青? 白? 歯医者のホームページ、カラーの選び方
歯医者さんのホームページ制作をする際、デザインで注意するポイントはたくさんあります。
今回は、その中で「カラー」について考えてみたいと思います。
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パッと見で、すべての印象を左右するホームページの色
色には、個人の好みがあります。
経験的に好きになった色、好きな人が良く身に着けている服の色、故郷の風景など、好みの理由はさまざまです。
だから、「単なる色」とだけしか認識されないことが往々にしてあります。
ですが、そんな色は、人の心や気持ちに大きく影響しています。
文字は読んで初めて理解できるものですが、色は一瞬見るだけで印象を与えます。
後述しますが、好き・嫌いという単純な2択だけでなく、もっと多くの情報を与えています。
ウェブサイト閲覧者は、そんな色の影響を受けた状態で、キャッチコピーや文字を読んでいるのです。
だから、私たちはいつも色に注目してウェブサイトを考えます。
漠然とした雰囲気ではなく、理由があってその色を選択しています。
そのため、私たちはホームページのディレクションをする際に、今回制作する歯医者さんホームページが、どんな人を対象にしていて、どんな風な印象を持ってもらいたいのかという部分をしっかりと固めます。
そして、それにそってぶれない方向でカラーを決定していく手法を取っています。
ユーザーペルソナに合ったホームページカラー
歯医者さんのホームページ制作をする際、どんな方を対象としたサイトにしたいのか、その部分を明確にすることは重要です。
例えば、子供、成人、近隣住人、遠方からもウェルカム、専門的な技術を求める方、矯正歯科専門のサイト、など。
対象の人物が、どんな年齢で、どんな生活をしていて、普段どんなデザインを見て過ごしているのか、できる限り細かく想像していきます。
こうすることで、色を決定する際にブレがなくなっていきます。
ちょっと想像してみてください。
・小児歯科をメインとした内容のホームページデザインなのに、ベースカラーがブラックで、文字がホワイトのホームページ。
・高度な設備と自費治療をメインとした内容のホームページデザインなのに、ベースカラーがオレンジで、文字の色がピンクのホームページ。
きっと違和感があると思います。
この違和感は、色から受ける印象を無視してしまったことによって起きているのです。
ホームページカラーによって変わる「印象」
人は色によってどのような印象を受けるのでしょうか?
代表的な色についてまとめてみました。
赤
赤は、警戒の色です。感情に興奮や刺激をもたらします。
イメージとしては、「情熱」や「興奮」「行動力」といったプラスの部分と、「警戒」や「激しさ」といったマイナス部分を持っています。
歯科サイトでの活用ポイント
先生の情熱をダイレクトに伝えられます。
原色に近い赤は強すぎるきらいがありますので、すこしオレンジがかったものや、やや明るめなものが好まれます。
明るすぎる赤は、ファッションサイトのようなイメージが出てしまいがちですので要注意です。
ピンク
ピンクは、女性をイメージさせる色と言えるでしょう。
イメージとしては、「やさしさ」「やわらかさ」「幸福感」などのプラス部分と、「おさなさ」「未熟」などのマイナス部分を持っています。
歯科サイトでの活用ポイント
ピンクは、女性をターゲットとした美容・ファッション関係サイトでよく使われています。
女性をターゲットにした診療内容をメインとしたサイトで力を発揮するでしょう。
ただ、あまりにもピンクの印象を強く出してしまうと、未熟な印象を与えてしまうので要注意です。
オレンジ
オレンジは、陽気な印象を与える色です。
イメージとしては、「陽気さ」「親しみやすさ」「暖かさ」などのプラス部分と、「安っぽさ」「落ち着かなさ」などのマイナス部分を持っています。
歯科サイトでの活用ポイント
親しみやすく陽気な色なので、元気で明るいイメージを与えたいコンセプトのサイトに適しています。
実際に、子どもの歯の治療をメインとしている歯医者でよく使われています。
黄
黄色は、明るく親しみやすい印象を与える色です。
イメージとしては、「楽しさ」「親しみやすさ」「社交性の高さ」などのプラス部分と、「目立ちたがり」「幼さ」などのマイナス部分を持っています。
歯科サイトでの活用ポイント
明るくて元気、親しみやすさがある色なので、フレンドリーなイメージを与えたいサイトに適しています。
印象に残りやすいカラーでもあるため、競合が多い地域で効果的に使っていく方法も考えられます。
緑
緑は、心の安定や安心感、リラックスなどの印象を与える色です。
イメージとしては、「安全」「調和」「エコ」などのプラス部分と、「若々しさ」「優柔不断」などのマイナス部分を持っています。
歯科サイトでの活用ポイント
濃い緑色は、安心感や信頼といったプラスのイメージをうえ付けられますが、薄いグリーンや黄緑は、ややもすると若々しさを感じ取られてしまう場合があります。
自然やエコ、森の色でもあるため、自身のポリシーを表現するため緑色を使われている歯医者さんもいらっしゃいます。
青
青は、落ち着きや冷静さと共に、自由や安心感などの印象を与える色です。
イメージとしては、「冷静」「安心」「清潔」「自由」「爽快」などのプラス部分と、「冷たさ」「義務的」などのマイナス部分を持っています。
歯科サイトでの活用ポイント
青は、水や快晴の空の色をイメージさせ、多くの方に好まれるカラーです。
清潔感と冷静さを表現できる色なので、多くの歯医者さんが使っています。
