AGA治療薬の副作用｜症状・発生率・対処法を解説

AGA治療を始めようと思っても、「副作用が心配で一歩踏み出せない」という方は多いのではないでしょうか。

インターネットで調べると、さまざまな副作用の情報が出てきて、不安になってしまうこともありますよね。

結論からお伝えすると、AGA治療薬の副作用発生率は0.1〜5%程度で、多くの方は副作用なく治療を続けられています。

また、万が一副作用が出た場合でも、服用を中止すれば多くのケースで回復することがわかっています。

この記事では、AGA治療薬（フィナステリド・デュタステリド・ミノキシジル）の具体的な副作用と発生率、そして副作用が出たときの対処法まで詳しく解説します。

正しい知識を持って、安心してAGA治療を始めるための参考にしてください。

この記事の監修者

原 征弘
株式会社ゼロメディカル 代表取締役

2005年設立の株式会社ゼロメディカルで、医療・介護・福祉領域における経営支援や医療情報メディア運営、WEBマーケティングを統括。医療機関や関連施設の課題解決を支えるとともに、Kenkotto／Diamell／デンタルマイクロスコープClinic などの自社メディアを通じて、正確で分かりやすい情報を届ける体制づくりに取り組んでいる。

本記事では、医療機関の経営支援と医療メディア運営で培った知見にもとづき、情報の客観性・表記の妥当性・最新性を確認しています（※個別の診断・治療方針の判断は医師が行います）。

AGA治療薬の副作用とは？知っておきたい基礎知識

AGA治療を検討している方にとって、副作用は最も気になるポイントの一つですよね。ここでは、AGA治療薬の副作用について基本的な情報をお伝えします。正しい知識を持つことで、必要以上に不安を感じることなく治療に臨めます。

副作用の発生率は0.1〜5%程度

AGA治療薬の副作用は、実際にはどのくらいの頻度で起こるのでしょうか。結論として、副作用の発生率は薬の種類や症状によって異なりますが、おおよそ0.1〜5%程度です。

フィナステリド（プロペシア）の臨床試験データによると、主な副作用である性欲減退は1〜5%未満、勃起機能不全は1%未満で報告されています。これは100人中1〜5人程度に症状が出る可能性があるということです。

95%以上の方は副作用なく治療継続

また、副作用の中には「ノセボ効果」と呼ばれる、副作用を意識しすぎることで症状を感じやすくなる心理的な影響も含まれている可能性が指摘されています。

出典:PMDA：プロペシア錠添付文書

多くの副作用は服用中止で回復する

AGA治療薬で副作用が出た場合、服用を中止すれば多くのケースで症状は回復します。これは治療を始める前に知っておきたい重要なポイントです。

フィナステリドやデュタステリドによる性機能への影響は、薬の服用を止めることで通常は元に戻ります。ミノキシジルによるむくみや動悸なども、使用を中止すれば改善することがほとんどです。

自己判断での服用中止は避け、必ず医師に相談を

症状によっては減薬や別の薬への変更で対応できることも多く、治療を完全にやめる必要がないケースもあります。

フィナステリド（プロペシア）の副作用

フィナステリドは、AGA治療で最も広く使用されている内服薬です。日本皮膚科学会のガイドライン（2017年版）では推奨度Aとされており、効果が認められている治療薬ですが、副作用についても理解しておく必要があります。添付文書に記載されている主な副作用を確認していきましょう。

出典:日本皮膚科学会：男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版

性欲減退・ED（勃起機能障害）

フィナステリドの副作用として最も知られているのが、性欲減退やED（勃起機能障害）です。これらは男性ホルモンであるDHT（ジヒドロテストステロン）の生成を抑えることに関連して起こる可能性があります。

添付文書によると、性欲減退の発生率は1〜5%未満、勃起機能不全は1%未満とされています。臨床試験のプラセボ群（偽薬を服用したグループ）でも同様の症状が報告されており、心理的な要因も影響している可能性があります。

これらの症状が現れた場合は、服用を中止することで通常は回復します。症状が気になる場合は、医師に相談して対応を検討しましょう。

出典:PMDA：プロペシア錠添付文書

肝機能への影響

フィナステリドは肝臓で代謝されるため、肝機能への影響が報告されることがあります。添付文書では、肝機能障害が重大な副作用として記載されています。

発生頻度は「頻度不明」とされていますが、非常にまれなケースです。

肝機能に問題がある方や飲酒習慣がある方は事前に医師へ相談

定期的な血液検査を受けることで、肝機能の変化を早期に発見できます。多くのAGAクリニックでは、治療開始時や定期的な診察時に血液検査を実施しています。

抑うつ症状

フィナステリドの副作用として、抑うつ症状が報告されることがあります。添付文書では「頻度不明」とされており、発生はまれですが、気分の落ち込みや意欲の低下を感じた場合は注意が必要です。

