インハウスSEOとは?内製化成功のコツ、難しい場合の対処法など解説!
「インハウスSEOってなに?」
「インハウスSEOが難しい場合どうすればいい?」
インハウスとはつまり内製のことですが、SEOを全て内製するのは大変ですよね。
本記事では、インハウスSEOとはなにか、インハウスSEO成功のコツ、インハウスSEOが難しいときの対処法など解説します。
ぜひご一読いただき、貴院のSEO対策にお役立てください。
Contents
- 1 インハウスSEOとは?
- 2 インハウスSEOのメリット
- 3 インハウスSEOのデメリット
- 4 インハウスSEOの業務7ステップ
- 5 インハウスSEO成功のコツ
- 6 インハウスSEOが難しいときの対処法
- 7 まとめ
インハウスSEOとは?
インハウスSEOとは、企業や組織が自社内でSEO(検索エンジン最適化)の活動を完結させることを指します。
「インハウス」という言葉は「内製化」や「組織内で実施」という意味合いがあり、外部の業者に委託するのではなく、自社のメンバーだけでSEOの戦略立案から実行までを行うことが特徴です。
インハウスSEOのメリット
本項目では、インハウスSEOのメリットについてご説明します。
外注費を削減できる
インハウスSEOを導入することで、SEO業務を外部に丸ごと委託する必要がなくなるため、初期費用・運用費用・成果報酬などの外注コストを大幅に削減できます。
特に、医療専門性の高いコンテンツ制作については、社内(院内)スタッフや医師・看護師が自ら執筆する方が、正確性が高く、コスト面でも有利になるケースが少なくありません。
例えば、新規開院の医療機関がウェブサイトを立ち上げる場合、外注して運用を丸ごと任せてしまうと、初期制作費用や月額コンサル費用だけで数十万円以上かかることもままあります。
しかし、院内スタッフにウェブの基礎知識を持った担当者がいれば、サイトの更新や軽微な修正を全て内製化することで、月々のコンサル費や制作費用を大幅に抑えることが可能です。
院内にノウハウを蓄積できる
インハウスSEOを実践することで、自院で試行錯誤を重ねながら、検索キーワードの選定、コンテンツ作成方法、効果測定・改善などの知見が院内の資産として蓄積されていきます。
外部に任せきりの場合には得られなかった「自院ならではのデータ」や「医療分野特有のSEOのコツ」を把握し、継続的に活用できるようになるのです。
例えば、インハウスSEOで定期的にアクセス分析を行うことで、「どのキーワードで問い合わせが増えたか」「どのページから予約が多いか」などの細かい情報を院内でストックでき、今後の運営に役立てられます。
また、蓄積したデータを分析することで、新たな診療メニューや設備投資の検討にも活用できます。
仮に、「花粉症の時期になると『アレルギー検査 ●●市』の検索流入が急増」という情報が得られれば、集患増のみならず、患者のニーズに合ったサービス開発や設備投資の判断材料にできるのです。
外部に依頼すると得られるデータのレポートは限られることも多いですが、インハウスなら必要に応じて自分たちで深く分析できるのも大きなメリットだと言えるでしょう。
意思決定や業務の効率化、成果向上が期待できる
インハウスSEOを導入することで、外部業者とのやり取りが不要になるため、コミュニケーションにかかる時間や手戻りが大きく減ります。
つまり、意思決定や業務の効率化、ともなって、PDCAサイクルの高速化も期待することができます。
また、院内スタッフがSEO担当として関わることで、「現場で求められる情報」と「サイトに掲載する情報」の乖離が少なくなり、より患者目線に立った情報発信が可能になるでしょう。
例えば、インフルエンザの流行時期やコロナ禍など、状況が刻一刻と変化するときに「最新の感染対策のお知らせ」をサイトに載せる必要が生じたとします。
インハウスでSEO・サイト運用を担っていれば、院内の担当者が的確に情報を更新・発信できます。
その結果、患者満足度の向上や、問い合わせ・予約数の増加など”成果”につながりやすくなると言えるでしょう。
機密漏洩リスクがない
インハウスSEOを導入することで、社外に情報を出さずに済むため、重要なデータや情報が外部に漏れるリスクを下げることができます。
具体的には、患者情報や経営データを含むアクセス解析データなどが挙げられます。
