分け目のはげについて｜原因と対策・治療法まとめ

「最近、分け目が広がってきた気がする…」と感じている方は多いのではないでしょうか。

分け目部分の薄毛は、鏡を見るたびに気になってしまうものです。

特に自分では気づきにくく、写真を撮ったときや人から指摘されて初めて気づくケースも少なくありません。

分け目はげの原因は、紫外線ダメージや牽引性脱毛症、AGA（男性型脱毛症）やFAGA（女性型脱毛症）などさまざまです。

原因によって適切な対策が異なるため、まずは自分の状態を正しく把握することが大切なんです。

この記事では、分け目はげの見分け方から原因、自宅でできるセルフケア、そしてクリニックでの治療法まで、医学的な根拠に基づいて詳しく解説していきます。

早めに対策を始めることで、薄毛の進行を食い止めることが期待できますので、ぜひ参考にしてください。

この記事の監修者

原 征弘
株式会社ゼロメディカル 代表取締役

2005年設立の株式会社ゼロメディカルで、医療・介護・福祉領域における経営支援や医療情報メディア運営、WEBマーケティングを統括。医療機関や関連施設の課題解決を支えるとともに、Kenkotto／Diamell／デンタルマイクロスコープClinic などの自社メディアを通じて、正確で分かりやすい情報を届ける体制づくりに取り組んでいる。

本記事では、医療機関の経営支援と医療メディア運営で培った知見にもとづき、情報の客観性・表記の妥当性・最新性を確認しています（※個別の診断・治療方針の判断は医師が行います）。

分け目はげとは？薄毛の基準と見分け方

分け目はげとは、髪の分け目部分の地肌が目立つようになった状態を指します。分け目は頭皮が直接見える部分であるため、髪のボリュームが減少すると最初に変化が現れやすい場所なんです。ここでは、分け目はげの特徴や見分け方、若い世代での発症についてお伝えします。

分け目はげの特徴と見た目の変化

分け目のラインが以前より太く見えるようになるのが初期段階の特徴です。通常、健康な髪が生えている状態では分け目は細い線状に見えますが、髪が細くなったり本数が減ったりすると、地肌の露出面積が広がっていきます。

進行すると、分け目の周囲の髪もボリュームダウンし、全体的に頭頂部が薄く見えるようになることが多いです。女性の場合は「クリスマスツリーパターン」と呼ばれる、前頭部から頭頂部にかけて逆三角形に薄くなるパターンが特徴的です。

また、髪のハリやコシがなくなり、スタイリングがしづらくなったり、髪がペタンとしやすくなったりするのも初期症状の一つです。

セルフチェックの方法｜写真で比較するポイント

定期的に写真を撮って比較する方法が効果的です。スマートフォンで頭頂部を真上から撮影し、3ヶ月〜半年前の写真と見比べてみましょう。

また、シャンプー時の抜け毛の量や、枕についている抜け毛の本数が以前より増えていないかも確認してみてください。1日50〜100本程度の抜け毛は正常ですが、それを大幅に超える場合は注意が必要です。

10代・20代でも起こる？若い世代の分け目はげ

分け目はげは10代・20代の若い世代でも起こりうる症状です。若い世代で分け目はげが起こる主な原因としては、ヘアアイロンやコテの過度な使用、きつめのヘアアレンジによる牽引性脱毛症、過度なダイエットによる栄養不足などが挙げられます。

また、若年性のAGAやFAGAも存在します。AGAは思春期以降であれば発症する可能性があり、早い方では10代後半から症状が現れることもあります。若いからといって油断せず、気になる変化があれば早めに対策を始めることが大切です。

分け目がはげる5つの原因

分け目はげには複数の原因が考えられます。原因を正しく理解することで、適切な対策を選ぶことができます。ここでは、医学的に認められている5つの主な原因について解説していきます。

紫外線による頭皮ダメージ

分け目は紫外線の影響を最も受けやすい部分です。頭皮が直接露出しているため、紫外線を浴び続けると、頭皮の細胞がダメージを受け、毛母細胞の働きが低下してしまいます。

また、紫外線は頭皮の乾燥や炎症を引き起こし、毛穴の詰まりや血行不良の原因にもなります。特に夏場の強い日差しを無防備に浴び続けると、数ヶ月後に抜け毛が増えることがあるんです。

