つむじから薄毛が進行していると「AGAなのでは?」「進行を止めることはできるの?」と不安に感じることも少なくないでしょう。
そこで本記事では、AGAによるつむじはげの特徴、治療法などを詳しく解説していきます。
つむじはげについて正しく理解し、ご自身に合った治療法を見つけて、理想の髪型を目指しましょう。

つむじから薄くなる「つむじはげ」はAGA?特徴を解説!
つむじから薄毛が進行していく、いわゆる「つむじはげ」単なる思い込みなこともありますが、多くの男性の場合はAGAである可能性が高いです。
とはいえ、そもそもとしてAGAとはどういったものなのかが分からないと、状況の深刻度や今後の治療プランが立てにくいかと思います。
そのため、まずはつむじはげに関係する、AGAの特徴について理解しておきましょう。
AGAは男性型脱毛症で多くの薄毛に該当する
AGAとは「男性型脱毛症」のことを指します。
男性ホルモンの影響で、毛周期が乱されて薄毛が進行する脱毛症のことですが、端的にいえば、男性の多くが年齢を経るごとに発症しやすくなる脱毛症と考えれば分かりやすいかと思います。
そのため、男性が悩む薄毛の多くはAGAである場合が多いです。
つむじが全体的に薄い場合はAGAの可能性が高い
つむじが全体的に薄い場合も、AGAである可能性が高いです。
AGAは徐々に薄毛が進行していくという特徴があるため、つむじが全体的に薄くなっていっている場合はAGAの可能性が高くなります。
なお、例外として、硬貨ぐらいのサイズで、境界がはっきりとした脱毛があるなら、たとえつむじに発生していても円形脱毛症と考えられます。
また、徐々に進行しているのではなく、一気に抜け毛が増えている場合は休止期脱毛症の可能性もあります。
AGAは徐々に進行するので変化に気付きにくいです。頭皮や毛髪に、明らかで急速な変化があると感じる場合はAGA以外の脱毛症を疑いましょう。
つむじはげになる原因の多くは遺伝
- 遺伝
- ストレス
- 飲酒・喫煙
- 睡眠不足
AGAでつむじはげになる原因の多くは遺伝です。
AGAは一部の男性ホルモンが作用することで発症するのですが、この男性ホルモンの作用のしやすさは遺伝が大きく影響します。
つまり、家族につむじはげの人が多い場合、もしくはつむじはげでなくでもAGAで薄毛の人がいる場合は、ご自身もつむじはげになる可能性が高いといえます。
とはいえ、ストレスや飲酒・喫煙などでもAGAの原因になり得るため、生活習慣を正すことも大事です。
女性はAGAで薄毛にはならないので、遺伝するとすれば「父親」か「母方の父親」か「父方の父親」からです。
AGAは完治するのは難しい
AGAの原因である男性ホルモンは完全に排除することはできません。
お薬によって作用を弱めたり、一時的に毛を増やしたりすることはできるものの、お薬の使用をやめると、また原因である男性ホルモンが作用するようになり、薄毛が進行してしまいます。
そのため、AGAを発症した人は「治療を続けて毛を維持し続ける」か「治療を諦めて薄毛を受け入れる」のどちらかを選択することになります。
つむじはげのAGAはどのように進行する?進行の見分け方を解説

「自分もAGAかもしれない」という場合は、一度つむじはげの進行の仕方をチェックすることが大切です。
どのように進行するのか理解し、ご自身のAGAがどこまで進んでいるのか、もしくはまだ発症していないか確認し、治療するべきなのか検討しましょう。
初期はつむじがかゆくなる
AGAになると初期症状で皮脂の分泌量が増えて頭皮環境が悪化します。
そのため、AGAの初期段階ではかゆみが発生します。
ただし、AGAになる誰しもがかゆみを経験するというわけではありません。
「かゆみがないからAGAじゃない」と勘違いすることのないようにしましょう。
毛が薄くなりつむじの地肌が見えてくる
つむじはげのAGAが進んでいくと、頭頂部の毛がだんだんと薄くなっていきます。
具体的には、毛が細くなったり、毛の本数が少なくなったりして、地肌が見えるようになってきます。
普段から自分でつむじを見ることはできないため「気が付いたら薄毛がかなり進行していた」というケースも少なくありません。
そのため、普段から鏡で入念にチェックしたり、身近な人に見てもらったりして、つむじが薄くなっていないか確認しましょう。
つむじの渦が分かりにくくなる
さらにつむじはげが進むと、つむじの渦が分かりにくくなります。
