朝シャンプーをしたのに、夕方には頭皮に白い塊やかさぶたのようなものが出ていることはありませんか。
爪で引っかくとポロポロ取れるけれど、これって何なのか気になりますよね。
実はこれ、皮脂と角質が混ざり合ってできた「角栓」や、頭皮トラブルによる「かさぶた」の可能性が高いんです。
この記事では、頭皮の白いかさぶたや角栓ができる原因と、自宅でできるケア方法、医療機関を受診すべきタイミングまでを医学的根拠に基づいて解説します。
正しい知識を身につけて、健康な頭皮環境を取り戻しましょう。
- 白い塊の正体は皮脂と角質が固まった「角栓」や、炎症による「かさぶた」
- 脂漏性皮膚炎、乾癬、頭部白癬などの疾患が原因となることが多い
- セルフケアで改善しない場合は、早めに皮膚科またはAGAクリニックへ相談を
- 結論:頭皮の白いかさぶたや角栓は、適切なケアと必要に応じた医療機関受診により改善が期待できます。
頭皮から出る白いかさぶたや角栓の正体は?
頭皮に白い塊やかさぶたのようなものができると、「これってフケ?それとも何か病気?」と不安になる方も多いでしょう。まずは、これらの正体をしっかり理解することが大切です。白い塊の多くは「角栓」または「炎症によるかさぶた」であり、フケとは異なるものなんです。
角栓とは|皮脂と角質が固まったもの
角栓とは、毛穴に詰まった皮脂と古い角質が混ざり合って固まったものです。
顔の毛穴に詰まる角栓と同じ仕組みで、頭皮でも発生します。
頭皮は顔のTゾーンの約2倍の皮脂腺があるため、実は角栓ができやすい環境なんです。特に洗髪が不十分だったり、逆に洗いすぎて皮脂が過剰分泌されたりすると、角栓が形成されやすくなります。
角栓自体は病気ではありませんが、炎症を引き起こすことがあります。白っぽい塊を爪で取ると、脂っぽくて少し固い感触があるのが特徴です。
白いかさぶたとフケの違い
白いかさぶたとフケは、見た目が似ていますが全く別のものです。
フケは、頭皮のターンオーバーによって自然に剥がれ落ちる角質細胞で、健康な人でも少量は出ます。サラサラとした細かい白い粉のような状態で、痛みやかゆみを伴わないことが多いです。
一方、白いかさぶたは、頭皮の炎症や傷が治る過程でできる組織です。厚みがあり、剥がすと下から赤みやジュクジュクした部分が見えることもあります。かゆみや痛みを伴うケースが多く、無理に剥がすと出血することもあるため注意が必要です。
また、脂漏性皮膚炎などの疾患では、フケと角栓・かさぶたが混在して出ることもあります。
黄色や赤黒い塊が出る場合もある
頭皮から出る塊は、白色だけではありません。黄色っぽい塊や、赤黒いかさぶたが出ることもあります。
黄色い塊は、皮脂に細菌が繁殖して酸化したものや、膿を含んだ分泌物である可能性があります。脂漏性皮膚炎や毛嚢炎などの炎症性疾患で見られることが多く、臭いを伴うこともあります。
赤黒いかさぶたは、頭皮に傷ができて出血した痕が固まったものです。掻きむしりや強いブラッシング、頭皮トラブルの悪化などが原因となります。
色や状態によって原因疾患が異なるため、気になる場合は写真を撮って医師に相談すると診断の参考になります。
頭皮に角栓や白いかさぶたができる原因は5つ
頭皮の角栓やかさぶたには、さまざまな原因があります。中には医療機関での治療が必要な疾患も含まれるため、それぞれの特徴を知っておくことが大切です。ここでは、代表的な5つの原因を医学的根拠に基づいて解説します。
脂漏性皮膚炎|最も多い原因
頭皮の角栓や白いかさぶたの原因として最も多いのが、脂漏性皮膚炎です。
この疾患は、マラセチアという真菌(カビの一種)が皮脂を栄養源に異常増殖することで発症します。頭皮の皮脂分泌が多い部分に炎症が起こり、赤み、かゆみ、フケのような鱗屑が特徴的な症状です。
脂漏性皮膚炎では、黄色っぽい脂っぽいかさぶたや、大きめの白いフケが出ることが多く、洗髪してもすぐに再発するのが特徴です。ストレスや睡眠不足、ビタミンB群の不足などが悪化要因となります。