紺色などの濃い青は、知的で誠実なイメージを与えるため、しっかりとした治療を行う歯科医院であることをアピールするのに向いています。
紫
紫は、高貴さや優雅さなどの印象を与える色です。
イメージとしては、「個性的」「魅力的」「芸術的」などのプラス部分と、「自分中心」「高慢」などのマイナス部分を持っています。
歯科サイトでの活用ポイント
紫は、日本人にとって高貴な色で、神秘的なイメージを与えます。
個性的で、おしゃれで、洗練した歯科医院であることを伝えたい際には、利用してみると面白いかもしれません。
茶
茶色は、落ち着きや安定、安心感を与える色です。
イメージとしては、「頼もしさ」「親」「安定」などのプラス部分と、「古くささ」「ぼくとつ」などのマイナス部分を持っています。
歯科サイトでの活用ポイント
茶から受ける印象は、大地や木です。
安心したイメージをストレートに伝えることができます。
安心して治療を受けてもらいたい、落ち着いた雰囲気を感じ取ってもらいたいと言うサイトに適しています。
黒
黒は、高級感や力強さ、威圧感を与える色です。
イメージとしては、「おごそか」「洗練」「高級」などのプラス部分と、「怖さ」「威圧」などのマイナス部分を持っています。
歯科サイトでの活用ポイント
黒は、有名ブランドのサイトをはじめ、高価な商品を取り扱うサイトでよく使われています。
高級感を感じるカラーですので、高い技術力のアピールを中心としたサイトで、自費治療を増やしたいケースでは利用を考えてもよいかもしれません。
黒は、「闇」「無」「死」を連想させる色でもあるため、ポリシーを持った使い方が必要です。
白
白は、清楚、純潔、純真さ与える色です。
イメージとしては、「清潔」「美しさ」「誠実」などのプラス部分と、「無機質」「安っぽさ」などのマイナス部分を持っています。
歯科サイトでの活用ポイント
白は、ベースカラーに最適な色です。
サイトのデザインや構成がしっかりとしていれば、文字の読みやすさ、写真の写り映えが最も良い色となります。
逆に、文章や写真が安っぽいと、それなりの雰囲気になってしまうこともあるので注意です。
ちょっとしたテクニック
文字を見やすくするためには、文字を大きくするよりも、背景と文字の色の明るさの差を大きくしてあげる方法も効果的です。
最も明るさの差が大きいカラーは「白と黒」です。
逆に明るさの差が少ないカラーは「白と黄色」などになります。
メインカラーの決め方
サイトイメージを大きく左右するメインカラーは、一番初めに決めます。
メインカラーの傾向は、文字が読みやすいなどの可読性の問題から、明度を低くした色が使用しやすいとされています。
サイトに使うロゴのカラーをメインカラーに使用しているサイトも多く見かけます。
使用する色を決める基準としては、ターゲットイメージに合わせた色を探す必要があるので、色の印象を把握しながら決めると良いと思います。
ベースカラーの決め方
メインカラーの次は70%の面積を占めるベースカラーを決めていきましょう。
このカラーは主にサイトの背景色となる色です。
白、黒、グレーの無彩色カラーは他のメイン・アクセントカラーの色の妨げになりにくいので、よく使われている色かと思います。
ベースカラーは、文字間、コンテンツ間の余白などにも使われることが多いので、明度の高い色、淡い色を意識して使ってみるとしっくり収まります。
気をつけないといけないこと
色について考え始めると、あれこれありすぎてわからなくなってしまうことがあります。
そんな時に少しだけ役立つ情報を3つだけ選びました。
煮詰まってしまった時に思い出していただき、「ああ、そんなこともあったな」と思ってもらえれば幸いです。
他人は自分と同じに色を感じていない
自分が「赤」と感じる色を、他人も同じように感じていると考えるのは間違いです。
色は、目から入った光を脳がどのように解釈するかによって変わります。
生まれ持った目と脳の機能によって、色の違いがはっきりしない方もいます。
光を感じる差も人それぞれです。
乱視の人の中には、明るい光を見るとギラギラしているように感じてしまい、色を感じるときに影響を受けてしまう人もいます。
色へのこだわりは必要ですが、いきすぎてしまうと自己満足へつながってしまいます。
印刷物とモニターでは、色の種類が違う
チラシ等に印刷された色を、モニターで正確に再現することは困難です。
印刷された色は、そこに光が当たって反射されたものです。
モニターで見ることができる色は、色自体が光っています。
印刷の色は、すべてを混ぜると灰色になり、モニターの色は、すべてを混ぜると白になります。
興味がある方は、「色の3原色」「光の3原色」などで調べてみてください。
金色と銀色はない
単純なことですが見落としがちなことです。
荒っぽい説明になってしまいますが、金色は、黄色がかった黄土色の面に光が反射している状態です。
または、黄色っぽい色の中に光る粒子が入っていて、キラキラしている状態です。
色ではなくて光の反射です。
そのため、モニターで再現する場合は、グラデーションでそれっぽく表現する以外に方法はありません。
銀色も同様です。
グレーの表面が光っている状態です。
まとめ
歯医者さんのホームページ制作において、カラーはツールです。
上手に使いこなして、目的を達成するための道具です。
自分が好きな色でデザインを構成するのもよいですが、それがサイトの目的とケンカすることは避けたいものです。
しっかりとサイトの目的を見定め、それに合ったホームページカラーの選択をし、ぶれない信念でデザインを進めていきましょう。
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