SEOとリスティング広告の違い|効果や上手な使い分け方法など解説!
「SEOとリスティングはなにが違うの?」
「SEOとリスティングはどっちがいいの?」
SEOとリスティング、どちらも集患の手段ですが、効果的な方を使いたいですよね。
本記事では、SEOとリスティング広告の仕組みや効果の違い、上手な使い分け方法など分かりやすく解説します。
ぜひ参考にいただき、効率よく集患を行ってください。
SEOとは
SEOとは、Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)の略称であり、Googleなどのウェブサイト検索エンジンにおいて、自身のウェブサイトやウェブページを検索結果の上位に表示させるための施策全般を指します。
たとえば、「東京 内科 クリニック」というキーワードで検索した際に、自院のウェブサイトが検索結果の上位に表示されるようにする取り組みが、SEOにあたります。
なぜSEOが重要視されているのでしょうか。
それは、現代において「検索」が日常的な行動となっているからです。
多くの人々が、病院を探したり、症状について調べたりする際に、Googleをはじめとする検索エンジンを活用しています。
Googleは検索アルゴリズムを日々進化させており、単なるキーワードマッチングではなく、文脈全体から検索者の意図を汲み取ることができるようになってきました。
つまり、自院の情報を正しく検索エンジンに理解してもらうためには、検索エンジンにとって好ましいウェブサイトの構造やコンテンツを整える必要があります。
SEOの仕組み
SEOがどのような仕組みで機能しているのか、見ていきましょう。
検索エンジンは、大きく分けて3つのステップを経て、検索結果を決定しています。
ステップ1:情報収集(クローリング)
ステップ1は、クローラーによる情報収集(クローリング)です。
Googleのクローラーと呼ばれるロボットが、ウェブサイト内のリンクをたどったり、サイトマップを参照したりしながら、世界中のウェブページを巡回し、情報を収集しています。
ウェブサイト運営者は、クローラーが巡回しやすい構造を整えることで、クローラビリティを高められます。
たとえば、診療科ごとにカテゴリを分け、各カテゴリ内に詳細ページを配置するなどの工夫により、クローラーにとって理解しやすいサイト構造となります。
また、サイトマップを作成し、Googleに提出することで、新しいページをクローラーに認識してもらいやすくなります。
ステップ2:データベース登録(インデックス登録)
ステップ2は、収集したページ情報のデータベース登録(インデックス登録)です。
クローラーが収集した情報は、Googleのデータベース「インデックス」に整理されて登録されます。
このインデックス登録がなされて初めて、検索結果に表示される可能性が生まれるのです。
医療系サイトでは、コンテンツの重複を避け、ユニークで価値のあるページを作ることが求められます。
「MRI検査」や「内視鏡検査」など、患者がよく検索するキーワードの解説ページを用意し、適切にインデックス登録されるような対策が有効でしょう。
ステップ3:検索結果への反映(スコアリング&ランキング)
ステップ3は、検索結果への反映(スコアリング&ランキング)です。
インデックスに登録されたページは、Googleのアルゴリズムによってスコア付けされ、検索キーワードとの関連性や、ページの品質、専門性などを評価されます。
このアルゴリズムは非常に複雑で、200以上の要因を考慮しているとされ、常にアップデートが行われています。
リスティング広告とは
リスティング広告とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンにおいて、ユーザーが入力した検索キーワードに連動して表示されるテキスト形式の広告のことを指します。
「検索連動型広告」や「検索広告」とも呼ばれ、検索結果ページの上部や下部に「スポンサー」や「広告」といったラベル付きで掲載されるのが特徴です。
医療業界でのリスティング広告の活用例としては、「渋谷区 内科」や「新宿区 総合病院」のように地域名と診療科名を組み合わせたキーワードで広告を出稿し、患者が検索した際に自院のウェブサイトを目立つ位置に表示させることなどが挙げられます。
リスティング広告の代表的な媒体にはGoogle広告とYahoo!広告があります。