抑うつ症状とAGA治療薬の因果関係については、まだ十分に解明されていない部分もあります。ただし、服用開始後に気分の変化を感じた場合は、早めに医師に相談することをおすすめします。

うつ病の既往がある方は治療開始前に医師へ伝えておく

精液量の減少

フィナステリドの服用により、精液量が減少することがあります。これはDHTの生成抑制に関連した影響と考えられています。添付文書では1%未満の発生率とされています。

精液量の減少は、妊活中のカップルにとって気になるポイントかもしれません。ただし、フィナステリドが精子の質や妊娠率に与える影響については、現時点で明確なエビデンスはありません。

妊活予定の方は服用継続について医師に相談を

デュタステリド（ザガーロ）の副作用

デュタステリドは、フィナステリドよりも強力にDHTの生成を抑制する治療薬です。5α還元酵素のI型とII型の両方を阻害するため、より高い効果が期待できる一方、副作用についても理解しておくことが大切です。フィナステリドとの違いを含めて解説します。

フィナステリドより発生率がやや高め

デュタステリドの副作用は、フィナステリドと同様に性機能に関連するものが中心ですが、発生率はやや高い傾向があります。これはデュタステリドがより強力にDHTを抑制することに関連しています。

添付文書によると、デュタステリドの主な副作用発生率は、性欲減退が3.9%、勃起不全が4.3%、射精障害が1.0%となっています。フィナステリドと比較すると、数値としてはやや高めです。

ただし、この数値の差をどう捉えるかは個人の判断によります。効果の高さとのバランスを考慮して、医師と相談しながら治療薬を選択することが重要です。

出典:PMDA：ザガーロカプセル0.5mg添付文書

性機能への影響

デュタステリドによる性機能への影響は、フィナステリドと同様のメカニズムで起こります。性欲減退、勃起機能不全、射精障害などが報告されています。

これらの症状は、服用を中止することで多くの場合改善します。ただし、デュタステリドは体内に長く留まる特性があるため、フィナステリドよりも回復に時間がかかることがあります。

まずフィナステリドから開始し、効果不十分な場合に切り替える選択肢も

体内に残る期間が長い

デュタステリドの特徴として、体内での半減期が非常に長いことが挙げられます。半減期とは、薬の血中濃度が半分になるまでの時間のことで、デュタステリドは約3〜5週間とされています。

これに対してフィナステリドの半減期は約6〜8時間です。この違いにより、デュタステリドは服用を中止しても、体内から完全に排出されるまでに6ヶ月程度かかることがあります。

デュタステリド服用中の方は服用中止後6ヶ月間は献血禁止

ミノキシジルの副作用｜内服と外用の違い

ミノキシジルは、発毛効果が期待できる治療薬として広く使用されています。外用薬（塗り薬）と内服薬があり、それぞれ副作用の特徴が異なります。外用と内服の違いを正しく理解して、自分に合った治療法を選びましょう。

外用薬の副作用（頭皮のかゆみ・かぶれ）

ミノキシジル外用薬は、頭皮に直接塗布するタイプの治療薬です。日本皮膚科学会のガイドライン（2017年版）では推奨度Aとされており、男性・女性ともに使用できます。

主な副作用は、塗布部位に現れる頭皮のかゆみ、発赤、かぶれ（接触皮膚炎）などです。これらは薬剤そのものへの反応や、溶剤として使用されているアルコール成分への反応として起こることがあります。

頭皮トラブルが続く場合は濃度を下げるか製剤変更を検討

出典:日本皮膚科学会：男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版

内服薬の副作用（むくみ・動悸・多毛）

ミノキシジル内服薬は、AGA治療目的では国内未承認ですが、多くのクリニックで発毛プランの一環として処方されています。外用薬よりも強い発毛効果が期待できる一方、全身性の副作用に注意が必要です。

1,404名を対象とした多施設研究（2021年）では、最も多い副作用は多毛症（体毛が濃くなる）で15.1%に認められました。その他、めまい・立ちくらみ（1.7%）、体液貯留によるむくみ（1.3%）、頻脈・動悸（0.9%）などが報告されています。

日本皮膚科学会のガイドライン（2017年版）では推奨度Dとされていますが、その後の研究で安全性データが蓄積されており、医師の管理下で適切に使用すれば有力な選択肢となります。