例えば「どのページから予約や問い合わせが多いか」「どの年代の患者から閲覧が多いか」など、医療機関にとっては機密性の高いデータを扱うケースが少なくありません。
インハウスSEOであれば、外部にデータを共有せずに院内のみで分析・管理できるため、漏洩リスクを軽減できるのです。
社内や分野特有の専門性や正確性を担保しやすい
インハウスSEOのメリットとして、医療従事者ならではの専門知識や、院内独自の方針・ルールをスムーズに反映しやすいことも挙げられます。
また、誤った表記や過度な広告表現を防ぎ、医療情報の正確性を保ちやすいのも重要な利点だと言えるでしょう。
例えば、医療分野においては、薬機法(旧薬事法)や医療広告ガイドラインに抵触しないようにコンテンツを作成する必要があります。
外部ライターや制作会社へ丸投げしてしまうと、法規制や分野特有のルールを充分に理解してもらうまでに時間や手間がかかるほか、監修漏れや誤解を招く表現が入り込むリスクが生じます。
インハウスで対応すれば、院内の医師や看護師と連携して、正確かつ最新の情報をスピーディに掲載できるのです。
インハウスSEOのデメリット
本項目では、インハウスSEOのデメリットについてご説明します。
SEOに知見のある人材を確保する必要がある
インハウスSEOを導入するには、最新のSEOトレンドやGoogleアルゴリズムの変化に対応できる専門的な知識と経験を持った人材が必要不可欠です。
特に、テクニカルSEO・コンテンツマーケティング・分析スキルなど、幅広い能力をカバーできる人材を確保しなければなりません。
さらに、医療機関の場合、医療広告ガイドラインへの対応が求められます。
医療広告ガイドラインを遵守しながら、医療従事者の専門性を活かしたコンテンツを上位表示させるには、SEOと法規制双方への理解が必要になります。
また、耳鼻咽喉科と心療内科、皮膚科など、それぞれの診療科で求められるキーワードや情報構成が異なります。
各分野で競合となるクリニック・病院などのウェブサイトを分析し、自院の強みを訴求するには、マーケティング全般の知見も必要になります。
これら全てに十分な知見や能力を持った人材は稀で、運よく適切な人材に出会えたとしても相応の給与が必要になり、ペイできない可能性があります。
人件費やツールの導入費用がかかる
インハウスSEOを実践するには、複数のSEO担当者が必要となり、その分の人件費が発生します。
また、サイト規模や分析ニーズに応じて、有料のSEOツールやアクセス解析ツールの導入・運用コストが必要になるのも見逃せません。
さらに、看護師や医療事務スタッフの中でデジタルに強い人をSEO担当に育成する場合、研修やセミナーへの参加費用などがかさむ点も課題です。
学会出張とSEOセミナーが重なるなど、医療機関ならではのスケジュール調整の難しさもあり、その分のコストをどう捻出するか検討が必要になります。
時間と労力がかかる
インハウスSEOでは、コンテンツ制作や効果測定、改修を繰り返すPDCAサイクルを走らせるために、継続的な作業が欠かせません。
特に、専門性の高いコンテンツを内製する際のハードルは高いと言えるでしょう。
例えば新しい治療法や検査方法を導入した際、その解説記事を作るには医師の監修やスタッフ同士の打ち合わせが必要です。
執筆や編集に時間を要するため、本来の診療業務と両立するのは容易ではなく、公開までに長いリードタイムが生じやすくなります。
また、医療機関ではシーズンごとに学会や研修が集中し、人員が不足する時期があるかもしれません。
そのタイミングでSEOの大きな施策を進めるのは難しく、更新作業や計測が後手に回ってしまう場合があります。
結果、施策の成果が出るまでにさらに時間がかかり、モチベーション低下につながることも懸念されます。
SEOは属人性が高い部分があり共有・教育が難しい
SEOは属人性が高い部分があり、ノウハウの共有や教育が難しい側面があります。
担当者が離職や異動した場合、引き継ぎが困難で、以後のSEO施策の継続が難しくなってしまうのです。
結果、サイトの更新がストップ、検索順位や集患力の低下などのリスクがあります。
また、属人性が高くない箇所についても、SEO担当者が情報共有をしない、あるいはする余裕がないと、「何が成功要因だったのか」「どの施策が失敗だったのか」が共有されません。
組織として同じ失敗を繰り返す可能性があるうえ、新規スタッフが入ってきても過去の知見を活かせず、一から学び直す必要が出てくるのです。