帽子や日傘などの物理的な紫外線対策が重要です

同じ分け目を続けることによる牽引性脱毛症

毎日同じ位置で分け目を作り続けていると、その部分の髪が常に引っ張られた状態になります。この継続的な牽引力が毛根にダメージを与え、牽引性脱毛症を引き起こすのです。

特にポニーテールやお団子ヘア、きつめの編み込みなど、髪を強く引っ張るヘアスタイルを長期間続けている方に起こりやすい症状です。初期であれば髪型を変えることで改善が期待できますが、長期間続けて毛根が傷んでしまうと回復が難しくなることもあります。

分け目に赤みやかゆみがある場合は早めにヘアスタイルを見直しましょう

AGA（男性型脱毛症）・FAGA（女性型脱毛症）

分け目はげの原因として最も多いのがAGA・FAGAです

これらは男性ホルモンの影響で毛髪の成長サイクルが乱れ、髪が十分に成長しないまま抜け落ちてしまう進行性の脱毛症です。

AGAの場合、男性ホルモンの一種であるテストステロンが5α還元酵素によってDHT（ジヒドロテストステロン）に変換され、このDHTが毛乳頭細胞に作用して髪の成長を妨げます。女性の場合は、加齢やホルモンバランスの乱れによって女性ホルモンが減少し、相対的に男性ホルモンの影響が強くなることでFAGAが発症します。

AGA・FAGAは放置すると進行するため、早期の治療開始が重要です。日本皮膚科学会のガイドライン（2017年版）でも、早期治療の重要性が指摘されています。

出典:日本皮膚科学会：男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版

睡眠不足やストレスなど生活習慣の乱れ

睡眠不足や過度なストレスは髪の成長に悪影響を与えます。髪の毛は主に睡眠中に成長ホルモンの分泌によって成長するため、睡眠時間が短かったり睡眠の質が低かったりすると、十分な成長が妨げられてしまいます。

また、ストレスは自律神経のバランスを乱し、頭皮の血行不良を引き起こします。血流が悪くなると、髪の成長に必要な栄養素や酸素が毛根に届きにくくなり、髪が細くなったり抜けやすくなったりします。

さらに、ストレスによるホルモンバランスの乱れは、AGAやFAGAの進行を加速させる要因にもなります。規則正しい生活リズムを心がけることが、髪の健康を守る第一歩です。

食生活の偏りによる栄養不足

髪の毛は主にタンパク質（ケラチン）でできているため、タンパク質の摂取量が不足すると髪が細くなったり、抜けやすくなったりします。特に過度なダイエットをしている方は、髪に必要な栄養素が不足しがちです。

髪の成長に重要な栄養素としては、タンパク質のほかに亜鉛、鉄分、ビタミンB群、ビタミンEなどがあります。これらが不足すると、毛母細胞の活動が低下し、健康な髪を作り出す力が弱まってしまいます。

ファストフードや極端な食事制限は髪の健康の大敵です

自宅でできる分け目はげの対策6選

分け目はげが気になり始めたら、まずは自宅でできる対策から始めてみましょう。日々の習慣を少し変えるだけで、薄毛の進行を遅らせたり、改善したりできる可能性があります。ここでは、すぐに実践できる6つのセルフケア方法をご紹介します。

分け目を定期的に変える

最も手軽で効果的な対策が分け目の位置を変えること

同じ位置で分け続けると、その部分の髪と頭皮に負担が集中してしまいます。週に1〜2回程度、分け目の位置を変えるだけで負担を分散できます。

分け目を変えるのが難しい場合は、ジグザグの分け目にしたり、分け目をぼかすようなスタイリングを取り入れたりするのもおすすめです。また、たまには分け目を作らずにオールバックにするのも効果的です。

分け目を変えると最初は違和感があるかもしれませんが、数日で慣れてきます。新しい分け目で髪のボリュームアップ効果も期待できますよ。

紫外線から頭皮を守る

外出時には帽子や日傘を活用して頭皮を守りましょう。特に紫外線が強い5月〜9月は、短時間の外出でも対策が必要です。

帽子を選ぶ際は、通気性の良いものを選ぶことがポイントです。蒸れやすい帽子は頭皮環境を悪化させる原因になります。また、UVカット加工が施された帽子や日傘を選ぶとより効果的です。

最近では頭皮用のUVスプレーも販売されています。帽子が被れないシーンでは、頭皮用の日焼け止めスプレーを活用するのも一つの方法です。ただし、使用後はしっかりとシャンプーで洗い流すようにしましょう。

