著作権は大丈夫?ホームページに使用するフリー素材の注意点
ホームページを制作するとき、フリー素材と呼ばれる写真やイラストがとても便利です。
文字だけで味気ない印象を与えてしまうホームページでも、写真やイラストがちりばめられたとたんに賑やかで親しみやすい印象に変わります。
イメージ画像を使うことで解説の説得力も大きく上がるでしょう。
最近は色々なニーズに対応した素材を公開しているサイトも増え、無料で活用できるフリー素材はあちこちで大活躍しています。
ところが、フリー素材とはいっても好き勝手に使っていいわけではありません。
画像ごとに使っていい用途の範囲や素材加工の可否など、利用規約が細かく決まっているのです。
ホームページに画像を無断使用したとして、20万円以上の損害賠償を求められたケースもあります。
しっかり押さえておかないと、思わぬトラブルに巻き込まれることもある著作権について解説します。
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著作権って?
クリックひとつであらゆるコンテンツをダウンロードすることができる今、著作権についての意識が低くなりがちです。
東京オリンピックのエンブレム問題で話題になった著作権ですが、著作権について気を付けないといけないのはクリエイターだけではありません。
SNS上での画像の無断使用が問題視されていることなど、身近なところにも深くかかわっています。
著作権法は著作者の権利や名誉を守るための法律です。
著作物が勝手に利用されて著作者が不利益を被ったり、著作者が意図しない形に著作物が改変されて発表されてしまうのを防ぐ目的で制定されました。
著作権は著作物がつくられると同時に自動的に付与され、原則として著作者の死後50年後まで残り続けます。
著作権法でいう著作物とは、次のようなものです。
著作権法第2条1項
「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう」
出典:著作権法
世の中にコンテンツがあふれ、過去の作品の影響を受けていない作品なんてありえないのが現状の中、『創造的』『表現』という文言がやっかいで、どこまでオリジナリティーがあれば大丈夫なのか、どこまで似通っていれば盗作に当たるのかというのはとても難しい問題になっています。
しかし、ホームページに画像素材を利用させてもらうという目的に限るともっと簡単に活用できる範囲を線引きできます。
ホームページに他人の素材を利用させてもらうとき、やってはいけないこととはどのようなことでしょうか。
素材を使用する際には、次の3つの原則を意識しましょう。
1.無断コピーしてはいけない(複製権侵害)
作品を複製する権利は著作者にのみ認められています。
著作者に無断で画像を複製してはいけません。
2.無断公表してはいけない(公衆送信権侵害)
作品の公表権は著作者にあります。
人の著作物を勝手にホームページに表示してはいけません。
3.作品の性質を変更してはいけない(同一性保持権侵害)
勝手に作品の一部を切り抜いたり、上から書き加えてはいけません。
また、著作者がそぐわないとしたシーンでは使用してはいけません。
著作物は著作者が意図した形で発表される権利があり、その意に反して作品の性質を変えてはいけません。
たとえフリー素材サイトでダウンロードできる著作物であっても、著作権は著作者に残されています。
その権利のうちの一部を放棄して私たちユーザーが利用できるように提供しているのです。
フリー素材サイトでは著作者がユーザーに対してどこまで使用してもいいか明示していますので、必ず確認するようにしましょう。
他人のホームページにある画像は手軽にダウンロードできてしまいますが、勝手に使ってはいけません。
どうしても自分のホームページで使用したい場合は画像の著作者に連絡を取り、許諾を取り付ける必要があります。
フリー素材を使うときは利用規約を確認
フリー素材を提供しているサービスには必ず利用規約が定められています。
フリー素材を利用する前に必ず利用規約を読み、ダウンロードした素材はどこまで自由に使用してもいいのかを確認しましょう。
特にチェックしたいポイントは次のようなものです。
商用利用・個人利用について
素材の中には個人ブログなど利益が出ない個人利用への使用のみ認めているものがあります。
そのような素材は企業・医院のホームページや広告チラシなどへの商用利用ができないので注意が必要です。
素材加工について
著作権では画像の加工は認められていませんが、著作者が認めている場合は加工ができます。
画像サイズを変更したり、一部を切り抜いて使用する場合には加工がOKかどうか必ず確かめましょう。
クレジットや出典元を明記する必要があるか
作品によっては著作者を明示する目的で、画像にクレジットを挿入する必要があります。
ダウンロードした画像にすでにクレジットが入っている場合、クレジットが隠れないように画像を配置する必要があります。
また、フリー素材サイトによっては、サイトから画像を拝借した旨を明記する必要があります。
その場合には画像に添えて、出典元を明記しましょう。
人が映っている写真は特に注意
著作者に当たる撮影者がホームページ上での使用を認めていても、人が映っている写真はさらに注意が必要です。
人には肖像権があります。
個人を特定できるほどはっきり映っている場合、映っているモデルが使用されることを許諾するモデルリリースの取得が必要になります。
モデルが明らかに写真にとられていることを意識していないなど、モデルリリースが取得されているか確認できない場合、使用を控えたほうが無難です。
素材の著作権管理は慎重に
著作権はとてもデリケートな問題です。
例えば日々さまざまな映像素材・写真素材が飛び交うテレビ制作の現場でも、映る可能性がある素材はすべて著作権の問題をクリアしているか細かく確かめています。
自社のカメラマン以外が撮影したものには必ずお金を払い、提供元のクレジットを挿入する必要があるのです。
どうしても素材が利用できないときには、再現VTRやイラストを自ら用意して番組を作っているのです。
企業や医院のホームページに使用する素材でも、著作権の持つ重みは変わりません。
トラブルを回避するためにも、自分に権利がない素材をホームページに使用する場合は細心の注意を払いましょう。
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