Google広告は国内の検索エンジンシェアの7~8割を占めるGoogleの検索結果に広告を掲載できるサービスであり、Yahoo!広告は国内第2位の検索エンジンであるYahoo! JAPANの検索結果に広告を表示できます。
この2媒体を押さえておけば、日本の大多数の検索ユーザーにアプローチ可能です。
リスティング広告の仕組み
リスティング広告の掲載順位や費用が決定するメカニズムについて詳しく見ていきましょう。
ユーザーが検索を行うと、その瞬間に「どの広告を、どの順番で表示するか」を決めるオークションがリアルタイムで実施されます。
このオークションでは、各広告の「入札価格(上限クリック単価)」と「広告の品質(品質スコア)」が重要な要素となります。
ポイント①:入札価格(上限クリック単価)
入札価格とは、広告主が「このキーワードに対して1クリックあたりいくらまで支払っても良いか」を設定した上限額のことです。
ポイント②:広告の品質(品質スコア)
一方、品質スコアは、キーワードと広告文の関連性、広告文のクリック率、ランディングページの使いやすさや適合度、過去の広告実績などを総合的に評価したもので、「この広告はユーザーにとってどれだけ価値があるか」を表す指標です。
そして、「広告ランク=入札価格×品質スコア」という計算式に基づいて各広告の広告ランクが算出され、この広告ランクが高いほど上位に表示されることになります。
つまり、入札価格を上げるか、品質スコアを高めるか、あるいはその両方を実施することで、自社の広告を上位に表示させることが可能となるのです。
ポイント③:広告費用の決まり方
最後に、広告費用の決まり方について解説しておきます。
リスティング広告では、広告主が各キーワードに対して「1クリックあたりの上限単価(入札額)」を設定します。
ただし、実際に支払うクリック単価は、この上限額と、自社広告の直下に表示される広告の広告ランクによって決定されるため、必ずしも上限額と同額になるわけではありません。
また、先述の通り、品質スコアが高ければ、より低いクリック単価でも上位表示が可能となります。
したがって、適切な入札単価の設定と、品質スコアの向上施策を両輪で行うことが、費用対効果の高いリスティング広告運用につながるのです。
SEOとリスティング広告の違い
本項目では、SEOとリスティング広告の違いについてご説明します。
効果の速さ
SEOは効果が出るまでに時間を要します。
GoogleやYahoo!などの検索エンジンに評価され、上位表示されるまでには数か月~1年以上かかることも珍しくありません。
例えば、長期的に「専門性・信頼性」が評価されるよう、病気の解説記事や治療実績を充実させても、すぐにはランキングが上がらないかもしれません。
対して、リスティング広告はすぐに上位表示が可能です。
予算や入札額を設定すれば、即日でも検索結果の上部に広告を掲載できます。
新しい医療設備(例:最新のMRIやCTスキャン)を導入した際に短期間で患者に知ってもらいたい場合など、適していると言えるでしょう。
掲載順位のコントロールの可否
SEOは、Google等の検索エンジンの非公開のアルゴリズムに左右されるため、掲載順位のコントロール性は低いといえます。
病院サイトをリニューアルしてコンテンツを増やしても、いつ上位表示されるか、また、どの程度上がるかのコントロールが難しいのです。
また、学会発表や著名医師の在籍情報などを追加しても、すぐに反映されるとは限らず、評価されるまでに時間がかかります。
他方、リスティング広告は、オークション制のため、入札額と広告の品質(広告文の関連性、ランディングページの利便性など)を最適化することで、ある程度掲載位置をコントロールできます。
例えば、「渋谷区 内科 予約」というキーワードに対して、予算を高めに設定し、広告文を充実させることで、上位表示され短期間で結果を得られるのです。
逆に予算を抑えたい場合は入札額を下げ、広告掲載位置を調整するなど、柔軟な戦略を立てることができます。
直接的費用の有無
SEOではクリックされても直接費用は発生しません。
オーガニック検索結果への掲載は無料ですが、サイト改修費やコンサル費など間接的なコストは発生するでしょう。
病院サイト全体をリニューアルしてコンテンツを整備し、検索エンジンに評価されやすくするには、外部のウェブ制作会社への委託や、医師・スタッフが専門的な記事を書く工数など、ある程度の投資は必要不可欠です。
他方、リスティング広告はクリックされるたびに費用が発生します(クリック課金)。
