フィナステリドはやばい？副作用の真実と安全な服用法

「フィナステリドはやばい」という噂を聞いて、AGA治療を始めるか迷っていませんか。

ネットで検索すると「副作用が怖い」「飲んではいけない」といった情報が目に入り、不安になる方も多いのではないでしょうか。

結論から言うと、フィナステリドは正しく使えば「やばくない」薬です。

日本皮膚科学会のガイドライン（2017年版）では推奨度Aの治療薬として認められており、多くの方がAGA治療に使用しています。

ただし、どんな医薬品にも副作用のリスクはあります。大切なのは、正しい知識を持って医師の管理のもとで服用することです。

この記事では、フィナステリドが「やばい」と言われる理由を検証し、副作用の実際の発生率や安全な服用方法について、医学的根拠に基づいて解説します。

この記事の監修者

原 征弘
株式会社ゼロメディカル 代表取締役

2005年設立の株式会社ゼロメディカルで、医療・介護・福祉領域における経営支援や医療情報メディア運営、WEBマーケティングを統括。医療機関や関連施設の課題解決を支えるとともに、Kenkotto／Diamell／デンタルマイクロスコープClinic などの自社メディアを通じて、正確で分かりやすい情報を届ける体制づくりに取り組んでいる。

本記事では、医療機関の経営支援と医療メディア運営で培った知見にもとづき、情報の客観性・表記の妥当性・最新性を確認しています（※個別の診断・治療方針の判断は医師が行います）。

結論：フィナステリドは「やばくない」が注意は必要

フィナステリドに対して不安を感じている方にお伝えしたいのは、この薬は20年以上の使用実績がある、安全性が確認されたAGA治療薬だということです。日本では2005年に承認され、世界中で多くの方が薄毛治療に使用しています。

「やばい」と言われる理由の多くは誤解

ネット上で「フィナステリドはやばい」という声が広がる背景には、いくつかの誤解があります。まず、副作用の情報が過度に強調されて伝わっているケースが多いんです。「EDになる」「うつになる」といった情報だけが独り歩きし、実際の発生率や改善率が正しく伝わっていないことが問題です。

また、個人輸入で服用した方の体験談が混在していることも原因の一つです。医師の管理なく自己判断で服用した場合と、医療機関で適切な診察を受けて服用した場合では、安全性に大きな差があります。さらに、SNSでは副作用を経験した方の声が目立ちやすく、問題なく服用している多くの方の声は表に出にくいという情報の偏りもあります。

正しく使えば安全性の高い治療薬

フィナステリドは、日本皮膚科学会のガイドライン（2017年版）で推奨度Aに分類されている治療薬です。推奨度Aとは「行うよう強く勧める」という最高評価であり、有効性と安全性の両面で十分なエビデンスがあることを意味します。

日本皮膚科学会：男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版

副作用がまったくないわけではありません

性機能への影響や肝機能への負担など、注意すべき点はあります。しかし、これらは医師の診察を受け、定期的な検査を行いながら服用することで、リスクを最小限に抑えることができます。フィナステリドは「やばい薬」ではなく、「正しく使えば頼れる治療薬」なんです。

フィナステリドが「やばい」と言われる5つの理由

フィナステリドに対する不安の声には、それぞれ根拠となる情報があります。ここでは、「やばい」と言われる主な5つの理由について、実際のところはどうなのかを詳しく見ていきましょう。

性機能への影響（ED・性欲減退など）

フィナステリドの副作用として最も知られているのが、性機能への影響です。具体的には、性欲の減退、勃起機能の低下（ED）、射精障害などが報告されています。これらの副作用は、フィナステリドが男性ホルモンの一種であるDHT（ジヒドロテストステロン）を抑制することで生じると考えられています。

ただし、これらの副作用が起こる確率は決して高くありません。国内の臨床試験では、性欲減退が1.1%、EDが0.7%程度と報告されています。100人中1〜2人に起こる可能性があるということですが、言い換えれば98〜99人は問題なく服用できているということです。

多くは服用中止で改善すると報告されています

PMDA：プロペシア錠添付文書

肝臓への負担

フィナステリドは肝臓で代謝される薬剤のため、肝機能への影響を心配される方もいます。添付文書には「肝機能障害」が副作用として記載されており、これが「やばい」と言われる理由の一つになっています。

しかし、肝機能障害が起こる頻度は「頻度不明」とされており、実際には非常にまれです。もともと肝機能に問題がない方であれば、通常の服用量で重篤な肝障害が起こる可能性は低いと考えられています。