最新の動向や再現性の高い施策情報が入手しづらい
インハウスSEOのもう一つの課題は、最新の動向や再現性の高い施策情報が入手しづらい点にあります。
Googleアルゴリズムの変更や新たなSEO手法など、最新のトレンドをキャッチするには情報収集が欠かせません。
しかし、インハウスSEOだと、院内データのみの検証に偏りがちで、外部の多様な事例から得られる知見が不足しやすいのです。
医療機関ならではの事情として、医療広告ガイドラインのアップデートへの対応遅れも懸念材料の一つです。
厚生労働省からの通達や学会の新指針など、医療特有のルール変更が加わる場合があります。
SEOだけでなく医療法規にも明るい外部専門家がいれば早期にキャッチアップしやすいですが、インハウスで情報収集を担うとなると担当者の負担が大きくなりすぎてしまう可能性があります。
インハウスSEOの業務7ステップ
本項目では、インハウスSEOの業務7ステップをお伝えします。
現状把握・競合調査・ペルソナ設定
まずは、現状把握・競合調査・ペルソナ設定を行いましょう。
現状把握
インハウスSEOを進めるうえで、まずは自院のサイトの現状を把握することが欠かせません。
具体的には、公式サイトの診療メニューや閲覧数、問い合わせ状況などを分析するとよいでしょう。
例えば、アクセス解析を行い、「予防接種」「健康診断」「訪問診療」など、どのページが多く閲覧されているか、離脱率が高いページはどこかなどを確認するのです。
また、現在の検索順位や検索キーワードも、Google Search Consoleや有料ツールで洗い出し、どの診療科目やサービスが特に需要を獲得しやすいか、逆に不足しているコンテンツは何かを把握することが重要です。
加えて、医療広告ガイドラインや薬機法に抵触していないかのチェックも欠かせません。
例えば、サイト内の文章やバナーが誇大広告になっていないか、どの程度まで”効果”をうたっていいかを確認するのです。
インハウスSEOでは、こうした法的要件と検索エンジン対策を両立するために、現場の法務・広報担当とも連携をとってリスクを検証することが大切だと言えるでしょう。
競合調査
地域内や領域内で上位表示されている他院・クリニックのサイトを分析します。
例えば、周辺エリアのクリニックサイトをリストアップし、どんな診療メニューをトップページで打ち出しているか、ブログやコラムの更新頻度、SNSと連動しているかなどをチェックするのです。
「小児科」で検索した場合、検索上位に表示されるサイトでは「オンライン予約システムの導入」「子育て世代へのわかりやすい健康情報」を充実させている傾向があるかもしれません。
競合のサイト構造や顧客満足度の高いサービスなどを明らかにすることで、自院に不足しているサービスや情報を発見できるでしょう。
ペルソナ設定
どのような患者層に向けて情報発信するのかも明確にする必要があります。
例えば、小児科であれば「初めて子どもを連れて来院する親御さん」、整形外科であれば「通院が必要な高齢者」など。
そして、具体的な年齢・家族構成・抱えている悩みをペルソナとして設定するのです。
合わせて、「花粉症シーズンに鼻づまりの相談が多い」「子どもの予防接種情報を知りたい親世代が増えている」など、自院の強みと患者ニーズを重ねて考えることが重要です。
目標設定(KPI設定)
続いて、目標設定(KPI設定)を行います。
SEOに限ったことではありませんが、ただ漠然と対策をしてしまっては、対策の意味も半減してしまいます。
例えば、「検索順位を上げる」、「予約・問い合わせ数を増やす」など、目標を設定することが肝要です。
また、例えば、「整形外科のリハビリ予約を月●件増やす」「胃カメラ検査の問い合わせを月●件に増やす」といった具合に、具体的な数値、つまりKPIも設定しましょう。
また、期間を区切ってモニタリングすることも重要です。
例えば、「3か月後にオンライン予約の月間件数を●件増やす」「半年後にホームページからの問い合わせ率を1.5倍にする」といった中期・短期目標を設定し、達成度を評価するのです。
戦略立案
現状把握・競合調査・ペルソナ設定、目標設定(KPI設定)が完了したら、今後にむけて、戦略立案を行いましょう。
全体像を描く
インハウスSEOの戦略を立てるうえで、まずは自院の得意領域に合わせたコンテンツマップを作成することが大切です。