シャンプーをする際は明らかに毛の感触が少なくなり、鏡を見るまでもなく毛がなくなってきていることが分かるでしょう。
この段階まで来ると、だんだんと新たに毛を生やすのが難しくなっていきます。
AGAは進行するほど治療が難しくなっていくので、できるだけ早めに対処することが大切です。
最終的にはつむじだけでなく頭皮全体的に広がっていく
つむじから始まっていた薄毛も、AGAが進行すると頭皮全体に広がっていき、多くの部分の毛がなくなります。
最初はちょっとした薄毛だと思っていても、最終的には薄毛部分が頭皮全体に広がるため、つむじはげになっていると少しでも感じた場合は、早めに治療を始めましょう。
なお、側頭部や後頭部はAGAの影響を受けにくいため、AGAが進行しても側頭部や頭頂部だけは毛が残る場合もあります。
つむじはげのセルフチェック方法
続いて、つむじはげのセルフチェック方法もチェックしておきましょう。
以下の2つのチェック方法を解説していきます。
頭皮の色
- 頭皮が見えるか
- 頭皮に赤み・炎症はないか
- 髪の黒さを感じられるか
まずは頭皮の色をチェックしてみてください。
チェックの仕方はスマホでも良いですが、より色味が分かるようにするためにも、手鏡を使うことをおすすめします。
つむじ周辺の頭皮の見える範囲に、以前と違いがないか、頭皮に赤みや炎症が起きていないかなどをチェックしてみましょう。
たとえ薄くなっていなくても、頭皮に炎症が起きている場合は、AGAの初期症状の可能性があります。
頭頂部の毛の細さ
AGAになると、毛が抜けるだけでなく、毛が細くなっていきます。そのため、頭頂部と側頭部の毛の細さも比較してみましょう。
1本では違いが分かりにくいので、頭頂部の毛と側頭部の毛を30本ほど数えながらまとめて、束にしたときの太さを指の感触で比べてみてください。
束の太さに明らかな違いを感じる場合は、AGAである可能性が高いです。
毛の細さを比較する場合は、AGAの影響を受けにくい側頭部や頭頂部の毛と比較しましょう。
つむじはげを止めるためには早めのAGA治療を!治療法を解説
一度AGAを発症したら、治療をしない限りは薄毛はどんどん進行していきます。
つむじはげの進行を止めたい場合は、以下の治療法を検討してみてください。
フィナステリド・デュタステリド
フィナステリド・デュタステリド | |
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治療費 | 月3,000円~5,000円 |
効果 | AGAの進行を止める |
つむじはげの進行を止める第一のお薬がフィナステリドもしくはデュタステリドとなります。
これらは今後AGA治療をする場合、欠かせないお薬となるので覚えておきましょう。
どの治療をするにしても、AGAの進行を止めるために基本的にはフィナステリドかデュタステリドを服用していくことになります。
フィナステリドやデュタステリドを服用することで、AGAの進行を止め、これ以上抜け毛が増えないように対処できます。
デュタステリドはフィナステリドよりも高い予防効果が期待できる分、多少高価になっています。
ミノキシジル
ミノキシジル | |
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治療費 | 月5,000円~10,000円 |
効果 | 発毛を促す |
ミノキシジルは発毛を促すお薬です。
すでにつむじはげが進行しており、頭頂部が薄くなってしまっているなら、ミノキシジルによって発毛を促して毛を増やします。
ミノキシジルだけでは予防をする力はないため、基本的に前述のフィナステリドかデュタステリドと併用して使うことが多いです。
ミノキシジルには外用薬と内服薬の2種類がありますが、日本皮膚科学会ガイドラインでは外用薬の使用が推奨されています。
メソセラピー治療
メソセラピー治療 | |
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治療費 | 1回20,000円~100,000円 |
効果 | より効果的に発毛を促す |
メソセラピー治療は、頭皮に直接お薬を注入する治療方法です。
単純に散布する場合と違い、皮膚内に注入するため、より高い効果が期待できます。
前述のフィナステリドやミノキシジルの治療法とは異なり、費用がかさみやすいので、予算に余裕がある場合に選ばれることが多いです。