1クリックごとに課金されるため、人気キーワードになるほど競合が多く、クリック単価が高騰することもあるのです。
「美容整形 鼻の施術」のように費用単価の高い施術キーワードで広告を出稿する場合、一度のコンバージョン(問合せ・予約)から得られる利益も大きい半面、クリック単価も高くなる傾向があり、広告費がかさむ可能性があります。
クリック率
SEOによる自然検索結果の上位表示は、「広告」表記がないためユーザーの信頼を得やすく、クリック率が高くなる傾向にあります。
例えば、「渋谷区 小児科」や「東京病院 評判」などの検索で1位~3位に自然検索結果として表示されれば、広告感がないので患者からの信頼度が上がり、クリック率も高まりやすいのです。
一方、リスティング広告は「広告」のラベルが明示されるため、広告を嫌うユーザーが一定数おり、クリック率はSEOより低くなりがちです。
「インフルエンザワクチン 予約 新宿区」というキーワードで広告を出稿した場合、ユーザーの検索ニーズは高いものの、「広告」と分かると敬遠される人もいるため、自然検索結果よりはクリック率が下がる可能性があるのです。
ターゲット層
SEOは潜在層と顕在層の両方に効果があります。
自分の症状や悩みについてまだ明確な治療方針や受診先が決まっていない潜在層のユーザーに対しては、「膝の痛み 原因」や「胃腸不調 チェック」といった漠然とした検索キーワードで上位表示されることで、自院の存在をアピールできます。
同時に、「渋谷区 整形外科 おすすめ」や「東京病院 評判」のように、すでに受診意思の高い顕在層のユーザーにも自然検索結果で表示されれば、効果的に集患が見込めるのです。
一方、リスティング広告は、「今すぐ受診したい」「●●病院で治療を受けたい」といった、今すぐ客(顕在層)に特に効果を発揮します。
(潜在層にもアプローチ可能ですが、料金が発生してしまう点でコストパフォーマンスが悪く、あまり現実的ではありません)
例えば、「新宿区 整形外科 予約」や「東京病院 MRI 予約」と入力したユーザーに広告を表示させることで、短期間で確実に集客することが可能となります。
資産性
SEOは、一度上位表示を獲得し、サイト内に蓄積したコンテンツ(医師によるコラム、治療実績など)が、対策を停止してもすぐには検索結果から消えない特徴があります。
病名や手術内容の詳しい解説ページを蓄積することで、信頼性が高まり、検索エンジンからの評価も継続的に得られるのです。
例えば、「虫垂炎手術 方法」や「大腸内視鏡検査 メリット・デメリット」などを詳しくまとめると、長期間にわたって検索流入を獲得しやすくなります。
対して、リスティング広告は、広告を出している期間だけ成果が得られる性質があります。
広告出稿をやめた瞬間に露出は減り、集客も止まってしまうのです。
期間限定の健康診断キャンペーンやワクチン接種情報など、広告をストップしたと同時に表示されなくなり、そこからの予約は途絶えてしまいます。
広告出稿期間中は一時的に多くの予約や問い合わせを集められる半面、出稿をやめると一気に減少するリスクがあります。
SEOとリスティング広告の上手な使い分け
SEOとリスティング広告は、それぞれ異なる特性を持っており、自院の目的や提供する医療サービスに合わせて使い分けることが重要です。
本項目では、SEOとリスティング広告の上手な使い分けについて、詳しく解説します。
中長期的な視点で、コスパよく、継続して集客し続けるならSEO
まず、中長期的な視点で、コストパフォーマンスよく、継続して集客し続けたい場合は、SEOが適しています。
SEOで上位表示されるためにはクリック料金が発生しないため、長期的に見るとコスパが良いのです。
また、一度上位表示されたページは、情報を定期的に更新し続けることで、長期的に集客し続けることができます。
医療分野での具体例を挙げると、「膝の痛み 原因」「認知症 初期症状」「歯周病 治し方」などの検索キーワードで上位表示されれば、患者や潜在的に悩みを抱えている方が情報を見つけやすくなり、長期的にアクセスが安定します。
また、病院やクリニックのサイトに医師の専門性・実績・学会発表などの情報を蓄積することで、検索エンジンからの評価が高まり、結果的に予約数や問い合わせ数の増加につながります。
SEOのメリットの一つは、長期安定的に患者からの問い合わせを獲得でき、クリック料金がかからずコストパフォーマンスが良い点です。