例えば、「小児科」「内科」「産婦人科」を抱える総合クリニックなら、それぞれの診療科で必要な情報コンテンツを整理し、どのキーワード・ページが上位表示を狙えるか洗い出すのです。
どんな患者がどんなキーワードで検索し、どのランディングページに着地するかのフローを可視化すると、抜け漏れが見えやすくなります。
キーワード設計と情報発信の方向性
次に、ペルソナに合わせたキーワード群を精査することが重要です。
例えば、「花粉症 予防」「子ども 発熱 いつ受診」「リハビリ 料金 ●●市」など、ターゲットが検索しそうなワードをリストアップするのです。
また、競合との比較で勝負できそうな領域を優先的にコンテンツ化することが有効だと言えるでしょう。
実行計画(アクションプラン)の作成
最後に、コンテンツ制作・サイト改修・コンバージョン(予約・問い合わせなど)施策などの優先度とスケジュールを定めましょう。
例えば、「まずはアクセスが多い小児科ページから改善」「産婦人科のFAQページを2か月以内に追加」「口コミ・実績紹介ページの構成を見直す」など、段階的に実施するのです。
また、スタッフ連携や外部リソース活用の検討も欠かせません。
院内でウェブ担当者・医療事務スタッフ・医師が協力して原稿を書くか、外部のライターやコンサルタントを部分的に活用するかなどを洗い出し、必要に応じて稟議を通すのです。
SEOツール(有料分析ツール)を導入する場合も、導入手順・利用範囲・予算管理を事前に決めておくとよいでしょう。
全体の設計と改善(内部SEO施策の実施)
ここからは実際にSEO施策を実施していきます。
いわば基礎工事ともいえる部分になるので、まずは、全体の設計と改善(内部SEO施策の実施)から行いましょう。
サイト構造の最適化
内部SEO施策を行ううえで、サイト構造の最適化は欠かせません。
具体的には、まず、URLやサイトの階層を整理し、患者が迷わず目的の情報にアクセスできるようにすることが重要です。
例えば、医療機関の公式サイトで「診療科目別」「病院案内」「院長あいさつ」などのメニューを整理し、「/clinic/internal-medicine/」「/clinic/pediatrics/」のようにURLをわかりやすく設定することで、Googleのクローラーにとっても構造が明瞭になります。
また、同じ診療メニューを複数ページで重複して説明していないか確認し、重複があれば1つにまとめましょう。
例えば、「新型コロナワクチンのお知らせ」ページが複数URLで存在する場合、canonicalタグを使って正規化し、評価が分散しないようにします。
内部リンク最適化
内部リンクの最適化も重要な施策の一つです。
例えば、「腰痛」のページと「リハビリテーション」のページなど、関連性の高いページをリンクでつなぎ、患者が情報をたどりやすくするのです。
これにより、サイト滞在時間や回遊率が上がり、Googleからの評価も高まりやすくなります。
また、「トップページ > 外科 > 手術前後のサポート」といった階層を示すパンくずリストを適切に設置することも大切です。
患者が現在どのページにいるかわかりやすくなるだけでなく、クローラーにもサイトの構造が伝わりやすくなります。
ページスピード・モバイルフレンドリー対応
ページ表示速度の改善やスマホ表示の最適化も欠かせません。
例えば、大きい画像や動画を圧縮、不要なコーディングを削除など行い、読み込みを高速化するのです。
また、スマホ利用者が多い診療科(産婦人科、小児科など)では、タップしやすいボタン配置や見やすい文字サイズにし、離脱を防ぐことも重要です。
レスポンシブデザインを採用してPC・スマホ共にストレスなく閲覧できるようにすることが求められます。
コンテンツ制作(コンテンツSEOの実施)
続いて、コンテンツ制作(コンテンツSEOの実施)を行います。
キーワード選定とコンテンツ企画
戦略立案時に選定したキーワードや情報発信の方向性をもとに、SEOをツールを活用し、検索ボリュームや競合性を考慮の上、キーワードを決定します。
例えば、「インフルエンザ 症状 子ども」「人間ドック 費用 ●●市」など、実際に予約・問い合わせにつながるキーワードを優先し、記事やページを作るとよいでしょう。
加えて、医療広告ガイドラインへの配慮も欠かせません。
治療効果を絶対的に謳う表現や誇大広告を避け、正確かつ患者が安心できる情報提供に徹することが重要です。
医師監修や専門スタッフのチェックを経て公開することで、SEO上も「権威性」「信頼性」などを高められるのです。
