頭皮が見えるようになった」と感じたらAGAを疑い、治療を検討してください。
AGAの治療方法

続いて、AGAの治療方法を見ていきましょう。
治療方法によって、AGAへの効果や費用が異なるので、ご自身に合ったものを選んでください。
AGA治療薬による治療
薬 | |
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費用 | 月3,000円~10,000円 |
効果 | フィナステリド:AGAの予防 デュタステリド:AGAの予防 ミノキシジル:発毛の促進 |
お薬での治療は、内服薬を飲んだり、外用薬を散布したりします。
主に使われているのが「フィナステリド」「デュタステリド」「ミノキシジル」の3つです。
「フィナステリド」「デュタステリド」は内服薬で、AGAの予防ができます。月3,000~5,000円ほどで安価なのが魅力です。
「ミノキシジル」は内服薬と外用薬があり、発毛の促進ができます。ミノキシジルで発毛促進をする場合は、同時に予防をするために「フィナステリド」か「デュタステリド」も併用するのが一般的です。
「フィナステリド(もしくはデュタステリド)」と「ミノキシジル」を併用して治療する場合は月10,000円ほどの費用がかかります。
AGAを治療する最も基本的な方法となるので、まずは内服薬や外用薬を使った治療をしましょう。
メソセラピーによる治療
メソセラピー | |
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費用 | 1回20,000円~100,000円 |
効果 | AGAの予防と発毛の促進 |
メソセラピーは、頭皮にAGAを予防する成分や発毛促進をする成分を、直接注入する治療方法です。
費用は高額ですが、内服薬や外用薬より高い効果を期待できます。
内服薬や外用薬で効果が出ない場合に選ばれています。
自毛植毛による治療
自毛植毛 | |
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費用 | 300,000円~1,000,000円 |
効果 | 長期的な薄毛進行の予防 |
自毛植毛は、側頭部や後頭部のAGAの影響を受けにくい部位の毛を、頭頂部などの毛が薄くなった部位に移植する外科的な治療です。
AGAの影響を受けにくい毛を、薄毛の部位に植えるので、今後は毛が抜けにくくなります。
そのため、長期的に薄毛の進行を予防したい場合におすすめの治療方法です。
植毛した部位はAGAの影響を受けにくいだけで、必ずしも薄毛にならないというわけではありません。
AGAの原因に関するよくある質問
- 20代で薄毛になってきたけどAGA?
AGAは20代でも発症する可能性があります。診てみないと分からない部分もあるので、一度クリニックにて診察してもらいましょう。
- AGA以外で考えられる薄毛の原因は?
AGA以外に考えられる薄毛は、円形脱毛症か休止期脱毛症です。円形脱毛症は円形に脱毛する、休止期脱毛症は一気に脱毛量が増えるという特徴があるので、どちらにも当てはまらない場合はAGAである可能性が高いです。
- 女性でもAGAになる?
AGAは男性ホルモンが原因なので、女性は発症しません。代わりに女性はFAGAという脱毛症になることがあります。
- 生活習慣はどこから治していけば良い?
突出して重要なものが決まっているわけでもないので、治せるものから治していきましょう。
- パーマをかけるとAGAになりやすい?
パーマをかけてもAGAには影響しません。AGAの治療中にパーマをかけることも可能ですが、パーマをかけると毛が細くなって千切れやすくなる点は理解しておきましょう。
まとめ
- AGAの根本的な原因は男性ホルモン
- 生活を正すことが対策につながる
- AGAを発症した後でも治療は可能
AGAの根本的な原因は男性ホルモンによるもので、大部分が遺伝によって発症してしまうと言われています。
しかし、生活を正すことでもある程度の対策は可能です。
また、AGAを発症してしまっても、治療はできるので過度に心配する必要はありません。
とはいえ、AGAは進行するほど治療が難しくなるのは事実です。薄毛になっていなければ予防のお薬だけで対処できますが、すでに毛がなくなった状態になると、新しく毛を生やすのは困難です。
そのため、AGAを発症してしまったらできるだけ早く治療を進めましょう。
【参考文献】
男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
臨床発毛医学の現状と展望 2018
毛と毛包の解剖・毛髪異常