皮膜毛とは?仕組みと原因・治し方を解説!

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皮膜毛とは?原因と治し方を専門家が解説

「最近、シャンプーしても髪がベタつく」「トリートメントしているのに髪がごわつく」こんな悩みを抱えていませんか?

その原因は「皮膜毛」かもしれません。

皮膜毛とは、シャンプーやトリートメントに含まれるシリコンやポリマーが髪に蓄積し、膜のように覆ってしまった状態のことです。

適切なヘアケア製品を使っているつもりでも、洗浄力とのバランスが合っていないと、知らず知らずのうちに皮膜が蓄積してしまいます。

皮膜毛は、炭酸シャンプーやプレシャンプーを使うことで改善が期待できます。重曹や食器用洗剤を使う方法もネット上で紹介されていますが、髪や頭皮へのダメージが大きいためおすすめしません。

この記事では、皮膜毛の仕組みから自宅でできる改善方法、予防のコツまで詳しく解説します。

※効果には個人差があります。頭皮トラブルが気になる場合は、皮膚科医にご相談ください。

この記事の要約
  • 皮膜毛はシリコンやポリマーが髪に蓄積した状態
  • 炭酸シャンプーやプレシャンプーで改善が期待できる
  • 週1回のディープクレンジングで予防に役立つ
  • 結論:皮膜毛は適切なケアで改善が期待できるので、無理な方法を試さず正しいアプローチで対処しましょう。
この記事の監修者
監修者 原 征弘の写真

原 征弘
株式会社ゼロメディカル 代表取締役

2005年設立の株式会社ゼロメディカルで、医療・介護・福祉領域における経営支援や医療情報メディア運営、WEBマーケティングを統括。医療機関や関連施設の課題解決を支えるとともに、Kenkotto/Diamell/デンタルマイクロスコープClinic などの自社メディアを通じて、正確で分かりやすい情報を届ける体制づくりに取り組んでいる。

本記事では、医療機関の経営支援と医療メディア運営で培った知見にもとづき、情報の客観性・表記の妥当性・最新性を確認しています(※個別の診断・治療方針の判断は医師が行います)。

目次

皮膜毛(ビルドアップ)とは?髪に起きていること

皮膜毛とは、ヘアケア製品に含まれる成分が髪の表面に蓄積し、膜状に覆ってしまった状態のことです。「ビルドアップ」とも呼ばれ、髪のベタつきやゴワつきの原因になります。まずは皮膜毛の仕組みを理解しましょう。

皮膜毛の仕組み|シリコンやポリマーが蓄積する理由

皮膜毛の主な原因は、シャンプーやトリートメント、スタイリング剤に含まれるシリコンやポリマーといったコーティング成分です。これらの成分は髪の表面をコーティングし、ツヤを出したり手触りを良くしたりする効果があります。

しかし、洗浄力の弱いシャンプーを使い続けると、これらの成分が十分に落としきれず、少しずつ髪に蓄積していきます。蓄積した成分は層状に重なり、やがて髪全体を覆う「膜」のような状態になるのです。

この膜が厚くなると、トリートメントの栄養成分が髪の内部に浸透しにくくなり、どんなにケアしても効果が感じられなくなってしまいます。

皮膜毛とビルドアップは同じ意味

「皮膜毛」と「ビルドアップ」は同じ現象を指す言葉です。皮膜毛は日本語での呼び方で、ビルドアップは英語の「build up(積み重なる)」から来ています。

美容室やヘアケア製品のパッケージでは「ビルドアップ除去」「ビルドアップケア」といった表現が使われることも多いですね。どちらも髪に成分が蓄積した状態を指しているので、同じものとして理解しておきましょう。

海外のヘアケア情報では「product build-up」という表現もよく見かけます。

皮膜毛かも?6つの症状でセルフチェック

皮膜毛になっているかどうか、自分では判断しにくいですよね。以下の6つの症状に当てはまるものがあれば、皮膜毛の可能性があります。複数当てはまる場合は、皮膜毛対策を検討してみてください。

シャンプーが泡立たない

皮膜毛の代表的な症状がシャンプーの泡立ちの悪さです。髪に蓄積した皮膜が油分のような働きをするため、シャンプーを使っても泡が立ちにくくなります。いつもより多くシャンプーを使わないと泡立たない場合は要注意です。