検索意図に沿った内容・構成
決定したキーワードにおける、患者の検索意図を把握することも大切です。
検索意図把握には、対象のキーワードで検索し、競合を参考にしたり、実際に患者にヒアリングするなどするとよいでしょう。
例えば、内視鏡検査について不安な点をQ&A形式で解説するコンテンツなどです。
来院前に知りたい情報(検査の流れや費用、待ち時間対策など)を具体的にまとめると、ユーザー満足度が高まり検索評価も向上するでしょう。
合わせて、タイトルやディスクリプションなどのメタタグ最適化も必須です。
例えば、「【花粉症外来】早めの受診でつらい症状を軽減|●●市の●●クリニック」など、タイトルにキーワードと具体的なメリットを盛り込みます。
検索結果で魅力を感じてもらい、クリック率(CTR)の向上につなげることが重要だと言えるでしょう。
画像・動画・その他メディアの活用
画像やイラストでわかりやすく伝えることも有効です。
例えば、整形外科のリハビリ体操を動画やイラストで解説し、患者が「この通りに動けばいいんだ」と理解しやすいよう工夫するのです。
画像には、alt属性も正しく設定するなど、ユーザビリティの向上も心がけましょう。
動画の場合、YouTubeなど他プラットフォームとも連動すれば、検索エンジン上での評価向上やサイテーション獲得にもつながりやすくなります。
被リンク・サイテーション対策(外部SEO施策の実施)
全体の設計と改善(内部SEO施策の実施)、コンテンツ制作(コンテンツSEOの実施)と合わせて、被リンク・サイテーション対策(外部SEO施策の実施)も必須です。
被リンク獲得施策
外部SEO施策として、まずは被リンク獲得施策が挙げられます。
例えば、学会発表の情報や共同研究の成果などを発信し、信頼度の高い医療系ポータルやメディアサイトからリンクを得るのです。
また、地域新聞や医療ニュースサイトに寄稿する機会があれば、自院のサイトURLを掲載してもらうなど積極的に露出を図ることが有効だと言えるでしょう。
サイテーション対策
サイテーション対策も欠かせません。
例えば、患者の口コミで有名な医療ポータルサイト(エキテン、病院口コミサイトなど)に正確な診療時間や所在地を登録し、最新情報を更新することが重要です。
また、院内イベントや地域医療連携のニュースをSNSで発信し、シェアされることでサイテーション(「名前を挙げられる」こと)が増え、検索評価にもプラスに働くのです。
その他、Googleビジネスプロフィール(GBP)を活用し、患者に口コミを依頼することも有効です。
データ分析・改善
実際にSEO施策を実施した後は、データ分析・改善が必須です。
アクセス解析とユーザー行動分析
SEOにおける分析に、GoogleアナリティクスやGoogle Search Consoleは必須と言えます。
例えば、Googleアナリティクスで分析の結果、あるページの「アクセス数が多いが、滞在時間が短い」と判明した場合、記事内容が浅い可能性があるため、より詳しい検査手順や実施例を追加するとよいでしょう。
どの検索キーワードで流入が多いか、直帰率や離脱率が高いページはどこかをチェックして改善点を洗い出しましょう。
また、コンバージョン(問い合わせ・予約数)の追跡も大切です。
例えば、オンライン予約フォームへの遷移率、予約完了数を計測し、途中離脱があればフォームの使いづらさを疑って改善するのです。
ページごとの目標(KPI)を設定し、計画通りかを定期的に検証することが求められます。
検索順位・被リンクのモニタリング
順位計測ツールを使い、主要キーワードの順位変動を把握することも重要です。
例えば、「胃カメラ 楽」「●●市 内科 土日診療」などのキーワードで順位が下がっていれば、記事のリライトやSEO内部、外部対策の強化を検討するとよいでしょう。
リライト・施策のPDCA
既存ページの定期的なアップデートも重要です。
例えば、健康診断のページを毎年春に見直し、最新の検査項目や助成制度などの情報を追加するのです。
古いデータやリンク切れがあれば修正することが求められます。
インハウスSEO成功のコツ
本項目では、インハウスSEO成功のコツについて解説します。
SEOの重要性を理解する・させる
経営陣・スタッフへの啓蒙
インハウスSEOを成功させるには、まずはSEOが長期的な取り組みであることを全社的に共有することが重要です。