治療には、抗真菌薬を含むシャンプーやステロイド外用薬が用いられます。
乾癬|銀白色の厚いかさぶたが特徴
乾癬は、免疫系の異常により皮膚細胞が過剰に増殖する慢性疾患です。
頭皮に発症すると、銀白色の厚いかさぶた状の鱗屑が付着し、その下は赤く炎症を起こしています。脂漏性皮膚炎と似ていますが、鱗屑がより厚く硬いのが特徴で、剥がすと点状の出血が見られることもあります。
乾癬は遺伝的要因も関与しており、ストレスや気候の変化、感染症などがきっかけで症状が悪化することがあります。
治療は、ステロイド外用薬やビタミンD3製剤の塗布、重症例では光線療法や生物学的製剤の使用も検討されます。自己判断での治療は難しいため、皮膚科での専門的な診断と治療が必要です。
頭部白癬|真菌感染による
頭部白癬は、白癬菌という真菌が頭皮に感染して起こる疾患で、いわゆる「しらくも」とも呼ばれます。
症状としては、円形の脱毛斑ができ、その周辺に白いフケ状の鱗屑やかさぶたが付着します。かゆみを伴うことが多く、患部の毛髪が途中で切れて抜けやすくなるのが特徴です。
頭部白癬は特に子どもに多く見られますが、成人でも発症します。
治療には、抗真菌薬の内服が必要となることが多く、外用薬のみでは治りにくいため、必ず皮膚科を受診して適切な診断と治療を受けることが重要です。
粃糠性脱毛症|乾燥したフケが大量に出る
粃糠性脱毛症は、乾燥した細かいフケが大量に発生し、それが毛穴を塞ぐことで炎症を起こし、脱毛に至る疾患です。
フケは粉を吹いたように細かく、肩に落ちるほど大量に出ることが特徴です。かゆみを伴うことも多く、掻くことでさらに頭皮環境が悪化します。
原因としては、頭皮の乾燥、過度な洗髪、刺激の強いシャンプーの使用、ホルモンバランスの乱れなどが考えられます。脂漏性皮膚炎とは逆に、皮脂分泌が少ない乾燥肌の方に起こりやすい傾向があります。
治療は、保湿効果のあるシャンプーへの変更、頭皮用ローションの使用、ビタミン剤の内服などが行われます。
シャンプーのしすぎ・洗い残し
意外に思われるかもしれませんが、日常のシャンプー習慣が原因で角栓やかさぶたができることもあります。
シャンプーのしすぎは、頭皮に必要な皮脂まで取り除いてしまい、その結果、皮脂が過剰に分泌されて角栓ができやすくなります。また、頭皮が乾燥してバリア機能が低下し、炎症を起こしやすくなることもあります。
逆に、シャンプーやコンディショナーの洗い残しも問題です。洗い残しがあると、それが毛穴に詰まって角栓となったり、細菌の繁殖を招いて炎症の原因となります。
適切な洗髪頻度は人によって異なりますが、一般的には1日1回、または2日に1回程度が目安です。自分の頭皮状態に合わせて調整することが大切です。
色や状態から見分ける|症状別の特徴まとめ
頭皮から出る塊やかさぶたの色や状態を観察することで、ある程度原因を推測することができます。ここでは、色別に症状の特徴をまとめました。ただし、これらはあくまで目安であり、正確な診断は医師の診察が必要です。
白い塊・かさぶた
白い塊やかさぶたは、最もよく見られるタイプです。
サラサラとした細かい白い粉状のものは、通常のフケや粃糠性脱毛症の可能性があります。洗髪後も大量に出る場合は、頭皮の乾燥やシャンプーが合っていないことが考えられます。
一方、白くて厚みのある塊やかさぶたは、脂漏性皮膚炎や乾癬の可能性があります。特に乾癬では、銀白色の厚い鱗屑が特徴的です。
白い角栓のような塊で、脂っぽい感触があるものは、毛穴に詰まった皮脂と角質が固まったものです。これは洗髪方法の見直しや、頭皮のクレンジングで改善することが多いです。
黄色い塊
黄色い塊は、皮脂に細菌が繁殖したり、炎症による膿が混ざっていることを示唆します。
脂漏性皮膚炎では、黄色っぽい脂っぽいかさぶたができることが多く、これは皮脂とマラセチア真菌の代謝産物が混ざったものです。臭いを伴うこともあります。
また、毛嚢炎や細菌感染がある場合も、黄色い膿を含んだ塊が出ることがあります。この場合、痛みやかゆみを伴うことが多く、触ると熱感があることもあります。