髪に良い栄養を摂る

髪の健康のためにはバランスの取れた食事が欠かせません。特に意識して摂りたい栄養素と、それを多く含む食品をご紹介します。

これらの栄養素を日々の食事からバランスよく摂取することで、髪の成長をサポートできます。サプリメントで補う方法もありますが、まずは食事からの摂取を基本としましょう。

質の良い睡眠をとる

髪の成長ホルモンは主に深い睡眠中に分泌されます。睡眠時間を確保するだけでなく、睡眠の質を高めることが大切です。

理想的な睡眠時間は7〜8時間とされていますが、個人差があります。朝スッキリと目覚められる睡眠時間を見つけて、継続することが重要です。

頭皮マッサージとシャンプーの見直し

頭皮マッサージは血行を促進し、毛根に栄養を届けやすくする効果があります。シャンプー時に指の腹を使って優しくマッサージするだけでも効果的です。爪を立てたり、強くこすったりすると頭皮を傷つけてしまうので注意してください。

また、使用しているシャンプーが頭皮に合っているか見直してみましょう。洗浄力が強すぎるシャンプーは、必要な皮脂まで落としてしまい、頭皮の乾燥や炎症の原因になることがあります。アミノ酸系の優しい洗浄成分のシャンプーがおすすめです。

シャンプーは1日1回、夜に行うのが基本です

ストレスをためない工夫

ストレスは髪の大敵です。完全にストレスをなくすことは難しいですが、上手に発散する方法を見つけておくことが大切です。

効果的なストレス解消法には、適度な運動、趣味の時間を持つこと、友人や家族との会話、入浴でのリラックスなどがあります。特に有酸素運動は、ストレスホルモンの分泌を抑え、血行を促進する効果もあるためおすすめです。

また、物事を完璧にこなそうとしすぎないことも大切です。時には「まあいいか」と思えるくらいの余裕を持つことで、心身の健康を守り、結果として髪の健康にもつながります。

セルフケアで改善しないときは？クリニック治療の選択肢

セルフケアを続けても分け目はげが改善しない場合や、明らかに進行している場合は、クリニックでの治療を検討しましょう。特にAGAやFAGAが原因の場合、医療的なアプローチが必要になります。ここでは、クリニック治療について詳しく解説します。

クリニックを受診すべきタイミング

以下のような状況であれば、早めにクリニックを受診することをおすすめします。

AGAやFAGAは進行性のため、早期治療が重要です

「まだ大丈夫」と先延ばしにしていると、改善に時間がかかったり、効果が出にくくなったりすることがあります。

最近は無料カウンセリングを実施しているクリニックも多いので、まずは相談だけでも行ってみることをおすすめします。

内服薬治療（フィナステリド・デュタステリド）

AGA治療の中心となるのが、内服薬による治療です。日本皮膚科学会のガイドライン（2017年版）で推奨度Aとされている治療法で、高い効果が期待できます。

フィナステリドは、AGAの原因となる5α還元酵素II型を阻害し、DHTの生成を抑制する薬です。継続的な服用により、抜け毛の減少や薄毛の進行抑制が期待できます。

デュタステリドは、5α還元酵素のI型とII型の両方を阻害するため、フィナステリドよりも強力な効果が期待できるとされています。

主な副作用として、性欲減退や勃起不全などが報告されていますが、発生率は数%程度です。

出典:PMDA：プロペシア錠添付文書

これらの内服薬は男性向けで、女性には使用できません

外用薬治療（ミノキシジル）

ミノキシジル外用薬は男女ともに使用できる薄毛治療薬です。日本皮膚科学会のガイドライン（2017年版）で推奨度Aとされており、頭皮に直接塗布することで発毛を促進します。

ミノキシジルは、頭皮の血管を拡張して血流を改善し、毛母細胞を活性化させる作用があります。市販でも購入可能で、クリニックではより高濃度のものを処方してもらえることもあります。

主な副作用として、頭皮のかゆみや発赤、初期脱毛などがあります。

初期脱毛は薬が効いているサインでもあるため、心配しすぎる必要はありません。

また、クリニックでは内服タイプのミノキシジルを処方されることもあります。ミノキシジル内服薬は、AGA治療目的では国内未承認ですが、多くのクリニックで発毛プランの一環として処方されています。日本皮膚科学会のガイドライン（2017年版）では推奨度Dとされていますが、その後の研究で安全性データが蓄積されており、医師の管理下で適切に使用すれば有力な選択肢となります。