例えば、「新患が増えるのはいつ頃から?」「健診予約が増えるのはどのくらい後?」といった疑問が経営陣から出る場合、SEOは1~2か月で目に見える効果が出るケースは少なく、半年~1年ほど腰を据えて取り組む必要があることを説明します。
短期成果を求める場合はリスティング広告を優先し、SEOは中長期的目線で実施するなど、SEOの必要性と役割を理解してもらうことが欠かせません。
全社的な協力体制の重要性
SEOはウェブ担当者だけの仕事ではないことを認識することも重要です。
例えば、看護師や受付スタッフから「よくある質問」をピックアップしてもらい、それをコンテンツ化して患者の疑問を解消するページを作成します。
開発部門(システム担当)や現場の医師・コメディカルスタッフと連携しながら、各部署の知見を集約してサイトを改善すると効果が出やすくなるでしょう。
SEOの担当者を確保または決定する
インハウスSEOを成功させるには、適切な担当者を確保または決定することが欠かせません。
具体的には、以下の3つのパターンが考えられます。
パターン1:SEOに詳しい人材を新規採用する
即戦力を求めたい場合、実績のあるSEOやウェブマーケティング経験者を採用するとよいでしょう。
例えば、広告代理店などでSEOを学んだ人材を新しく迎えるのです。
パターン2:既存スタッフを育成する
例えば、ウェブ担当がいない小規模クリニックの場合、事務スタッフが兼務でSEOを勉強し、少しずつ実践するパターンもあります。
インハウスSEOの支援会社やコンサルタントを一時的に利用し、研修やアドバイスを受けてスキルアップを図ることが有効だと言えます。
パターン3:部分的に外注して内製化を進める(セミインハウス)
例えば、コンテンツ制作は医師や看護師が中心となって行い、技術的な内部対策や被リンク対策だけ外部に任せるなどの方法です。
徐々に知見を蓄積し、最終的にはすべて内製化を目指すとよいでしょう。
SEOのノウハウ共有の仕組みを設け属人化を避ける
まずは、社内Wikiやマニュアルを整備することが有効だと考えられます。
例えば、「●月●日にサイトをリニューアルし、ページスピードを改善した結果、予約数が●%増加した」というように、施策と成果を時系列で記録するのです。
Google Search Consoleやアクセス解析の設定手順、各診療科ページの目的なども含めて一元管理しておくことが大切です。
また、定期的な社内勉強会や情報共有会を開催することも重要だと言えるでしょう。
例えば、実施した施策とその結果、検索順位や問い合わせ件数の変化を共有する場を設けるのです。
関連部署(広報、システム担当、各診療科の看護師・事務スタッフなど)も参加し、患者の声やSNSでの評判などをフィードバックし合うことが求められます。
SEOの最新情報や活きたノウハウを入手しやすい状態をつくる
検索アルゴリズム・ガイドラインの変化に対応する
インハウスSEOを成功させるには、Googleのコアアップデートや医療広告ガイドラインの改訂情報を追うことが欠かせません。
医療系の情報発信は誤った表現があるとペナルティを受けるだけでなく、信用失墜のリスクもあるのです。
専門サイト(Google検索セントラル公式ブログなど)や業界ニュースを常にチェックし、必要に応じてサイト表記を修正することが重要だと言えるでしょう。
SEO関連のセミナー・勉強会・コミュニティ
また、社内のウェブ担当者や広報担当が積極的に外部イベントに参加することも有効です。
例えば、「医療×SEO」のようなテーマで開催されるオンラインセミナーやカンファレンスに参加し、最新の事例やトレンドを収集するのです。
コロナ禍以降、オンラインイベントが増えたため、現場を離れにくい医師や看護師でも参加しやすくなっています。
インハウスSEO支援会社を利用しSEO人材を育成する
インハウスSEOを成功させるには、支援会社を利用しSEO人材を育成することも有効です。
なぜなら、医療従事者が本業(診療・看護・学会など)と並行してSEOを習得・実践するのは現実的ではないからです。
例えば、専門用語が多い医療広告ガイドラインの勉強、アルゴリズム変化への迅速な対応、アクセス解析の高度な使い方など、SEOの実施には多岐にわたる知識が必要となりますが、これらは片手間でキャッチアップできるようなものではありません。
すべてを独学で行うより、経験豊富な支援会社の伴走サポートを受けた方が現実的・効率的だと言えるでしょう。