黄色い塊が続く場合は抗菌薬や抗真菌薬による治療が必要になることがあります。
赤黒いかさぶた
赤黒いかさぶたは、頭皮に傷ができて出血した痕が固まったものです。
主な原因は、かゆみによる掻きむしり、強すぎるブラッシング、頭皮を爪で引っかくなどの物理的刺激です。また、炎症性の疾患が悪化して頭皮が傷つくこともあります。
赤黒いかさぶたを無理に剥がすと、再び出血して治りが遅くなったり、瘢痕(傷跡)が残ることもあります。また、細菌感染を起こすリスクもあるため、触らないように注意が必要です。
かさぶたが頻繁にできる、広範囲にわたる、なかなか治らないといった場合は、皮膚科で診察を受けましょう。適切な外用薬や、かゆみを抑える内服薬などが処方されることがあります。
放置するとどうなる?考えられるリスク
「少しフケが多いだけだから」「そのうち治るだろう」と放置していると、症状が悪化してしまうことがあります。頭皮トラブルは、進行すると治療に時間がかかったり、最悪の場合は脱毛につながることもあるため、早めの対処が重要です。
炎症が悪化して脱毛が進む
頭皮の角栓やかさぶたを放置すると、炎症が慢性化して毛根にダメージを与えることがあります。
毛穴に角栓が詰まった状態が続くと、毛根への栄養供給が妨げられたり、細菌が繁殖して毛嚢炎を起こしたりします。炎症が毛根の深部まで及ぶと、毛髪が細く弱くなり、最終的には抜け落ちてしまいます。
特に脂漏性皮膚炎や粃糠性脱毛症では、炎症が繰り返されることで脱毛が進行しやすいです。また、乾癬や頭部白癬でも、適切な治療を受けないと脱毛斑が広がることがあります。
症状が軽いうちに対処することが大切です。
慢性化して治りにくくなる
頭皮トラブルを長期間放置すると、症状が慢性化して治りにくくなることがあります。
例えば、脂漏性皮膚炎は適切な治療を行えば比較的早く改善しますが、放置すると炎症が繰り返され、頭皮のバリア機能が低下して治療に時間がかかるようになります。
また、乾癬のような慢性疾患は、早期に治療を開始することで症状をコントロールしやすくなります。逆に、放置して症状が悪化すると、より強い薬剤や高度な治療が必要になることもあります。
早めに医療機関を受診して、適切な治療を受けることが結果的に負担を減らすことにつながります。
感染症が広がる可能性
頭部白癬のような真菌感染症や、細菌による毛嚢炎を放置すると、感染範囲が広がることがあります。
頭部白癬は、適切な治療を行わないと感染範囲が拡大し、脱毛斑が増えていきます。また、家族やペットなど周囲の人にも感染を広げてしまうリスクがあるため、早期の治療開始が重要です。
毛嚢炎も、細菌が周囲の毛包に広がったり、深部に侵入して炎症が悪化することがあります。重症化すると膿瘍を形成し、痛みや発熱を伴うこともあります。
感染症が疑われる場合は、自己判断での市販薬使用は避け、必ず医療機関で適切な診断と処方を受けましょう。
自宅でできるセルフケアの方法は4つ
軽度の頭皮トラブルであれば、日常のケア方法を見直すことで改善が期待できます。ここでは、自宅で実践できる4つのセルフケア方法を紹介します。ただし、これらを1〜2週間試しても改善しない場合は、医療機関の受診を検討してください。
正しいシャンプーの手順
頭皮ケアの基本は、正しいシャンプー方法です。
- ブラッシングで髪のもつれをほぐし、汚れを浮かせる
- 38〜40℃のぬるま湯で、2〜3分かけて予洗いする(汚れの7割は落ちる)
- シャンプーを手のひらで泡立ててから髪に付ける
- 指の腹で頭皮をマッサージするように優しく洗う(爪を立てない)
- 洗い残しがないよう、3〜5分かけてしっかりすすぐ
- コンディショナーは頭皮に付けず、毛先中心に使用
- 最後にもう一度、頭皮までしっかりすすぐ
シャンプーの選び方も重要です。頭皮が乾燥しやすい方は保湿成分配合のもの、脂っぽい方は洗浄力がやや強めのものを選ぶと良いでしょう。ただし、洗浄力が強すぎると皮脂の過剰分泌を招くため、マイルドな洗浄成分のものがおすすめです。
