ホームページがない歯医者でも大丈夫?必要性とメリット・デメリットを解説
現在開業中の歯科医院、またはこれから開業を予定されている歯科医師の皆様が気になることの1つ。
それはホームページの必要性です。
「周りの歯科医院はホームページを持っているけれど、本当に必要なのだろうか?」
「インスタグラムやGoogleマップの情報だけでは駄目なのだろうか?」
このような疑問を持たれている方は少なくありません。
そこで本記事では、歯科医院におけるホームページの真の価値と、具体的なメリット・デメリットを解説します。
Contents
ホームページがない歯科医院が抱える現状と集患の課題
医療機関のホームページといえば、かつては「あれば便利」程度の存在でした。
しかし、現在では状況が大きく変わっています。
患者さんが来院前にチェックする「治療内容・料金・雰囲気」
現代の患者さんは、来院前にインターネットで医院情報を確認するのが当たり前になっています。
治療内容や料金、医院の雰囲気まで、事前に詳しく知りたいと考える患者さんが急増しています。
特に、インプラントや矯正などの専門的な治療を検討する場合、患者さんは複数の医院を比較検討するために詳細な情報を求めます。
この時、ホームページを持たない医院は最初の段階で選択肢から外されてしまう可能性が高いのです。
ホームページなしでも成り立つ医院に共通する4つの条件
「ホームページがない=人気の医院で新規患者は必要ない」というイメージを持つ方もいます。確かに口コミだけで患者が絶えない人気医院も存在します。
ホームページがなくても成功している歯科医院には、以下のような特徴があります。
・開業から長い歴史があり、地域に根付いている
・口コミによる紹介が多い
・特定の専門分野で高い評価を得ている
・立地条件が非常に良い
しかし、これらの医院でも、ホームページがあればさらに多くの患者さんに情報を提供できる可能性があります。
ホームページが無いことで発生しやすい4つの機会損失
ホームページを持たない歯科医院は、以下のようなリスクに直面する可能性があります。
・患者さんが求める情報を十分に提供できない
・医院の特徴や強みをアピールする機会を失う
・24時間の情報発信ができず、問い合わせの機会を逃す
・専門性の高い治療の説明が不十分になる
特に、SNSやGoogleマップ、ポータルサイトだけでは、治療内容や医院の特徴を十分に伝えることが難しいのが現実です。
公式サイトを持つと得られる5つの具体的メリット
では、歯科医院がホームページを持つことで得られるメリットを具体的に見ていきましょう。
メリット1:コンセプトに沿って治療内容やプロフィールを一か所に集約できる
ホームページでは、診療時間、アクセス方法、診療内容、医師プロフィールなど、患者さんが知りたい情報を一か所に集約できます。
インタビュー記事やパンフレットの内容、メディア掲載情報などを一か所にまとめておくと、患者さんの利便性が高まり、来院のハードルが下がります。
特に重要なのは、医院のコンセプトに沿った情報の一貫性です。
ぜひ「どのような治療が得意か」「どのような悩みに対応できるか」といった情報と、医院のコンセプトを結びつけて伝えましょう。患者さんの理解が格段に深まります。
メリット2:料金表公開で治療費の不安を事前に解消
歯科治療において、料金は患者さんの大きな関心事です。
保険診療と自費診療の違いや、治療ごとの料金体系を明確にしておけば、より患者さんの不安を軽減できます。
医療広告ガイドラインに配慮しながらも、料金の目安や保険適用範囲などを丁寧に説明することで、患者さんは安心して来院を決断できます。
この点はSNSやマップサービスでは十分に伝えられない情報です。
特に自費治療の場合、その場で選択を迫られると患者さんは大きな抵抗感を抱きます。
事前にホームページで選択肢や費用を確認できれば、患者さんはじっくり考えて納得した上で治療を受けることができるのです。
メリット3:写真で院内の清潔感と設備を視覚的にアピール
院内の設備や診療室、待合室などの写真を掲載することで、来院前に医院の雰囲気を伝えられます。
清潔感のある院内環境や最新設備の紹介は、患者さんの安心感につながるのは間違いありません。
特に歯科治療に不安を感じる患者さん(小さなお子さんを持つ親御さんなど)にとって、事前に院内の様子を知ることができるのは大きな安心材料となります。
また、建物の外観写真を掲載することで、初めて訪れる患者さんが迷わず医院にたどり着けるようになります。
メリット4:インプラント・矯正など専門治療を詳しく解説
インプラント、矯正、審美歯科など、専門性の高い治療については、詳細な説明と症例写真の掲載が効果的です。
事前に治療の流れや期間、メリット・デメリットなどを分かりやすく説明しておくと、患者さんの理解を深めることができます。
専門的な治療ほど、事前の情報提供が重要です。
