SEOのメリット・デメリット、基礎や対策のポイントなど解説!
「SEOのメリットを具体的に知りたい」
「SEOとリスティング広告ってどう違うの?」
なんとなく必要だとは思っているけど、具体的にSEOにどんなメリットがあるのか分かりませんよね。
本記事では、SEOのメリット・デメリット、SEOとリスティング広告の違いなどをお伝えします。
ぜひ最後までお読みいただき、貴院のSEOにお役立てください。
SEOとは?
SEO(Search Engine Optimization)とは、検索エンジン最適化と訳され、Googleなどの検索エンジン上で自院のウェブページを上位に表示させるために行う施策全般を指します。
SEOは、ウェブプロモーションの一つであり、SEM(Search Engine Marketing)の片翼を担います。
また別の視点では、SEOは、ホワイトハットSEOとブラックハットSEOに分けることができます。
ブラックハットSEOは、Googleのアルゴリズムの裏をかくような不正手法で、現在では上位化の効果は薄く、リスクが高いとされています。
一方、ホワイトハットSEOは、Googleが推奨する手法で、ユーザーに有益なコンテンツ提供やサイト構造の改善を行うものです。
SEOの目的として、検索エンジンからのアクセス数増加、お問い合わせや予約数・商品購入数の増加などが挙げられます。
目的達成のためには、ユーザーが求める情報(コンテンツ)の提供や、使いやすい導線設計・ナビゲーション(UXの向上)、被リンクの獲得などが必要不可欠です。
日本における検索エンジン市場シェアはGoogleが7~8割近くを占めているため、日本向けのSEOはほぼGoogle向けの最適化が軸となります。
SEO対策のメリット
本項目では、SEO対策のメリットを詳しく解説します。
潜在顧客へのアプローチができる
例えば、「症状名+原因」「●●の治療方法」などのキーワードで検索するユーザーは、悩みを解決したいというだけで、自院をまだ知らない段階です。
一方、自院と関連する分野でニーズを保有している点で、患者になる可能性を持っている「潜在顧客」ではあり、これらに自然なアプローチができることは、SEOのメリットの一つだと言えます。
また、検索結果で上位にあるサイトは、「専門性が高く信頼できる」と認識されやすい傾向があります。
検索上位に表示されること自体が、分野の専門家らしさを示し、利用者からの信頼獲得や認知度向上につながります。
潜在顧客の育成(ナーチャリング)できる
潜在顧客に対して、有益なコンテンツなどを継続的に提供し続けることで、患者とのラポールを築いたり、購買意欲を少しずつ高めていくことを「ナーチャリング」と呼びます。
SEO対策によって検索上位にコンテンツが露出するようになると、このナーチャリングプロセスを強力に後押しできます。
一度上位表示に成功したページは、長期にわたって新たなユーザーを呼び込みます。
医療機関が分かりやすい解説や根拠データを定期的に更新・追加していけば、そのページは”専門性・信頼性”のある情報源として評価され、潜在顧客との関係を育くむことができます。
潜在的に治療や受診を考えていなかった患者も、分かりやすい診療案内ページや治療体験談などを閲覧することで、「この医院なら安心」と感じ、顕在化(実際の問い合わせや予約)する可能性があります。
即時の患者獲得も可能
SEOは中長期的に成果を見込む手法ではありますが、上位表示するキーワード次第では即時の患者獲得につなげることも可能です。
例えば、患者が「新宿 24時間 救急外来」「●●駅 皮膚科 当日予約」などで検索をする場合、すぐに受診を検討している可能性が高いと言えます。
こうした検索ワードで上位表示されれば、即時に電話予約・オンライン予約へつなげることもできるのです。
知名度や信頼アップが期待できる
多数のキーワードで上位に表示されることで、医院の名前を目にする機会が増えます。
それはそのまま知名度の向上につながります。
また、上位表示されることは、患者に「信頼できる情報がある」「専門性が高い」という印象を与えやすく、信頼性の向上も期待できるでしょう。
育てたサイトは資産化し、長期的に集客効果が持続する
SEO対策済のコンテンツはウェブ上に存在をし続け、一度上位表示を獲得すれば、一定のメンテナンスで、長期にわたってアクセスを呼び込むことができます。
これらを大量に含むウェブサイトはいわば資産とも言え、出稿をやめれば瞬時に効果も消えてしまう広告と異なり、長期にわたり恩恵をもたらしてくれます。
Googleのアルゴリズムは変化し続けていますが、信頼性や専門性の高い情報を提供している限り、急に順位が大きく下がる可能性は低いと言えます。
広告費を抑えられる
広告の場合、出稿するたびに即時的に費用が発生します。