揉み出し洗いとオイルクレンジング
角栓が気になる場合は、週に1〜2回、揉み出し洗いやオイルクレンジングを取り入れると効果的です。
揉み出し洗いは、シャンプーの泡を頭皮に付けた状態で、指の腹で頭皮を優しく揉むようにマッサージする方法です。毛穴の奥の汚れを揉み出すようなイメージで、3〜5分かけて丁寧に行います。ただし、強くこすりすぎると頭皮を傷めるため、あくまで優しく行うことが大切です。
頭皮用オイルクレンジングは、シャンプー前に行います。ホホバオイルやオリーブオイルなど、頭皮に優しいオイルを使用し、頭皮に馴染ませて5〜10分マッサージします。オイルが角栓を柔らかくして取れやすくなります。その後、通常通りシャンプーでしっかり洗い流しましょう。
シャンプー後はしっかり乾かす
洗髪後の乾燥不足は、頭皮トラブルの隠れた原因です。
髪が濡れたまま長時間放置すると、頭皮が蒸れて雑菌やカビが繁殖しやすくなります。特にマラセチア真菌は湿度の高い環境を好むため、脂漏性皮膚炎のリスクが高まります。
洗髪後は、まずタオルで優しく水分を吸い取ります(ゴシゴシこすらない)。その後、ドライヤーで根元から乾かします。温風と冷風を交互に使うと、頭皮への負担を減らしながら効率よく乾かせます。
ただし、ドライヤーを近づけすぎたり、同じ場所に長時間当てたりすると頭皮が乾燥するため、15〜20cm離して使用し、全体をまんべんなく乾かしましょう。
食生活の改善|ビタミンB群を意識
頭皮環境は、食生活とも深く関係しています。
特にビタミンB群は、皮膚の健康維持に重要な栄養素です。ビタミンB2やB6が不足すると、皮脂分泌のバランスが崩れて脂漏性皮膚炎のリスクが高まることが知られています。
ビタミンB群を多く含む食品としては、豚肉、レバー、納豆、卵、玄米、青魚などがあります。これらをバランスよく食事に取り入れましょう。
揚げ物やスナック菓子、ファストフードは控えめに。野菜や果物からビタミンC、ビタミンE、亜鉛などの抗酸化成分を摂ることも、頭皮の炎症を抑えるのに役立ちます。
十分な睡眠とストレス管理も、頭皮環境の改善には欠かせません。
角栓を無理に取るのは危険|やってはいけないケア
頭皮の角栓やかさぶたが気になると、ついつい取りたくなってしまいますよね。しかし、間違った方法でケアすると、かえって症状を悪化させることがあります。ここでは、絶対に避けるべきケア方法を紹介します。
爪でひっかく・ピンセットで取る
角栓やかさぶたを爪でひっかいたり、ピンセットで取ったりするのは絶対にやめましょう。
無理に取ると、頭皮に傷がついて炎症が悪化します。また、傷口から細菌が侵入して感染症を起こすリスクもあります。特にかさぶたを剥がすと、まだ治っていない皮膚が露出して出血し、治癒が遅れてしまいます。
角栓を無理に取っても、根本的な原因が解決されていなければ、すぐにまた詰まってしまいます。それどころか、頭皮を傷つけることで炎症が広がり、より多くの角栓やかさぶたができる悪循環に陥ることもあります。
どうしても気になる場合は、適切なシャンプー方法やオイルクレンジングで自然に取れるのを待つか、皮膚科で相談しましょう。
刺激の強いシャンプーを使う
洗浄力が強すぎるシャンプーや、スクラブ入りのシャンプーの使用も注意が必要です。
洗浄力の強いシャンプー(高級アルコール系など)は、必要な皮脂まで取り除いてしまい、頭皮のバリア機能を低下させます。その結果、皮脂が過剰に分泌されたり、乾燥して炎症を起こしやすくなったりします。
また、スクラブ入りシャンプーや炭酸系の強い刺激のあるシャンプーは、健康な頭皮には良いかもしれませんが、すでに炎症がある頭皮には刺激が強すぎて悪化させることがあります。
頭皮トラブルがある時は、低刺激でアミノ酸系の洗浄成分を使ったシャンプーや、薬用シャンプーを選ぶことをおすすめします。香料や着色料などの添加物が少ないものが理想的です。
医療機関を受診すべきタイミングは?