十分な情報がなければ、患者さんは不安を抱えたまま来院し、説明に時間がかかったり、来院自体を諦めてしまったりするデメリットが生じます。
治療例の掲載は特に有効です。
実際に行った治療の症例を紹介することで先生の実績をアピールでき、患者さんの安心感に結びつきます。
メリット5:24時間オンライン予約で問い合わせ機会を逃さない
オンライン予約システムを導入することで、24時間いつでも予約を受け付けられます。
電話が苦手な患者さんや、診療時間外に予約を取りたい患者さんにとって大きなメリットです。
ただ、オンライン予約は確かに集患に結びつきますが、無断キャンセルが増えるリスクもあります。
自院の運営方針に合わせた活用方法を検討することが大切です。
ホームページ運営で注意したい3つの課題と対処法
メリットがある一方で、ホームページ運営にはいくつかの課題もあります。
これらを理解し、適切に対処することが重要です。
制作費・維持費を抑えつつ効果を出すコツ
ホームページの制作費用は、テンプレートを利用した簡易的なものから、オーダーメイドの高機能サイトまで幅広く、数十万円から数百万円以上かかる場合もあります。
また、サーバー費用やドメイン維持費など、継続的なコストも発生します。
そのため、事前に以下のような対策を取りましょう。
・自院の規模と目的に合ったプランを選択する
・必要な機能に絞ったシンプルな設計を心がける
・テンプレートの活用も検討する
・長期的な投資として費用対効果を考える
ただし、あまりに安価なサービスを選ぶと、デザインの質や使いやすさが犠牲になる可能性が高くなるかもしれません。
定期更新を続けるための運用体制づくり
ホームページは作って終わりではなく、定期的な更新が必要です。
更新されないホームページは、患者さんに「活気のない医院」という印象を与えかねません。
休診日の告知や季節のお知らせなど、常に最新情報を提供する必要があります。
以下のような対策を取り、定期更新が続く体制を作り上げましょう。
・更新スケジュールを立てて計画的に運用する
・更新しやすいCMS(コンテンツ管理システム)を導入する
・スタッフで分担して更新作業を行う
・更新が難しい場合は保守契約を検討する
医療広告ガイドラインへの対応
歯科医院のホームページは「医療広告」として医療広告ガイドラインの規制対象となります。
違反した場合、行政指導の対象となる可能性があるため、細心の注意が必要です。
「虚偽広告」「他院との比較広告」「誇大広告」「患者さんの体験談」などを掲載するのは控えましょう。
対策としては以下のようなものがあります。
・医療広告ガイドラインを事前に確認する
・専門知識のある制作会社に依頼する
・定期的にコンテンツをチェックする
・ガイドラインの更新情報をフォローする
医療広告ガイドラインは、毎年新しい事例が追加されるため、ホームページ制作はガイドラインを理解している制作会社と共同で作り上げていくのがベストです。
SNSやGoogleビジネスプロフィール(Googleマップ)とホームページの違い
歯科医院の情報発信ツールとして、SNSやGoogle ビジネス プロフィール(Googleマップ)も重要な役割を果たします。
それぞれの特徴と限界を理解し、適切に組み合わせることが効果的です。
SNS各種の特徴と限界
・写真・動画による視覚的な情報発信に優れている
・院内の雰囲気や治療前後の写真を効果的に紹介できる
・若年〜中年層へのリーチに強い
・限界:詳細な説明文には向かず、料金体系など複雑な情報を伝えにくい
・幅広い年齢層にアプローチできる
・イベント告知や詳しい情報発信も可能
・地域コミュニティへの浸透に有効
・限界:若年層の利用率低下、アルゴリズム変更で閲覧率が不安定
X(旧Twitter)
・リアルタイム情報発信に適している
・診療時間変更など急な告知に効果的
・口コミが拡散しやすい
・限界:文字数制限があり、詳細な医療情報の発信には不向き
TikTok
・若年層へのアプローチに特化している
・歯科治療の流れや予防ケアの動画が効果的
・短時間で印象的な情報発信が可能
・限界:医療情報としての信頼性確保が難しい面がある
その他のプラットフォームの特徴と限界
Googleビジネスプロフィール
・位置情報と基本情報の提供に優れている
・口コミ評価が表示される
・検索で見つけてもらいやすい
・限界:掲載できる情報量に制限があり、専門治療の説明には不向き
歯科ポータルサイト
・EPARKや医院検索サイトなど、専門プラットフォームへの掲載
・比較検討している患者へのアプローチに効果的
・評価や口コミが集約されている
・限界:掲載料がかかることが多く、差別化が難しい場合がある
ホームページ
・豊富な情報を体系的に整理できる
・医院のコンセプトを一貫して伝えられる
・専門治療の詳細な説明が可能
・予約システムなどの機能を追加できる
効果的な組み合わせ方
最も効果的なのは、これらのツールを相互に連携させる方法です。