定期的な血液検査で肝機能をチェックしましょう

検査によって異常の早期発見が可能となり、安心して治療を続けられます。

初期脱毛で一時的に抜け毛が増える

フィナステリドの服用を始めてから1〜2ヶ月頃に、一時的に抜け毛が増える「初期脱毛」が起こることがあります。これを知らずに服用を始めると、「薬が効いていない」「むしろ悪化した」と感じて不安になる方もいます。

初期脱毛は、薬が効いている証拠とも言えます。フィナステリドの作用でヘアサイクルが正常化する過程で、休止期に入っていた古い毛髪が押し出されて抜けるんです。この現象は一時的なもので、通常2〜3ヶ月で収まります。その後、新しい健康な毛髪が生えてくるため、初期脱毛を乗り越えれば改善が期待できます。

精神面への影響（抑うつ・不安）

一部の報告では、フィナステリドの服用中に抑うつ症状や不安感を感じたという声があります。添付文書にも「抑うつ症状」が副作用として記載されており、これが不安材料となっています。

精神面への影響については、因果関係がはっきりしない部分もあります。AGA自体が精神的なストレスの原因となることもあり、薬の副作用なのか、薄毛に対する悩みが原因なのか、判断が難しいケースもあるんです。

気分の落ち込みが続く場合は医師に相談を

症状によっては、薬の変更や減量で対応できることもあります。

ポストフィナステリドシンドローム（PFS）の噂

「ポストフィナステリドシンドローム（PFS）」とは、フィナステリドの服用を中止した後も、性機能障害や精神症状が続くとされる状態のことです。一部のメディアやSNSで取り上げられ、「一度飲んだら後遺症が残る」という恐怖を煽る情報が広まっています。

PFSについては、現時点で明確な科学的根拠は確立されていません。一部の患者さんで長期的な症状が報告されているのは事実ですが、発生頻度や原因メカニズムについては研究が進行中です。大切なのは、過度に恐れるのではなく、何か異変を感じたら早めに医師に相談することです。医師の管理下で服用していれば、異常があっても早期に対応できます。

フィナステリドの副作用はどれくらい起こる？発生率を解説

副作用について漠然とした不安を持つよりも、具体的な数値を知ることで冷静に判断できるようになります。ここでは、フィナステリドの副作用発生率について、臨床試験のデータに基づいて解説します。

性機能関連の副作用は1〜2%程度

国内で実施された臨床試験のデータによると、フィナステリドによる性機能関連の副作用発生率は以下のとおりです。

PMDA：プロペシア錠添付文書

これらの数値を見ると、性機能への影響が出る方は100人中1〜2人程度であることがわかります。もちろん、当事者にとっては深刻な問題ですが、大多数の方は問題なく服用できているという事実も押さえておきたいポイントです。

肝機能障害はまれ（定期検査で早期発見）

肝機能障害については、添付文書に「頻度不明」と記載されています。これは臨床試験で明確な発生率が算出できないほど、発生がまれであることを示しています。重篤な肝障害が起こるケースは非常に少ないと言えます。

「まれ」だからといって油断は禁物です

フィナステリドを長期間服用する場合は、定期的な血液検査で肝機能の数値（AST、ALT、γ-GTPなど）をチェックすることをおすすめします。年に1〜2回の検査を行えば、万が一異常があっても早期に発見できます。特に、もともとお酒をよく飲む方や肝臓に負担がかかりやすい生活習慣の方は、定期検査を欠かさないようにしましょう。

副作用の多くは服用中止で改善する

フィナステリドの副作用で重要なポイントは、多くの場合、服用を中止すれば症状が改善するということです。性機能への影響も、薬をやめることで元の状態に戻ることが多いと報告されています。

自己判断でやめず、まず処方医に相談を

症状によっては、薬の減量や服用間隔の調整で対応できることもあります。また、別の治療薬（デュタステリドやミノキシジルなど）への切り替えという選択肢もあります。副作用が出たからといって、AGA治療自体を諦める必要はありません。

フィナステリドを使ってはいけない人・注意が必要な人

フィナステリドは多くの方に有効な薬ですが、使用してはいけない方や、特に注意が必要な方もいます。服用を検討する前に、自分が該当しないか確認しておきましょう。

女性（特に妊娠中・授乳中）は使用禁忌

フィナステリドは女性には処方できない薬です

特に妊娠中の女性がこの薬に触れると、胎児（男児）の生殖器の発達に悪影響を与える可能性があります。フィナステリドは皮膚からも吸収されるため、錠剤に触れることすら避けるべきとされています。