セルフケアで様子を見るか、医療機関を受診すべきか迷うこともあるでしょう。ここでは、受診を検討すべきタイミングと、皮膚科とAGAクリニックの使い分けについて解説します。
セルフケアで改善しない場合
正しいシャンプー方法や生活習慣の改善を1〜2週間試しても症状が改善しない場合は、医療機関を受診しましょう。
セルフケアで改善するのは、比較的軽度の頭皮トラブルや、一時的な生活習慣の乱れが原因の場合です。脂漏性皮膚炎や乾癬、頭部白癬などの疾患が原因の場合は、専門的な治療が必要になります。
医療機関では、頭皮の状態を詳しく診察し、必要に応じて顕微鏡検査などを行って原因を特定します。適切な診断に基づいた治療を受けることで、症状の早期改善が期待できます。
かゆみや脱毛を伴う場合
強いかゆみがある、または脱毛を伴う場合は、すぐに医療機関を受診してください。
強いかゆみは、炎症が進行しているサインです。掻いてしまうと頭皮が傷つき、さらに炎症が悪化する悪循環に陥ります。また、掻きむしることで細菌感染を起こすリスクも高まります。
脱毛を伴う場合は、すでに毛根がダメージを受けている可能性があります。脂漏性皮膚炎、粃糠性脱毛症、頭部白癬、乾癬などが進行すると、脱毛が起こることがあります。
毛根のダメージが深刻になると、治療後も毛髪が元に戻らないこともあるため、脱毛に気づいたら早急に受診することが大切です。特に、円形脱毛症のような自己免疫性の脱毛症の可能性もあるため、専門医の診察が必要です。
症状が急激に悪化した場合
急に症状が悪化した、広範囲に広がった、痛みや発熱を伴うといった場合は、緊急性が高い可能性があります。
細菌感染が疑われる場合(痛み、熱感、黄色い膿など)は、放置すると感染が深部に広がり、蜂窩織炎などの重篤な感染症を引き起こすことがあります。このような場合は、抗生物質による治療が必要になるため、速やかに医療機関を受診しましょう。
また、アレルギー反応によって急激に症状が悪化することもあります。新しいシャンプーやヘアケア製品を使い始めた後に症状が出た場合は、接触皮膚炎の可能性があります。
症状の急激な変化は、身体が何かしらのサインを出しているということです。自己判断せず、専門家の診察を受けることをおすすめします。
皮膚科とAGAクリニックの使い分け
頭皮トラブルでどこを受診すべきか迷う場合、以下を目安にしてください。
炎症、かゆみ、かさぶたなどの皮膚症状が主体の場合や、感染症が疑われる場合、乾癬・アトピー性皮膚炎などの既往がある場合は皮膚科を受診しましょう。年齢や性別を問わず誰でも受診可能です。
頭皮トラブルに加えて、薄毛や抜け毛が気になる場合や、男性型脱毛症(AGA)の症状がある場合は、AGAクリニックを受診しましょう。頭皮環境の改善とともに発毛治療も検討したい方に向いています。
多くのAGAクリニックでは、頭皮の炎症や脂漏性皮膚炎などの治療にも対応しています。薄毛治療を視野に入れている場合は、AGAクリニックで総合的に診てもらうのも一つの選択肢です。
病院での治療法|保険適用と処方薬の種類
医療機関を受診した場合、どのような治療が行われるのでしょうか。ここでは、頭皮トラブルに対する主な治療法と、保険適用の有無について解説します。
ステロイド外用薬|炎症を抑える
炎症が強い脂漏性皮膚炎や乾癬などでは、ステロイド外用薬が処方されることが多いです。
ステロイド外用薬は、炎症を素早く抑える効果があり、かゆみや赤みを改善します。頭皮用にはローションタイプやフォームタイプがあり、髪に邪魔されずに塗布しやすくなっています。
ただし、ステロイドは長期連用すると皮膚が薄くなったり、効果が弱まったりする副作用があるため、医師の指示通りに使用することが重要です。通常は、症状が改善したら徐々に使用頻度を減らしていきます。
ステロイド外用薬は保険適用されるため、比較的安価に治療を受けることができます。診察料と薬代を合わせて、初診で2,000〜3,000円程度、再診で1,000〜2,000円程度が目安です。
抗真菌薬|カビが原因の場合
脂漏性皮膚炎や頭部白癬など、真菌が原因の場合は抗真菌薬が使用されます。
脂漏性皮膚炎では、抗真菌成分(ケトコナゾール、ミコナゾールなど)を含むシャンプーや外用薬が処方されます。これらはマラセチア真菌の増殖を抑え、炎症を改善します。
頭部白癬の場合は、外用薬だけでは治りにくいため、抗真菌薬の内服(テルビナフィン、イトラコナゾールなど)が必要になることが多いです。内服治療は数週間から数ヶ月続けることで、真菌を完全に排除します。