例えば:
1. ホームページで基本情報と専門治療の詳細を掲載
2. InstagramなどのSNSで日常的な医院の様子や歯科情報を発信
3. Google ビジネス プロフィールで位置情報と基本情報を最適化
4. すべてのプラットフォームを相互にリンクさせ、患者さんの流れを作る
SNSはキャラクター性や視覚的な要素で関心を引き、そこからホームページへ誘導して詳細情報を提供するという流れが理想的です。
特にInstagramのような画像中心のSNSは歯科医院との相性が良く、ホームページと併用することで効果を発揮します。
患者さんに選ばれる歯科医院サイトに共通する3つのポイント
実際に患者さんから選ばれる歯科医院のホームページには、いくつかの共通点があります。
強みが瞬時に伝わるキャッチコピーとコンセプト
成功している歯科医院のホームページには、必ず明確なコンセプトがあります。
「どこに行っても治らない症状に対応する専門医院」なのか、「家族みんなで通える地域密着型の医院」なのか、「治療の精度を重視する医院」なのか。
コンセプトが明確であればあるほど、患者さんの記憶に残ります。
このコンセプトをサイトのデザインや文章、写真選びなど、あらゆる要素に一貫して反映させることが重要です。
必須情報(院長紹介・料金・症例など)を過不足なく掲載
患者さんが求める情報をしっかり押さえることも重要です。
特に以下の情報は必ず含めるようにしましょう。
・先生の紹介:実際に治療を行う先生の名前や顔写真、経歴
・スタッフの紹介:医院の雰囲気を伝え、安心感を与えます
・治療内容と治療費:特に自費診療の場合は料金の目安も
・治療例:実績をアピールし、説得力を高めます
・アクセス情報:地図や建物外観の写真
・Q&A:実際の診察中に患者さんから受けた質問に答える形で
スマートフォンに最適化されたデザインレイアウト
現在、歯科医院ホームページへのアクセスの7割以上はスマートフォンからと言われています。
スマートフォン対応(レスポンシブデザイン)は必須条件です。
スマホで見やすい歯科サイトにするためのコツは以下の通りです。
・最初に医院の特徴を伝える:画面を開いた瞬間に、医院名・強み・予約ボタンが目に入るレイアウトにしましょう。
・文字と余白をゆったり確保:小さすぎる文字や詰め込みすぎの文章は読みづらくなります。行間を取り、段落を短く区切るだけで印象がぐっと変わります。
・基本情報へすぐ移動できる導線:診療時間・アクセス・料金など、患者さんが知りたい情報はトップページからワンタップで届く位置に置きます。
・ページを軽く保つ:写真を適度に圧縮し、不要な装飾やアニメーションを控えめにすると、読み込みが速くなり離脱を防げます。
この4点を押さえるだけで、スマホからの閲覧でもストレスなく使えるサイトになります。
ホームページ導入を検討すべきベストのタイミング
長期的な視点で考えると、ほとんどの歯科医院にとって、何らかの形でのウェブ上の存在感は必要になってきています。
特に以下のタイミングは、ホームページ導入・リニューアルの好機と言えます。
・開業時または開業準備中
・医院の大規模リニューアル時
・新しい設備や治療法の導入時
・診療圏の拡大を目指す時
・ブランディングの見直し時
情報過多の時代だからこそ、患者さんに自院の特徴を理解してもらい、「この医院に行きたい」と思わせるホームページが、歯科医院の大きな強みになるのです。
まとめ:患者さんの生涯価値(MLTV)を高めるホームページ制作・運用は当社まで
歯科医院におけるホームページは、患者さんとの信頼関係を育む重要な役割を担っています。
治療内容や治療例を適切に解説していけば、患者さんの理解を深め、安心して来院してもらうことができます。
ただデメリットとして費用や更新の手間、医療広告ガイドラインの遵守という課題があるのも事実です。
そのようなお悩みをお持ちの先生方は、ぜひ弊社にお任せください。
私たちゼロメディカルは、会社設立以来、IT・マーケティング・ファイナンスの専門知識を活かしさまざまな歯科医院様の支援を進めてきました。
そのようなノウハウと蓄積してきたホームページ制作の経験をもとに、歯科医院と地域社会をより深く結びつけるためのサポートを行うことが可能です。
持続可能な医院経営のために、効果的かつ適切な広告法規に沿ったホームページ制作・運用をご検討されている先生方は、ぜひお気軽にご相談ください。
株式会社ゼロメディカル・主任Webライター
1988年生まれ。大学卒業後、教育分野と出版業界での経験を経て、2016年、株式会社ゼロメディカルにWebライターとして入社。これまでに、歯科医院、動物病院、クリニック、整骨院など、医療分野を中心に、200人以上の経営者を取材。1000以上の記事を執筆した経験を持つ。医療分野のほか、教育、法務、AI分野への造詣も深い。現在、人にしか書けない独自の記事を追求中。