PMDA：プロペシア錠添付文書

女性の薄毛（FPHL：女性型脱毛症）には、フィナステリドではなく、ミノキシジル外用薬など別の治療法が推奨されています。家庭内にフィナステリドを服用している男性がいる場合、女性が誤って触れないよう保管場所に注意しましょう。錠剤を割ったり粉砕したりすることも厳禁です。

肝機能に問題がある方は要相談

フィナステリドは肝臓で代謝されるため、肝機能障害のある方は服用前に医師への相談が必須です。健康診断で肝機能の数値（AST、ALT、γ-GTP）に異常を指摘されたことがある方、慢性肝炎や脂肪肝などの診断を受けている方は、必ず医師に伝えてください。

肝機能の状態によっては、フィナステリドの服用が可能な場合もありますが、より慎重な経過観察が必要になることがあります。また、お酒を日常的に大量に飲む習慣がある方も、肝臓への負担を考慮して医師に相談することをおすすめします。

未成年への処方は基本的にしない

フィナステリドは、成人男性（20歳以上）を対象とした薬です。未成年者への安全性は確立されておらず、基本的に処方されることはありません。

10代で薄毛が気になる場合、それがAGAなのか、他の原因（ストレス、栄養不足、円形脱毛症など）によるものなのかを、まず皮膚科で診断してもらうことが大切です。AGAだとしても、未成年のうちは生活習慣の改善や外用薬での対応が検討されます。

焦って個人輸入で薬を入手することは避けて

個人輸入・通販でフィナステリドを買うのはやばい？

「病院に行かずに安く手入れたい」という理由で、海外からの個人輸入を検討する方もいます。しかし、個人輸入でフィナステリドを入手することには重大なリスクがあります。

偽造品・粗悪品が混じるおそれ

個人輸入品には偽造品や粗悪品が含まれる可能性

見た目は本物そっくりでも、有効成分が含まれていなかったり、逆に危険な成分が混入していたりすることがあるんです。

国民生活センター：個人輸入した医薬品、化粧品等にご注意

正規の医療機関で処方される薬は、品質管理が徹底されています。一方、個人輸入品は製造過程や保管状態が不明であり、安全性を確認する術がありません。価格が安いからといって飛びつくと、健康被害を受けるリスクがあります。

医薬品の救済制度が使えない

日本には「医薬品副作用被害救済制度」という制度があります。これは、医薬品を適正に使用したにもかかわらず重篤な副作用が生じた場合に、医療費や年金などの給付を受けられる制度です。

厚生労働省：医薬品等の個人輸入について

個人輸入品は救済制度の対象外となる場合あり

つまり、万が一重い副作用が出ても、国からの補償を受けられない可能性があるんです。医療機関で処方された薬であれば、この制度の対象となり、万が一の際にも保護されます。

自己判断での服用は危険

個人輸入では、医師の診察を受けずに自己判断で薬を服用することになります。これは非常に危険です。AGAかどうかの正確な診断ができない、適切な用量がわからない、副作用が出ても対処できないなど、多くの問題があります。

また、定期的な検査を受けないまま長期服用を続けると、肝機能の低下などに気づけないおそれもあります。「安く済ませたい」という気持ちは理解できますが、健康を犠牲にしてまで節約する価値はありません。

安全なAGA治療には医療機関の受診が必須

フィナステリドを安全に服用するためのポイント

フィナステリドを安心して服用するために、押さえておきたいポイントをまとめました。これらを守ることで、副作用のリスクを最小限に抑えながら治療を続けられます。

医師の診察を受けてから始める

フィナステリドの服用は、必ず医師の診察を受けてから始めましょう。オンライン診療でも対面診療でも構いませんが、医師があなたの状態を把握したうえで処方することが大切です。

診察では、薄毛の状態がAGAによるものかどうかの診断、既往歴や現在服用中の薬との相互作用の確認、副作用のリスク説明などが行われます。気になることがあれば、この段階で遠慮なく質問してください。医師との信頼関係を築くことが、安全な治療の第一歩です。

定期的な血液検査を受ける

フィナステリドを長期服用する場合は、定期的な血液検査をおすすめします。特に肝機能の数値をチェックすることで、異常があっても早期に発見できます。

検査の頻度は、治療開始時に1回、その後は年に1〜2回程度が目安です。クリニックによっては、診察のたびに簡易的な検査を行うところもあります。検査費用はかかりますが、安全に治療を続けるための必要な投資と考えましょう。