しかし、検索結果に掲載されること自体(SEO)にはコストが発生せず、上位に表示されればされるほどアクセスや問い合わせ増加が期待できます。
広告と違って費用が発生しないため、予算が限られていても、アプローチや結果が期待できるのがメリットです。
また、広告費を抑えながら新規患者を獲得したい場合、SEO対策を中心に据えつつ、必要に応じて特定キーワードだけリスティング広告を併用するといった柔軟な戦略を組むことができます。
SEO対策のデメリット
本項目では、SEO対策のデメリットを詳しく解説します。
効果が出るまでに時間を要する
SEO対策は一朝一夕では効果が出にくく、効果を実感できるまでに数ヶ月から半年以上かかる場合があります。
その理由として、Googleなどの検索エンジンが新たに追加・更新されたページをインデックス(登録)し評価するまでタイムラグがあることが挙げられます。
また、ライバルとなる他サイトも日々情報更新を行っているため、競合状況によっては上位化までに長い期間を要する場合があります。
対策に多くの時間や手間がかかる
SEOは「良質なコンテンツの作成」「サイト内部の技術的最適化」「外部からの信頼(被リンク)獲得」など多角的に施策を積み重ねる必要があります。
これらを継続的に行うには、大きな労力と時間が必要です。
良質な記事を多数用意する場合、外部ライターや専門家への依頼、写真・動画の撮影などの費用が発生することもあります。
また、自院のスタッフがコンテンツを作る場合でも、通常業務に加えての執筆やサイト更新作業は負担が大きくなります。
専門知識・経験が必要になる
SEO対策には、検索エンジンに対する深い理解をはじめとして、マーケティングやライティングに対する造詣、ウェブサイトの技術的な知識、メディアリレーションのいろはなど、多くの専門的な知識が必要となります。
また、属人性が強い部分も存在し、これは知識だけでは埋められず、一定以上の経験も必要となります。
さらに、医療分野においては、医療系の知識、医療広告ガイドラインをはじめとした法令に対する理解・キャッチアップも求められ、破滅的に難易度が高いと言えます。
現実的には、マーケティング分野、ライティング分野、ウェブ制作分野、医療分野、法令における分野など、各専門家の連携が必須となるでしょう。
必ず順位が上がるとは限らない
SEO対策においては、どんなに時間と労力をかけても、必ず検索順位が上がるわけではないという不確実性があります。
大手病院や専門性の高いクリニックが既にSEOを強化しており、継続的にリソースを投下している場合、現実的には、中小の医院・クリニックでは上位表示が不可能な場合もあります。
また、1つのページのみ力を入れても、ウェブサイトとして総合的に質が低ければ、結果に結びつけることは困難です。
コンテンツSEO、SEO内部対策、SEO外部対策と、全方位的に手を回し、サイト全体の品質を高めることが必要になります。
さらに、Googleのアルゴリズムは非公開であり、全ての評価基準を把握することは不可能です。
医療系サイトは、特に”YMYL(Your Money or Your Life)”分野に該当するため、より厳格な評価基準が適用されるとされています。
Googleのみぞ知る要素があることを認識しておく必要もあります。
アルゴリズムのアップデートで影響を受けやすい
Googleは年に数回、大規模なアルゴリズムのアップデートを行います。
この際、検索順位が大きく変動することがあります。
急にページの順位が下がった場合、新たなアルゴリズムの意図を分析し、ページ構成や情報の信頼度を再点検する必要があります。
医療従事者が監修していることや、権威ある学会のエビデンスを参照していることなどをより明確に示すことで評価を回復しやすくなるでしょう。
また、一度上位に表示されても、アップデート後に順位が大きく変動することがあるため、定期的にコンテンツを見直し、最新のガイドラインやアルゴリズムを踏まえた修正を行うことが欠かせません。
継続的なメンテナンスが求められます。
SEO対策のポイント
本項目では、SEO対策のポイントをご説明します。
E-E-A-Tを満たす
E-E-A-Tとは「Experience(経験)」「Expertise(専門性)」「Authoritativeness(権威性)」「Trustworthiness(信頼性)」の頭文字をとったものです。
Googleの検索品質評価ガイドラインで重要視される概念で、特に医療系コンテンツでは患者の健康や生命に直結する情報を提供するため、このE-E-A-Tを満たすことが極めて重要になります。
Experience(経験)を示すには、医療従事者としての現場経験や、実際に患者を診療した経験などを盛り込み、読者が「実際に役立つ具体的な情報だ」と感じられる内容を提供します。