髪がベタついてテカる

髪を洗ったばかりなのにベタついて見える場合も皮膜毛のサインです。皮膜が光を反射するため、不自然なツヤやテカリが出てしまいます。特に根元付近がベタついて見える場合は皮膜の蓄積が進んでいる可能性があります。

髪が乾きにくい

ドライヤーで乾かしても髪がなかなか乾かない場合も皮膜毛の可能性があります。皮膜が髪を覆っているため、水分が蒸発しにくくなっています。以前より乾かす時間が長くなったと感じたら、皮膜の蓄積を疑ってみましょう。

スタイリングが決まらない

いつも使っているスタイリング剤なのに、髪がうまくまとまらない、スタイリングが長持ちしないという症状も皮膜毛によく見られます。皮膜がスタイリング剤の浸透や付着を妨げるため、思い通りのスタイルが作れなくなってしまいます。

パーマやカラーがムラになる

美容室でパーマやカラーをしたときにムラになりやすい場合も、皮膜毛が関係していることがあります。皮膜が薬剤の浸透を妨げるため、部分的にかかりにくくなったり、色の入り方にムラが出たりします。施術前に美容師さんに相談してみるのも良いでしょう。

頭皮がベタベタする

髪だけでなく頭皮もベタベタする場合は、シャンプーで皮脂汚れが落としきれていない可能性があります。皮膜が頭皮にも付着し、正常な皮脂分泌を妨げている状態です。

頭皮のベタつきはかゆみやフケの原因にも

頭皮のベタつきが続くとかゆみやフケの原因にもなるため、早めの対策が必要です。

皮膜毛になる原因|こんなヘアケアは要注意

皮膜毛は日常のヘアケア習慣が原因で起こります。どんな習慣が皮膜毛につながりやすいのか、具体的に見ていきましょう。原因を知ることで、予防にもつながります。

シリコン入りシャンプー・トリートメントの使いすぎ

シリコンは髪をコーティングしてツヤを出し、指通りを良くする効果があります。決して悪い成分ではありませんが、使いすぎると蓄積の原因になります。

特に「ジメチコン」「シクロメチコン」「アモジメチコン」といった成分は被膜性が高く、髪に残りやすい傾向があります。毎日シリコン入りのシャンプーとトリートメントを両方使っていると、皮膜が蓄積しやすくなります。

シリコン自体が悪いわけではなく、洗浄とのバランスが大切なんですね。

洗浄力の弱いシャンプーとケア製品のアンバランス

アミノ酸系シャンプーなど洗浄力がマイルドなシャンプーは、髪や頭皮に優しい反面、しっかりコーティングするタイプのトリートメントやスタイリング剤を落としきれないことがあります。

洗浄力とコーティング力のバランスが合っていないと皮膜が蓄積していきます。使っている製品の洗浄力とコーティング力のバランスを見直してみることが大切です。

硬水による皮膜の蓄積

意外と知られていないのが、水質による影響です。硬水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分は、髪に付着して蓄積することがあります。

日本の水道水は軟水が多いですが、地域によっては硬度が高い場所もあります。また、海外旅行先で髪がゴワついた経験がある方は、硬水の影響を受けていた可能性があります。シャワーヘッドに軟水器を取り付けることで対策できます。

皮膜毛の治し方4選|自宅でできる改善方法

皮膜毛は適切なケアで改善が期待できます。自宅で手軽にできる方法から、美容室でのプロのケアまで、効果的な改善方法をご紹介します。なお、効果には個人差がありますので、ご自身の髪質に合った方法を見つけてください。

炭酸シャンプーで皮膜を落とす

炭酸シャンプーは、炭酸ガスの泡が毛穴や髪の汚れを浮かせて落とす効果が期待できます。細かい泡が皮膜の隙間に入り込み、通常のシャンプーでは落としきれない蓄積した汚れを除去してくれます。

週に1〜2回の使用がおすすめ

毎日使うと洗浄力が強すぎて髪や頭皮が乾燥してしまうことがあるので、使用頻度には注意しましょう。

炭酸シャンプーはドラッグストアやネット通販で購入できます。炭酸濃度が高いもの(4,000ppm以上)を選ぶと効果が実感しやすいと言われています。

プレシャンプー(カウンセリングシャンプー)を使う

プレシャンプーは、通常のシャンプーの前に使う洗浄専用のシャンプーです。「カウンセリングシャンプー」とも呼ばれ、美容室でもカラーやパーマの前処理として使われています。