心臓や血圧に問題がある方は使用前に必ず医師に相談

出典:J Am Acad Dermatol 2021

初期脱毛は副作用ではなく効果の兆候

AGA治療を始めると、一時的に抜け毛が増える「初期脱毛」が起こることがあります。これは副作用ではなく、むしろ治療が効いている証拠と考えられています。

初期脱毛は、ミノキシジルの作用によって毛髪の成長サイクル（ヘアサイクル）がリセットされることで起こります。休止期にあった古い毛髪が押し出され、新しい毛髪の成長が始まるのです。

初期脱毛は通常1〜2ヶ月で落ち着く

初期脱毛は通常、治療開始から2週間〜2ヶ月程度で起こり、1〜2ヶ月程度で落ち着きます。この時期に不安になって治療をやめてしまうと、せっかくの効果が得られなくなってしまいます。初期脱毛が気になる場合は、医師に相談しながら治療を継続することが大切です。

副作用が出たときの3つの対処法

AGA治療中に副作用を感じた場合、どのように対処すればよいのでしょうか。ここでは、具体的な3つの対処法をご紹介します。適切な対応を知っておくことで、慌てずに対処できます。

まずは処方医に相談する

副作用を感じたときに最も重要なのは、自己判断で服用をやめたり、用量を変更したりしないことです。まずは処方してもらった医師に相談しましょう。

医師に相談する際は、いつから、どのような症状が、どの程度出ているかを具体的に伝えることが大切です。症状を記録しておくと、診察時にスムーズに説明できます。

オンライン診療対応クリニックなら来院なしで相談可能

薬の量を減らす（減薬）

副作用が出た場合、すぐに服用を中止するのではなく、薬の量を減らすことで症状が改善することがあります。これを「減薬」といいます。

例えば、フィナステリド1mgで副作用が出た場合、0.2mgに減量して様子を見るという選択肢があります。デュタステリドも同様に、0.5mgから0.1mgに減量することで、効果を維持しながら副作用を軽減できる可能性があります。

減薬は必ず医師の指示のもとで実施

別の治療薬に変更する

減薬しても副作用が改善しない場合や、特定の薬剤との相性が悪い場合は、別の治療薬に変更するという選択肢があります。

例えば、フィナステリドで性機能への影響が出た場合、ミノキシジル外用薬のみでの治療に切り替えることができます。また、ミノキシジル内服薬で動悸が出た場合は、外用薬に変更することで全身性の副作用を避けられます。

AGA治療には複数の選択肢があり、自分に合った方法を見つけられる

副作用を避けるために知っておきたいこと

AGA治療を安全に続けるためには、いくつかの注意点があります。ここでは、副作用のリスクを軽減するために知っておきたい情報をまとめました。治療を始める前に、これらのポイントを確認しておきましょう。

女性・妊婦は触れてはいけない薬がある

フィナステリドとデュタステリドは、女性、特に妊婦や妊娠の可能性がある女性は触れないでください。添付文書において、これらの薬剤は男子胎児の生殖器官の発達に影響を及ぼす可能性があると記載されています。

薬剤は皮膚からも吸収される可能性があります。そのため、錠剤に触れることも避ける必要があります。特に割れたり砕けたりした錠剤には触れないよう注意してください。

パートナーが治療中の場合は薬の保管場所に注意

出典:PMDA：プロペシア錠添付文書

服用中の献血は禁止

フィナステリドやデュタステリドを服用中の方は、献血をすることができません。薬剤が血液を介して妊婦に影響を与える可能性があるためです。

フィナステリドの場合は、服用中止後1ヶ月間は献血ができません。デュタステリドは体内に長く留まるため、服用中止後6ヶ月間は献血が禁止されています。

献血予定がある方はこの期間を考慮して治療計画を

過度な飲酒後の服用は避ける

AGA治療薬、特にフィナステリドやデュタステリドは肝臓で代謝されます。そのため、肝臓に負担がかかっている状態での服用は避けたほうが安全です。

大量の飲酒後は肝臓がアルコールの分解に追われており、薬の代謝に影響が出る可能性があります。過度な飲酒を避け、適量の飲酒を心がけることが大切です。

日常的に飲酒量が多い方は治療開始前に医師へ相談

個人輸入薬は偽造品のリスクがある

インターネット上では、海外からAGA治療薬を個人輸入できるサイトが多数存在します。しかし、個人輸入には大きなリスクが伴います。

厚生労働省は、個人輸入医薬品について「品質・安全性の公的確認がなく、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合がある」と注意喚起しています。偽造品や粗悪品が混入している可能性もあり、健康被害のリスクがあります。