体調の変化を感じたらすぐ相談

服用中に気になる症状が出たら、次の診察を待たずに医師に相談しましょう。性欲の低下、気分の落ち込み、体のむくみなど、些細なことでも構いません。

自己判断での中止や我慢は避けてください

医師に相談すれば、症状に応じた適切な対応をしてもらえます。薬の減量、服用間隔の調整、別の薬への切り替えなど、選択肢はいくつもあります。不安を抱えたまま服用を続けるより、相談して解決する方が治療を長く続けられます。

フィナステリド治療におすすめのAGAクリニック5院

フィナステリドで安全にAGA治療を行うには、信頼できるクリニックを選ぶことが大切です。ここでは、オンライン診療に対応し、手軽にフィナステリド処方が受けられるおすすめのクリニックを紹介します。

DMMオンラインクリニック

DMMオンラインクリニックは、DMMが運営するAGA治療サービスです。24時間診療に対応しており、仕事で忙しい方でも自分の都合に合わせて受診できます。

予防プラン（フィナステリド1mg）は月額2,097円〜と、長期継続しやすい価格設定になっています。発毛ライトプランでは、フィナステリドとミノキシジルのセット処方も可能です。大手企業DMMが運営しているという安心感も魅力のひとつです。

クリニックフォア

クリニックフォアは、オンライン診療と対面診療の両方に対応したクリニックです。主要都市に10院以上を展開しており、オンラインで始めて、必要に応じて対面で相談するという使い方もできます。

予防プラン（フィナステリド）は、12ヶ月まとめて定期にキャンペーン適用時で初回1ヶ月あたり1,049円〜と、非常にリーズナブルです。アプリで簡単に予約できるため、手軽に治療を始められます。

AGAスキンクリニック

AGAスキンクリニックは、全国60院以上を展開する大手AGAクリニックです。発毛実感率99.4%という実績を持ち、投薬治療からメソセラピー、植毛まで幅広い治療オプションがあります。

予防プラン（フィナステリド1mg）は初回3,700円、2回目以降は月額6,200円です。

全額返金保証制度があり安心して始められます

夜22時まで診療している院もあり、通いやすさも魅力です。

イースト駅前クリニック

イースト駅前クリニックは、全国42院を展開する男性専門クリニックです。その名のとおり駅近の立地が多く、通院しやすいのが特徴です。

予防プランは月額1,650円〜と業界でも低価格帯に位置しています。処方までがスピーディーで、忙しいビジネスマンにも人気があります。オンライン診療にも対応しているため、近くに院がない方も利用可能です。

AGAヘアクリニック

AGAヘアクリニックは、初月1,800円からフィナステリド治療を始められるクリニックです。専用アプリで治療効果を写真で記録・比較できるため、自分の変化を実感しやすいのが特徴です。

診療時間が10時〜22時と長いため、仕事終わりでも受診しやすくなっています。全国13院を展開しており、オンライン診療との併用も可能です。継続しやすい価格設定と丁寧なサポート体制で、長期治療に向いています。

まとめ

「フィナステリドはやばい」という噂は、副作用情報の過剰な強調や、個人輸入によるトラブルの混同など、さまざまな誤解から生まれたものです。実際には、日本皮膚科学会のガイドライン（2017年版）で推奨度Aとされる、安全性が確認されたAGA治療薬です。

副作用として性機能への影響が知られていますが、発生率は1〜2%程度であり、多くの場合は服用中止で改善します。肝機能への影響もまれであり、定期的な検査を受けていれば早期発見が可能です。

個人輸入には偽造品リスクや救済制度対象外の問題あり

安全にAGA治療を行うためには、必ず医療機関を受診し、医師の管理のもとで服用することが大切です。

本記事でご紹介した治療法の効果には個人差があります。フィナステリドを始めるかどうか迷っている方は、まずは専門クリニックで相談してみてください。オンライン診療なら自宅から手軽に受診でき、自分に合った治療法を見つける第一歩になります。

この記事の監修者

原 征弘
株式会社ゼロメディカル 代表取締役

2005年設立の株式会社ゼロメディカルで、医療・介護・福祉領域における経営支援や医療情報メディア運営、WEBマーケティングを統括。医療機関や関連施設の課題解決を支えるとともに、Kenkotto／Diamell／デンタルマイクロスコープClinic などの自社メディアを通じて、正確で分かりやすい情報を届ける体制づくりに取り組んでいる。

本記事では、医療機関の経営支援と医療メディア運営で培った知見にもとづき、情報の客観性・表記の妥当性・最新性を確認しています（※個別の診断・治療方針の判断は医師が行います）。