Expertise(専門性)を示すには、医療分野ならではの専門用語を正確に使い、患者や一般ユーザーにも理解しやすいように解説を加えます。
医療従事者ならではの専門知識を示すことが、Googleからの高評価にもつながります。
Authoritativeness(権威性)を示すには、医師会や学会の公式情報を引用し、出典を明記することでコンテンツの信頼度を高められます。
掲載内容が公的な機関や医療系メディアからのリンクを獲得すれば、さらに権威性が向上します。
また、診療科目での専門資格や経歴、取得学位などを明記して、「この人が書いている内容は信頼できる」とユーザーに感じてもらうことが重要です。
Trustworthiness(信頼性)を示すには、記事を監修した医師の名前や資格を明示し、定期的に情報を更新していることをアピールします。
誤情報を減らすことで、サイト全体の信頼性が高まります。
また、医療法人名やクリニックの所在地、問い合わせ先などをわかりやすく示し、公式性をユーザーに伝えるとよいでしょう。
検索意図に応えるコンテンツ作成
コンテンツ制作におけるSEOの肝は一つ、ユーザーの検索意図(インテント)を的確に捉え、ニーズに合った情報を提供することです。
医療系サイトでは、患者やその家族が悩んでいることや、探している情報を明確にし、その答えをわかりやすく提示する必要があります。
検索意図の把握では、「●● 病院」「●●症状 治療法」「●●市 内科」など、患者が実際に検索しそうな語句を洗い出し、検索回数や難易度などを加味し、キーワードを決定します。
そして、キーワードをもとに、競合調査や患者が知りたい内容を意識して、コンテンツを設計・作成します。
専門性が高すぎる内容の場合は、コラムやQ&A形式でかみ砕いた解説を用意するなど、読みやすさとわかりやすさを考慮することも重要です。
クローラビリティの最適化
クローラビリティとは、検索エンジンがサイトを巡回し、ページの情報を正しくインデックス(登録)できる状態を指します。
クローラビリティを最適化し、検索エンジンがサイトを正しく評価できるようにする必要があります。
具体的には、例えば、「トップページ > 診療科一覧 > 内科 > ●●症状専用ページ」のように階層を明確にし、パンくずリストなどでユーザーにもわかりやすく提示します。
また、同じ内容や類似の情報が複数ページに散乱しないように注意しましょう。
その他、「詳しくはこちら」だけでなく、「●●クリニックの感染対策について」など、リンク先の内容を示すテキストを使うと、検索エンジンがリンクの関連性を正しく評価しやすくなります。
ページ速度・モバイル対応では、画像をWebP形式に変換、不要なプラグインを削減するなどして読み込みを高速化することも重要です。
ユーザビリティの最適化
ユーザビリティの向上は、サイトに訪れたユーザーが欲しい情報にスムーズにたどり着き、満足できるようにすることを指します。
医療系サイトの場合、患者が抱える不安や疑問を素早く解決できる設計が特に重要です。
例えば、モバイル対応として、ボタンは押しやすく、文字は読みやすいサイズにするなど、モバイルフレンドリーなUIを心がける必要があります。
また、予約や問い合わせフォームにおいて、診療科の選択→日時の選択→連絡先入力など、ユーザーが直感的に操作できるよう設計することが求められます。
また、よくある質問をまとめたり、チャットで簡単な相談に応じられる仕組みがあると、ユーザビリティ向上に繋がるでしょう。
良質な被リンク・サイテーションの獲得
医療系サイトでSEO効果を高めるには、権威ある外部サイトからの被リンクや、SNS・メディアなどで言及(サイテーション)されることが重要です。
良質な被リンクやサイテーションは「第三者からも信頼されているサイト」であることを示し、高いSEO効果が期待できます。
自然発生的に被リンクを増やすには、例えば、学術的なデータや研究結果を整理し一般向けにわかりやすく公開するなど、価値ある情報を公開することが有効です。
他の医療系メディアや論文サイトからリンクされる可能性が高まります。
また、「●●症チェックリスト」「食事療法ガイド」など、医療知識を簡単に使える形で提供すれば、口コミや紹介リンクを得やすくなるでしょう。
サイテーションについては、X(旧Twitter)などのSNSで、新しい治療や健康に役立つアドバイスなど、ユーザーがシェア・言及したくなる情報を定期的に発信し、サイテーションを獲得することが有効です。
また、医療系の場合、エキテンやcalooなどの口コミサイトが重要です。
実際に受診した患者からのポジティブな評価が増えれば、検索エンジンの認知や信頼度も高まりやすくなるでしょう。