価格が安くても個人輸入は危険。必ず医療機関で処方を

また、国民生活センターも「個人輸入は国内基準外で品質・安全性の担保なし」と警告しています。

出典:厚生労働省：医薬品等の個人輸入について

定期的な血液検査で早期発見

AGA治療を安全に続けるためには、定期的な血液検査を受けることが重要です。血液検査により、肝機能や腎機能の変化を早期に発見できます。

多くのAGAクリニックでは、治療開始前と定期的な診察時に血液検査を実施しています。検査の頻度はクリニックによって異なりますが、年に1〜2回程度が一般的です。

定期検査で異常を早期発見し、適切な対応が可能

副作用が心配な方におすすめのAGAクリニック5院

AGA治療を始めるなら、副作用への対応体制が整ったクリニックを選ぶことが大切です。ここでは、医師への相談がしやすく、安心して治療を続けられるクリニックをご紹介します。それぞれの特徴を比較して、自分に合ったクリニックを見つけてください。

DMMオンラインクリニック

DMMオンラインクリニックは、DMMが運営するAGA治療サービスです。オンライン診療に対応しており、全国どこからでも診察を受けられます。

24時間診療可能で、副作用が気になったときもすぐに相談できる体制が整っています。発毛ライトプラン（フィナステリド1mg+ミノキシジル5mg）は12か月プランでクーポン適用時、初回1ヶ月あたり1,861円〜と続けやすい価格設定です。

大手企業DMMが運営する安心感

クリニックフォア

クリニックフォアは、オンライン診療と対面診療の両方に対応しているクリニックです。主要都市に10院以上を展開しており、オンラインで始めて対面に切り替えることもできます。

予防プラン（フィナステリド）は12ヶ月まとめて定期にキャンペーン適用時、初回1ヶ月あたり1,049円〜から始められます。アプリで簡単に予約・相談ができるため、副作用が気になったときも気軽に医師に連絡できます。

土日祝も診療対応で忙しい方も通いやすい

AGAスキンクリニック

AGAスキンクリニックは、発毛実感率99.4%という実績を持つAGA専門クリニックです。全国60院以上を展開しており、通いやすさも魅力です。

全額返金保証制度があり、万が一効果に満足できなかった場合も安心です。予防プラン（フィナステリド1mg）は初回3,700円、2回目以降6,200円となっています。

血液検査やマイクロスコープ診断など充実の経過観察体制

Dクリニック

Dクリニックは、320万人以上の治療実績を持つ老舗のAGA専門クリニックです。主要都市に6院を展開し、皮膚科・形成外科の専門医が在籍しています。

頭髪未来予測システム「SAGAS」を導入しており、治療効果の予測や経過観察を科学的に行っています。予防プラン（フィナステリド国内正規薬）は月額4,400円です。

丁寧なカウンセリングと定期検査で安心

湘南AGAクリニック

湘南AGAクリニックは、全国140院以上を展開する大手美容クリニックグループのAGA専門院です。圧倒的な院数で、どこに住んでいても通いやすいのが最大の特徴です。

予防プラン（フィナステリド）は月額3,000円、発毛プラン（HRタブレットF+HRタブレットM）は3ヶ月まとめて25,500円（1ヶ月あたり8,500円）となっています。

投薬から植毛まで幅広い治療選択肢

まとめ

AGA治療薬の副作用について、フィナステリド・デュタステリド・ミノキシジルそれぞれの特徴と発生率、対処法を解説しました。

副作用の発生率は0.1〜5%程度であり、多くの方は問題なく治療を続けられています。また、万が一副作用が出た場合でも、減薬や薬の変更など、対処法はいくつもあります。

大切なのは、副作用を過度に恐れるのではなく、正しい知識を持って医師と相談しながら治療を進めることです。定期的な検査を受け、気になる症状があれば早めに相談することで、安全に治療を続けられます。

本記事の治療法の効果・副作用には個人差があります。まずは専門医にご相談ください。

この記事の監修者

原 征弘
株式会社ゼロメディカル 代表取締役

2005年設立の株式会社ゼロメディカルで、医療・介護・福祉領域における経営支援や医療情報メディア運営、WEBマーケティングを統括。医療機関や関連施設の課題解決を支えるとともに、Kenkotto／Diamell／デンタルマイクロスコープClinic などの自社メディアを通じて、正確で分かりやすい情報を届ける体制づくりに取り組んでいる。

本記事では、医療機関の経営支援と医療メディア運営で培った知見にもとづき、情報の客観性・表記の妥当性・最新性を確認しています（※個別の診断・治療方針の判断は医師が行います）。