一方、デメリットとしては、上位表示までに数か月から1年以上の時間を要することや、医療情報の正確性・専門性の担保が必要で、サイト制作やコンテンツ作成の手間がかかる点などが挙げられます。
短期間で成果を出す必要があるならリスティング広告
短期間で成果を出す必要がある場合は、リスティング広告が効果的です。
リスティング広告は、入札額次第で即日でも広告を上位に表示できるため、キャンペーン期間や限定施策など、短期的に「今すぐ集客したい」というニーズに適しています。
また、掲載する文言やリンク先を自由に設定できるため、キャンペーンの告知文や予約フォームへ直接誘導するためのランディングページを指定することで、短期的に狙った成果を得やすくなります。
医療分野での具体例としては、期間限定のワクチン接種・健診キャンペーンが挙げられます。
「インフルエンザワクチン 予約 渋谷区」や「人間ドック キャンペーン」などのキーワードで広告を出稿すると、すぐに検索結果上部に表示され、期間中の予約を集中して獲得しやすくなります。
また、新規開業したクリニックの認知拡大にも有効です。開業直後はSEOでの認知度・評価がまだ低いため、リスティング広告を活用して短期的にアクセスを集め、患者を増やす施策が効果的といえます。
リスティング広告のメリットの一つは、即効性があり、予算を調整しながら効果的に集客をコントロールできる点です。
デメリットとしては、クリック課金が発生するため、運用を止めた途端に集客効果が消えてしまう(資産性がない)点や、競合が多いキーワードではクリック単価が高騰しやすい点などが挙げられます。
扱う商材によって適切なものを選択する
扱う商材(医療系では提供する診療内容やサービス)によって、SEOとリスティング広告の適切な選択が変わってきます。
高単価・専門性の高い治療や検査の場合、SEOが向いているケースとして、「癌治療 専門」「不妊治療 実績」など、専門性が高くかつ患者が情報をじっくり調べる商材が挙げられます。
長期的に質の高いコンテンツを用意してSEOで信頼を獲得することが効果的であり、一度の治療費が大きい分、クリック課金よりも長期で安定したアクセスを確保したいというニーズにマッチします。
一方、開業したばかりの医療機関や新しい最先端医療機器を導入した場合など、短期間で注目を集めたい場合はリスティング広告で速攻性を狙うのも一つの手段です。
低単価・検査費用があまり高くないサービスの場合、リスティング広告費が割に合わないケースもあります。
例えば、ワクチン接種や血液検査など、利益率が低いサービスで競合が激しいキーワードだとクリック単価が高騰し、広告費に見合わない可能性があります。
この場合、SEOで地道に地域名+診療科や症状名で上位表示を狙い、コスパを重視する戦略も検討に値します。
まとめ
SEOとリスティング広告は、医療機関の集患、人材確保において欠かせないプロモーション施策です。
それぞれの特性を理解し、上手に使い分けることが重要です。
SEOは中長期的な視点で、コスパよく継続的に集客したい場合に適しています。
上位表示されるまでに時間を要しますが、一度獲得した順位は資産となり、長期的に患者からの問い合わせを獲得できます。
専門性の高い治療や検査の情報を発信する際は、SEOで信頼を獲得することが効果的です。
一方、リスティング広告は短期間で成果を出したい場合に効果を発揮します。
キャンペーンやイベントの告知、新規開業した医療機関の認知拡大など、即効性が求められる場面では、リスティング広告を活用するのがおすすめです。
ただし、運用を止めると集客効果も消失してしまう点には注意が必要です。
リスティング広告とSEOの間に直接的な因果関係はありません。
しかし、リスティング広告を行った結果、指名検索の増加、サイト評価指標の向上、直接訪問の増加が起こることで、副次的にSEO評価が向上する可能性があります。
医療機関の皆様におかれましては、自院の強みや目的、提供する医療サービスの特性を踏まえ、SEOとリスティング広告を戦略的に組み合わせることをお勧めします。
弊社では、医療機関のウェブサイト制作、集患や人材確保を総合的にサポートしています。
ウェブサイト制作、SEO対策、リスティング広告運用など、長年の実績と医療業界に特化したノウハウを活かし、貴院の課題やニーズに合わせたプランをご提案させていただきます。
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