出典:J Am Acad Dermatol 2021

治療の費用と期間の目安

AGA治療の費用は、治療内容やクリニックによって異なります。一般的な目安は以下の通りです。

効果を実感するまでに最低でも3〜6ヶ月かかります

髪の毛には成長サイクルがあり、治療を始めてすぐに効果が出るわけではありません。

AGA治療は継続が重要です。効果が出たからといって治療を中止すると、再び薄毛が進行してしまうことがあります。長期的に続けられる治療プランを選ぶことが大切です。

分け目の薄毛が気になる方におすすめのAGAクリニック5院

分け目はげの治療を検討されている方に向けて、実績のあるAGAクリニックを5院ご紹介します。オンライン診療に対応しているクリニックも多いので、お住まいの地域に関係なく治療を受けられます。

※治療効果には個人差があります。詳細は各クリニックにお問い合わせください。

DMMオンラインクリニック

DMMが運営するAGA治療サービスです。24時間診療に対応しており、忙しい方でも受診しやすいのが特徴です。予防プランは月額2,097円〜、発毛プランは初回1,861円〜と、続けやすい価格設定になっています。長期プランを選ぶとさらにお得になります。

クリニックフォア

オンライン診療と対面診療の両方に対応しているクリニックです。10院以上の実店舗があり、状況に応じて通院もできます。予防プランは初回1,049円〜から始められ、定期便の割引率が高いのも魅力です。アプリで簡単に予約できます。

AGAスキンクリニック

全国60院以上を展開する大手AGAクリニックです。発毛実感率99.4%という高い実績があり（※効果には個人差があります）、全額返金保証制度も用意されています。夜22時まで診療している院もあり、仕事帰りでも通いやすいです。オリジナル治療薬「Rebirth」も特徴の一つです。

湘南AGAクリニック

全国140院以上という豊富な院数で、通いやすさが魅力のクリニックです。投薬から植毛まで幅広い治療選択肢があり、症状に合わせた治療を受けられます。大手美容クリニックならではの安心感があります。予防プランは月額3,000円〜です。

AGAヘアクリニック

初月1,800円からスタートできる始めやすさが魅力のクリニックです。専用アプリで治療効果を可視化でき、モチベーションを保ちながら治療を続けられます。診療時間が10時〜22時と長く、全国13院で対面診療も可能です。

どのクリニックも無料カウンセリングを実施しているので、まずは相談してみることをおすすめします。自分の症状や希望に合ったクリニックを選びましょう。

よくある質問（Q&A）

分け目はげについて、よくある疑問にお答えします。

まとめ

分け目はげは、紫外線ダメージ、牽引性脱毛症、AGA・FAGA、生活習慣の乱れ、栄養不足など、複数の原因が考えられる症状です。まずは自分の状態をセルフチェックして、原因を把握することが改善への第一歩となります。

自宅でできる対策としては、分け目を定期的に変える、紫外線から頭皮を守る、バランスの良い食事を心がける、質の良い睡眠をとる、頭皮マッサージやシャンプーの見直し、ストレス管理などがあります。これらのセルフケアを継続することで、薄毛の進行を遅らせることが期待できます。

しかし、セルフケアを3ヶ月以上続けても改善が見られない場合や、明らかに進行している場合は、クリニックでの治療を検討しましょう。AGAやFAGAは進行性の脱毛症であり、早期に治療を開始するほど効果が期待できます。

本記事でご紹介した治療法の効果には個人差があります

ご自身に合った対策や治療法を見つけるためにも、気になる症状がある場合は、早めに専門医に相談されることをおすすめします。分け目はげは適切な対策を行えば改善が期待できる症状ですので、諦めずに一歩踏み出してみてください。

この記事の監修者

原 征弘
株式会社ゼロメディカル 代表取締役

2005年設立の株式会社ゼロメディカルで、医療・介護・福祉領域における経営支援や医療情報メディア運営、WEBマーケティングを統括。医療機関や関連施設の課題解決を支えるとともに、Kenkotto／Diamell／デンタルマイクロスコープClinic などの自社メディアを通じて、正確で分かりやすい情報を届ける体制づくりに取り組んでいる。

本記事では、医療機関の経営支援と医療メディア運営で培った知見にもとづき、情報の客観性・表記の妥当性・最新性を確認しています（※個別の診断・治療方針の判断は医師が行います）。