抗真菌薬も保険適用されます。外用薬のみの場合は比較的安価ですが、内服薬が必要な場合は数千円の費用がかかることがあります。
ビタミン剤・抗菌シャンプー
頭皮環境を整えるために、ビタミン剤や抗菌シャンプーが処方されることもあります。
ビタミンB2やB6は、皮脂の代謝を正常化し、皮膚のバリア機能を高める働きがあります。脂漏性皮膚炎や粃糠性脱毛症では、これらのビタミン剤が補助的に使用されることがあります。
抗菌シャンプーや薬用シャンプーには、ピロクトンオラミン、ジンクピリチオン、コールタールなどの成分が含まれ、炎症を抑えたり、フケの発生を抑制したりする効果があります。
これらも保険適用される場合がありますが、市販品として購入することもできます。医師の診察を受けた上で、自分に合ったものを選ぶと良いでしょう。
保険適用の範囲と費用の目安
頭皮の炎症や感染症などの治療は、基本的に保険適用となります。
3割負担の場合、初診料と薬代を含めて2,000〜5,000円程度が一般的です。顕微鏡検査などを行う場合は、別途数百円〜1,000円程度かかることがあります。
ただし、美容目的や予防目的の治療は保険適用外となります。例えば、AGA治療薬(フィナステリド、ミノキシジルなど)は保険適用外のため、全額自己負担となります。
また、先進的な治療法(PRP療法、レーザー治療など)も保険適用外です。これらは1回数万円〜十数万円かかることがあります。
費用面で不安がある場合は、診察時に医師に相談すれば、保険適用内で可能な治療法を提案してもらえます。
頭皮環境の改善におすすめのAGAクリニック4選
頭皮トラブルに加えて薄毛や抜け毛が気になる方は、AGAクリニックでの総合的な診察がおすすめです。多くのAGAクリニックでは、頭皮の炎症や脂漏性皮膚炎などの治療にも対応しており、頭皮環境の改善と発毛治療を同時に行えます。
AGAヘアクリニック|医師監修で頭皮ケアにも対応

| AGAヘアクリニックの基本情報 | |
|---|---|
| 予防プラン | フィナステリド 初月:1,800円(税込)/2ヶ月目以降:3,600円(税込)~ |
| 発毛プラン | フィナステリド+ミノキシジル 初月:10,800円(税込)/2ヶ月目以降:12,600円(税込)~ |
| 診察費 | 0円 |
| オンライン診療 | 初診からオンライン診療ができる 診察料:0円 送料:520円/回 診察時間 :10:00〜20:00 |
| 治療内容 | 内服薬・外用薬・検査 |
| 保証内容 | 全額返金保証(治療効果が認められなかった場合) |
- 実感がなければ全額返金保証が利用できる
- 予防プランは初月1,800円
- 対面診療よりオンライン診療の方が安い治療薬がある
AGAヘアクリニックは、医師が丁寧に頭皮状態を診察し、炎症や頭皮トラブルの治療にも対応しているクリニックです。
頭皮環境の改善を重視した治療プランがあり、脂漏性皮膚炎などの頭皮トラブルがある方でも、まず頭皮環境を整えてからAGA治療に進むことができます。オンライン診療にも対応しており、全国どこからでも受診可能です。
診療時間が10:00〜22:00と長く、仕事が忙しい方でも通いやすいのが特徴です。専用アプリで治療経過を可視化できるため、効果を実感しやすいのもメリットです。
初月は1,800円から治療を始められるため、まずは気軽に相談してみると良いでしょう。
イースト駅前クリニック|駅近で通いやすい

| イースト駅前クリニックの基本情報 | |
|---|---|
| 予防プラン | フィナステリド(国内正規薬) 1ヶ月限定プラン:1,650円(税込) |
| 発毛プラン | フィナステリド(国内正規薬)+ミノキシジル内服薬 6ヶ月分まとめて処方で35,670円(税込) ※1ヶ月あたり5,945円 |
| 診察費 | 0円 |
| オンライン診療 | 初診からオンライン診療ができる 診察料:0円 ※処方のない場合:3,300円 送料:1,100円 ※AGA治療の全プラン 1万円以上で送料無料 診察時間:月〜金:10:00~21:00 土日祝:10:00~17:30 休診日:なし |
| 治療内容 | 内服薬・外用薬 |
| 保証内容 | ー |
- トライアルプランで初月安価で始められる
- 対面診療は予約不要 10分の診察で治療薬を受け取れる
- オンライン診療は初回から来院不要
イースト駅前クリニックは、全国42院を展開する男性専門クリニックで、すべての院が駅から徒歩数分の好立地にあります。