インハウスSEOが難しいときの対処法
本項目では、インハウスSEOが難しいときの対処法についてお話します。
一部だけ外注する(セミインハウスSEO)
インハウスSEOを進めるうえで、自院で得意な領域は内製し、苦手な領域を専門家に委託する方法もあります。
例えば、医療従事者ならではの専門性を活かしたコンテンツ制作は院内で行い、技術的な内部対策(ページスピード改善やモバイルフレンドリー対応など)や被リンク獲得施策だけを外部のSEO会社に依頼するのです。
医師や看護師が監修した記事を作成する一方、検索アルゴリズムの変化への迅速な対応やツール導入・運用といったテクニカル作業は、プロに任せることで作業効率が上がります。
また、医療広告ガイドラインや薬機法などに関わる表現チェックは厳格に行なえる環境の準備が必須です。
治療効果を過度にうたっていないか、広告として違法表現がないかなど、適切に対応できる人材が自院にいれば内製、難しいようであれば、医療広告ガイドラインなどにも明るいインハウス支援先を探すとよいでしょう。
すべてを外注する(アウトソースSEO)
社内にSEOの知見がない、あるいは急いで成果を出したい場合は、すべてを外注する(アウトソースSEO)ことも検討するとよいでしょう。
例えば、新規開院したクリニックが早期に患者を増やしたい、もしくは学会準備などでスタッフが忙しく、SEOに時間を割けないときには最適だと言えるでしょう。
キーワード選定からコンテンツ制作、被リンク施策、サイト改修まで一括で委託することで、短期間で結果を出しやすくなります。
ただし、外注会社を選ぶポイントには注意が必要です。
例えば、医療系の成功事例を多く持っているか、医療広告ガイドラインに精通しているか、院内とのコミュニケーション体制はどうかなどを確認するのです。
また、成果報酬型や月額固定型など、費用プランも複数比較して最適な業者を探すことが重要だと言えるでしょう。
専門家にアドバイスだけ求める(コンサルティング導入)
インハウスSEOを進めるうえで、専門家にアドバイスだけ求める(コンサルティング導入)ことも有効です。
例えば、コンサルティングや研修で院内スタッフを育成するのです。
具体的には、「3か月間だけプロのSEOコンサルを入れ、学会や論文執筆の合間にスタッフがノウハウを学ぶ」といった方法が考えられます。
その間に基本的なキーワード選定、記事構成術、データ分析手法などを習得し、最終的にインハウスで回せるようにするのです。
また、フェーズに応じて柔軟に利用することも大切です。
例えば、コンテンツ制作はある程度できるようになったら、内部施策のサポートのみコンサルティングを利用するなど、段階的な切り替えを検討しましょう。
まとめ
インハウスSEOとは、企業や組織が自社内でSEO(検索エンジン最適化)の活動を完結させることを指します。
インハウスSEOのメリットは、外注費の削減、院内へのノウハウの蓄積、意思決定や業務の効率化、機密漏洩リスクの回避、社内や分野特有の専門性・正確性の担保などが挙げられます。
デメリットとしては、SEOに知見のある人材確保の必要性、人件費やツールの導入費用、時間と労力、属人化によるノウハウ共有・教育の難しさ、最新動向や再現性の高い施策情報の入手しづらさなどがあります。
インハウスSEOを成功に導くには、SEOの重要性を理解・啓蒙すること、担当者の確保・育成、ノウハウ共有の仕組み作り、最新情報の入手、支援会社の活用などが重要です。
また、現状把握・競合調査・ペルソナ設定、目標設定(KPI設定)、戦略立案、全体の設計と改善(内部SEO施策)、コンテンツ制作(コンテンツSEO)、被リンク・サイテーション対策(外部SEO施策)、データ分析・改善といった一連の業務を着実に行っていくことが求められます。
インハウスSEOが難しいと感じる場合は、一部だけ外注する(セミインハウスSEO)、すべてを外注する(アウトソースSEO)、専門家にアドバイスだけ求める(コンサルティング導入)などの選択肢もあります。
自院の体制やリソースを踏まえながら、最適な方法を模索していくことが肝要です。
弊社では、医療機関に特化したウェブサイト制作、SEOをはじめとした集患対策をワンストップでサポートしております。
貴院の現状やニーズに合わせ、専門スタッフが丁寧に対応いたします。
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