また、フィナステリドやミノキシジルなどの外用薬や内服薬だけでは効果が出ない場合にも、メソセラピー治療が選ばれます。
植毛
植毛 | |
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治療費 | 300,000円~1,000,000円 |
効果 | 長期的に薄毛を予防する |
植毛は側頭部や後頭部などのAGAの影響を受けにくい部位の毛を移植します。
そのため、つむじはげを治療するなら、側頭部や後頭部の毛をつむじに移植することになります。
料金はかさみやすいですが、側頭部や後頭部の毛は今後もAGAの影響を受けにくいため、お薬を使わずとも長期的に毛を維持できるようになります。
つむじはげの人がAGA治療をする際のポイント
つむじはげの人がAGA治療をする際は、以下のポイントをチェックしておきましょう。
それぞれ解説していきます。
頻繁につむじの薄毛の進行度をチェックする
つむじはげの人は、日常的につむじの薄毛の進行度をチェックしましょう。
AGA治療を始めても、つむじはげがすぐに改善するわけではありませんし、場合によっては服用を続けても薄毛の進行が止まらないこともあります。
薄毛の進行度をチェックしないまま放置していると、いつの間にかつむじはげが悪化している可能性も否めません。
毎日つむじをチェックする癖をつけるほか、可能な限りは医師にも頭皮の状態をチェックしてもらいましょう。
生活習慣もできるだけ改善する
- 禁酒・禁煙をする
- 片寄った食事を避ける
- 睡眠時間を確保し睡眠の質も高める
AGAは遺伝が主な原因ではあるものの、生活習慣も少なからず影響しています。
そのため、生活習慣を正すことでもAGAの進行を抑えることに繋がります。
何から改善するべきか分からない場合は「運動」がおすすめです。運動をすると血流が良くなり頭皮へ栄養が届きやすくなります。また、ストレス解消ができ疲労感によって入眠もしやすくなります。
できるだけ安いクリニックを選ぶ
つむじはげの治療をする、フィナステリドやデュタステリド、ミノキシジルなどは、基本的にはどのクリニックでも同じようなものを処方しています。
処方している種類が違っていても、どのお薬が良いのかは一概に断言することはできません。
そのため、最初はシンプルに安いクリニックを選びましょう。
つむじはげのAGAに関するよくある質問
- つむじはげのAGAは改善・治療できる?
つむじはげのAGAは、フィナステリド・デュタステリドで予防が、ミノキシジルで改善(発毛)ができます。新たに毛を生やす治療をしたい場合は、フィナステリド・デュタステリドのどちらかと、ミノキシジルを併用するのが一般的です。
- AGA治療の費用はどれくらいかかる?
フィナステリド・デュタステリドの予防のみのプランだと月3,000円程度です。ミノキシジルを併用する発毛プランの場合は月1万円程度です。
- AGA治療を受けてから効果が出るまでの期間は?
個人差がありますが、半年ほどで効果を実感できるようになります。そのため、どれだけ効果が出なくても、治療は少なくとも半年は根気よく続けましょう。
- つむじはげでAGA以外に考えられる脱毛症はある?
円形脱毛症や休止期脱毛症などがありますが、どちらも一気に抜けるという特徴があります。徐々につむじが薄くなっている場合はAGAを疑いましょう。
- AGAで薄毛になるのはつむじだけ?
AGAでは、つむじ以外にも額の生え際も薄くなります。進行の仕方は個人差があり、同時にM字に薄くなる人もいれば、つむじだけが強く薄毛になる人もいます。
まとめ
- つむじはげはAGAの可能性が高い
- AGAの初期はつむじがかゆくなることがある
- 放置すると頭部全体に広がっていくため早めの治療が肝心
つむじが薄くなっている場合は、AGAである可能性が高いです。特につむじがかゆくなることが多いなら、AGAの初期症状であると疑いましょう。
毛が薄くなりつむじの地肌が見えて来ているなら、AGAはかなり進行してしまっています。
進行するほど治療は難しくなるので、AGAの可能性を少しでも感じるならクリニックを一度受診してみましょう。
早期の治療ができれば、理想的な髪形を維持できますよ。
【参考文献】
男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
臨床発毛医学の現状と展望 2018
毛と毛包の解剖・毛髪異常