処方までがスピーディーで、診察から薬の処方まで最短15分程度で完了します。忙しい方や、あまり時間をかけずに受診したい方に向いています。
頭皮トラブルについても相談可能で、必要に応じて頭皮ケア用のシャンプーや外用薬を処方してもらえます。オンライン診療にも対応しており、自宅から診察を受けることもできます。
予防プランは月額1,650円〜と始めやすい価格設定で、学生や若い方でも利用しやすいのが魅力です。
クリニックフォア|オンライン診療も可能

| クリニックフォアの基本情報 | |
|---|---|
| 予防プラン | フィナステリド 初回1か月あたり:1,049円(税込)/月 ※12ヶ月まとめて定期にキャンペーン(クーポンコード:YOBO2024C)を適用した場合 |
| 発毛プラン | フィナステリド+ミノキシジル合剤 初回1か月あたり:1,851円(税込)/月 ※12ヶ月まとめて定期にキャンペーン(クーポンコード:AGA2024C)を適用した場合 |
| 診察費 | 0円 ※処方がない場合:1,650円 |
| オンライン診療 | 基本オンライン診療 診察料:0円 ※処方がない場合:1,650円 送料:550円 診察時間:7:00〜24:00 |
| 治療内容 | 内服薬・外用薬・サプリメント |
| 保証内容 | 全額返金保証(治療開始後どうしても薬が体に合わなかった場合) ※単品1ヶ月、単品3ヶ月、単品6ヶ月は対象外 |
- キャンペーンコード利用でお得
(予防プラン:1,049円/月〜・発毛プラン:1,851円/月〜) - 定期配送なら単月処方の15%OFFとお得
- 発毛プランが合剤で1日1錠服用で治療ができる
クリニックフォアは、オンライン診療と対面診療の両方に対応しており、利便性の高いクリニックです。
土日祝日も診療しており、オンラインなら24時間いつでも予約可能です。アプリで簡単に予約・診察・処方まで完結するため、忙しい方でも継続しやすい仕組みが整っています。
定期便を利用すると割引率が高く、12ヶ月まとめて定期にすると初回1ヶ月あたり1,049円〜(予防プラン)と非常にお得です。
頭皮トラブルについても相談でき、必要に応じて適切な治療薬を処方してもらえます。初診からオンライン診療可能なので、まずは気軽に相談してみてはいかがでしょうか。
湘南AGAクリニック|全国140院以上で選びやすい

| 湘南美容クリニック・湘南AGAクリニックの基本情報 | |
|---|---|
| 予防プラン | フィナステリド 1ヶ月:3000円(税込) |
| 発毛プラン | HRタブレットF(フィナステリド)+HRタブレットM(ミノキシジル) 3ヶ月まとめて:25,500円(税込) |
| 診察費 | 0円 |
| オンライン診療 | 初診からオンライン診療ができる 診察時間:9:30〜20:30 休診日:なし |
| 治療内容 | 内服薬・外用薬・注入治療等・自毛植毛・サプリメント |
| 保証内容 | 全額返金(3ヶ月間治療を継続して効果がない場合) |
- 3ヶ月のM字発毛実感コースがある
- オンライン診療にも対応
- 全額返金制度がある
湘南AGAクリニックは、全国に140院以上を展開する国内最大級のクリニックグループです。
圧倒的な院数により、引っ越しや転勤があっても継続して通いやすいのが最大のメリットです。また、投薬治療だけでなく、メソセラピーや植毛など幅広い治療選択肢があり、症状に応じた最適な治療を受けられます。
大手美容クリニックの運営で、設備も充実しており、プライバシーにも配慮されています。頭皮トラブルについても、皮膚科的な視点から診察してもらえるため、安心して相談できます。
料金も比較的リーズナブルで、予防プランは月額3,000円、発毛プランは3ヶ月まとめて25,500円(月あたり8,500円)から始められます。
よくある質問(Q&A)
頭皮の角栓や白いかさぶたに関して、よくある疑問にお答えします。
頭皮の角栓は毎日シャンプーすれば取れますか?
毎日シャンプーしても、洗い方が適切でなければ角栓は取れません。
角栓を取るには、予洗いをしっかり行い、指の腹で優しく頭皮をマッサージするように洗うことが大切です。逆に、洗いすぎると皮脂が過剰に分泌されて角栓ができやすくなることもあります。
週に1〜2回、オイルクレンジングや揉み出し洗いを取り入れると、より効果的に角栓を取り除けます。それでも改善しない場合は、脂漏性皮膚炎などの疾患の可能性があるため、医療機関を受診しましょう。
白いかさぶたが出る原因は乾燥ですか?