SEOとリスティング広告の違い
本項目では、SEOとリスティング広告の違いについて解説します。
コスト:SEOは比較的低コストである一方リスティングは高コスト
SEO(自然検索)の場合、検索結果の上位に表示されても、クリックで課金されることはありません。
中~長期的に多くのユーザーを集客したい場合に有効です。
ただし、内部対策(サイト構造の見直しなど)やコンテンツ制作など、効果を出すためには専門知識や人的リソースが必要であり、外部業者に依頼すればその費用が発生します。
一方、リスティング広告の場合、クリックされるたびに費用がかかります。「新宿 内科」など、競合が多いキーワードでは1クリック数百円~数千円に膨らむ可能性もあります。
また、広告の効果を最大化するにはLPが必須ですが、LP制作の相場は30~50万、場合によっては100万円以上の費用が発生します。
クリック率:SEOはクリックが高い一方リスティングはクリック率が低い
SEO(自然検索)の場合、上位表示になれば高いクリック率を期待できます。
1位で約30%前後、2位で15%前後といったデータもあり、広告を敬遠するユーザーの多さが高CTRの理由です。
また、患者が求める、良質な情報を掲載している限り、検索結果でのクリックが持続しやすいとも言えます。
一方、リスティング広告の場合、SEOに比べクリック率は低め(数%程度)です。
「広告」や「スポンサー」という表示が嫌われやすく、自然検索よりクリック回避されやすい傾向にあります。
広告文を魅力的に書く、ターゲットを絞り込む、ランディングページを最適化するなどでCTRを改善できますが、SEOほどの高水準は期待しにくいでしょう。
即時性:SEOは結果まで時間がかかる一方リスティングは即時
SEO(自然検索)の場合、上位表示まで数ヶ月~半年かかります。
Googleがサイトを評価するまで時間を要すること、競合との兼ね合いなどが理由として挙げられます。
一方、リスティング広告の場合、即日~数日で上位表示が可能です。
現実的には予算調整が必要になりますが、上位に表示するために必要な費用を払えばすぐに反映される、つまり上位表示ができます。
コントロール性:SEOは順位をコントロールできない一方リスティングはコントロールできる
SEO(自然検索)の場合、Googleの評価基準は非公開要素も多く、上位表示を”明確に保証”する方法は存在しません。
努力しても短期間での成果が出るとは限らず、競合やアルゴリズム次第で順位が変動します。
一方、リスティング広告の場合、表示順位を調整は容易です。
予算や広告ランク、キーワード次第で、ほぼ任意の順位に広告を表示できるのです。
ターゲット:SEOは潜在層中心である一方リスティングは顕在層中心
SEO(自然検索)の場合、キーワードで言えば「腰痛 原因 対策」「花粉症 症状 チェック」など、購買意欲の低い層へのアプローチに強く、幅広いキーワードで潜在層を取り込むことができます。
費用は抑えられる反面、即時の患者獲得にはむかない施策と言えます。
一方、リスティング広告の場合、「●●駅 胃カメラ 予約」「人間ドッグ 格安」「歯の痛み すぐ診察」など、今まさに問い合わせや来院を考えている患者がターゲットであり、購買意欲の高い顕在層を狙い撃つことが可能です。
費用が多く発生する反面、患者獲得もしやすい施策と言えます。
まとめ
SEOは、Googleなどの検索エンジンで自院のウェブページを上位に表示させるための施策です。
ユーザーに有益なコンテンツを提供し、サイト構造を改善することで、長期的に安定したアクセス数増加が期待できます。
また、検索上位表示は医療機関の専門性や信頼性を示すことにもつながります。
SEO対策のメリットには、潜在顧客へのアプローチ、ナーチャリングによる顧客育成、即時の患者獲得、知名度や信頼性の向上、長期的な集客効果、広告費の抑制などがあります。
一方で、効果が出るまでに時間がかかる、対策に手間がかかる、専門知識が必要、アルゴリズムの変動に影響を受けやすいなどのデメリットも存在します。
SEO対策のポイントとしては、E-E-A-T(経験、専門性、権威性、信頼性)を満たすこと、ユーザーの検索意図に応えるコンテンツを作成すること、クローラビリティとユーザビリティを最適化すること、良質な被リンクやサイテーションを獲得することなどが挙げられます。
リスティング広告は、クリック課金型の広告で即時性が高い反面、コストが高くなる傾向があります。
また、クリック率はSEOに比べて低いですが、表示順位のコントロールが可能で、購買意欲の高い顕在層にアプローチしやすいというメリットがあります。
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