白いかさぶたの原因は乾燥だけではありません。
粃糠性脱毛症のように乾燥が原因のこともありますが、脂漏性皮膚炎や乾癬など、むしろ皮脂分泌が多い状態で起こる疾患でも白いかさぶたができます。
原因を特定するには、かさぶたの性状(サラサラか脂っぽいか、厚みがあるか)、伴う症状(かゆみ、赤み、脱毛)などを総合的に判断する必要があります。自己判断で乾燥対策をしても改善しない場合は、医師の診察を受けることをおすすめします。
市販の薬で治せますか?
軽度の症状であれば、市販の薬用シャンプーや保湿剤で改善することもあります。
ドラッグストアで購入できる抗菌・抗真菌成分入りシャンプー(ピロクトンオラミン、ジンクピリチオンなど)や、頭皮用の保湿ローションは、初期の頭皮トラブルに有効です。
ただし、1〜2週間使用しても改善しない、症状が悪化する、脱毛を伴うといった場合は、市販薬では対応できない可能性があります。特に、処方薬が必要な疾患(頭部白癬、重度の脂漏性皮膚炎、乾癬など)では、市販薬では十分な効果が得られません。
まずは市販薬を試してみて、改善しなければ早めに医療機関を受診するという方針が良いでしょう。
頭皮の塊は薄毛の原因になりますか?
はい、放置すると薄毛の原因になることがあります。
角栓が毛穴を塞ぐと、毛根への栄養供給が妨げられたり、炎症を起こして毛根がダメージを受けたりします。また、脂漏性皮膚炎や粃糠性脱毛症では、炎症が慢性化することで脱毛が進行します。
特に、かゆみで掻きむしる習慣があると、毛根が物理的に傷つき、脱毛しやすくなります。
早めに頭皮環境を改善することで、脱毛を予防できる可能性が高いです。すでに薄毛が気になる場合は、AGAクリニックで頭皮トラブルと薄毛の両方を診てもらうことをおすすめします。
ストレスも関係ありますか?
はい、ストレスは頭皮トラブルの悪化要因の一つです。
ストレスが溜まると、自律神経のバランスが崩れて皮脂分泌が増えたり、免疫機能が低下して炎症が起こりやすくなったりします。また、ストレスでホルモンバランスが乱れると、脂漏性皮膚炎や乾癬などの症状が悪化することが知られています。
ストレスによる睡眠不足や食生活の乱れも、頭皮環境に悪影響を与えます。
適度な運動、十分な睡眠、リラックスできる時間を持つなど、ストレスケアも頭皮ケアの一環として意識すると良いでしょう。
まとめ
頭皮から出る白いかさぶたや角栓の正体は、皮脂と角質が固まった「角栓」や、炎症による「かさぶた」です。これらは、脂漏性皮膚炎、乾癬、頭部白癬、粃糠性脱毛症といった疾患や、日常のシャンプー習慣が原因で発生します。
放置すると、炎症が悪化して脱毛が進んだり、症状が慢性化して治りにくくなったりするリスクがあります。感染症が広がる可能性もあるため、早めの対処が重要です。
自宅でできるセルフケアとしては、正しいシャンプー方法の実践、揉み出し洗いやオイルクレンジングの導入、洗髪後のしっかりとした乾燥、ビタミンB群を意識した食生活の改善などがあります。ただし、爪でひっかいたり、刺激の強いシャンプーを使ったりするのは逆効果なので避けましょう。
セルフケアで1〜2週間様子を見ても改善しない場合、強いかゆみや脱毛を伴う場合、症状が急激に悪化した場合は、医療機関の受診を検討してください。炎症や感染症などの皮膚症状が主体なら皮膚科を、薄毛や抜け毛も気になる場合はAGAクリニックを受診すると良いでしょう。
医療機関では、ステロイド外用薬や抗真菌薬、ビタミン剤などが処方され、多くは保険適用で治療を受けられます。AGAクリニックでは、頭皮環境の改善と発毛治療を同時に行うことも可能です。
頭皮トラブルは、適切なケアと必要に応じた医療機関受診により改善が期待できます。
症状を放置せず、健康な頭皮環境を取り戻すための一歩を踏み出しましょう。
効果には個人差がありますので、気になる症状がある場合は早めに医師にご相談ください。