シリコンや油分をしっかり落とす洗浄成分が配合されており、蓄積した皮膜を効果的に除去することが期待できます。使い方は簡単で、まずプレシャンプーで髪を洗い、その後に通常のシャンプー・トリートメントを行うだけです。

週に1回程度の使用で、皮膜の蓄積を防ぎながら髪の状態をリセットできます。

洗浄力の強いシャンプーで一度リセット

皮膜の蓄積がひどい場合は、洗浄力の強いシャンプーで一度しっかり洗い落とす方法もあります。高級アルコール系シャンプーや石けんシャンプーは洗浄力が強く、皮膜を落とすのに効果的と言われています。

洗浄力が強いシャンプーの継続使用は髪のパサつきの原因に

皮膜をリセットする目的で1〜2回使用し、その後は洗浄力のバランスが取れたシャンプーに戻すのがポイントです。

リセット後は皮膜が除去された状態になるため、トリートメントの効果も感じやすくなります。

美容室の炭酸スパでしっかりケア

自宅でのケアで改善しない場合や、しっかり皮膜を落としたい場合は、美容室の炭酸スパがおすすめです。プロが使用する高濃度の炭酸と専用の機器で、頑固な皮膜の除去が期待できます。

炭酸スパは頭皮の血行促進効果も期待できるため、髪のハリやコシの改善にもつながる可能性があります。料金は3,000円〜5,000円程度の美容室が多いですね。

パーマやカラーの前に炭酸スパをすると、薬剤の浸透が良くなり、仕上がりがきれいになるメリットもあります。

重曹や食器用洗剤で皮膜毛は改善できる?

ネット上では、重曹や食器用洗剤で皮膜毛を落とす方法が紹介されていることがあります。洗浄力は高いと言われていますが、髪や頭皮へのリスクも考える必要があります。

重曹シャンプーのメリットとデメリット

重曹(炭酸水素ナトリウム)をシャンプーに混ぜて使う方法があります。重曹はアルカリ性で、酸性の皮脂汚れや皮膜を落とす効果があるとされています。

しかし、重曹はpH8〜9程度のアルカリ性で、髪のキューティクルを開いてしまいます。

キューティクルが開くと髪内部のタンパク質や水分が流出

どうしても試したい場合は、ごく少量を1回だけ使用し、その後は酸性のリンスやトリートメントでキューティクルを閉じるケアが必須です。継続的な使用は髪のダメージにつながるためおすすめしません。

食器用洗剤はおすすめしない理由

食器用洗剤は油汚れを落とす力が非常に強く、皮膜も落とせるという情報がありますが、髪や頭皮に使用することはおすすめしません。

食器用洗剤は髪や頭皮に使うことを想定して作られておらず、必要な油分まですべて落としてしまいます。

頭皮のバリア機能低下で乾燥・かゆみ・炎症のリスク

また、髪のキューティクルにもダメージを与え、パサつきや切れ毛の原因になります。皮膜毛を改善するために髪を傷めてしまっては本末転倒です。髪専用に開発された製品を使いましょう。

皮膜毛を予防する日常ケアのコツ

皮膜毛は一度改善しても、同じヘアケアを続けていると再び蓄積してしまいます。日常のケアを見直して、皮膜毛を予防しましょう。

シャンプーとトリートメントのバランスを見直す

皮膜毛を防ぐには、洗浄力とコーティング力のバランスが大切です。以下のポイントを参考にしてみてください。

皮膜毛予防の4つのポイント
  • しっかりコーティングするトリートメントを使うなら、洗浄力のあるシャンプーを選ぶ
  • マイルドなシャンプーを使うなら、軽めのトリートメントを選ぶ
  • シリコン入りの製品はシャンプーかトリートメントのどちらかに絞る
  • ヘアオイルやスタイリング剤を毎日使う場合は、週に1回は洗浄力の高いシャンプーを使う

自分の髪質や使っている製品に合わせて、バランスを調整していくことが予防のポイントです。

週1回のディープクレンジングを習慣に

週に1回のディープクレンジングで皮膜の蓄積を防ぐのが効果的です。炭酸シャンプーやプレシャンプーを使って、蓄積し始めた皮膜を定期的にリセットしましょう。

ディープクレンジングの後は髪が素の状態に近くなるため、トリートメントの効果も実感しやすくなります。週末のスペシャルケアとして取り入れてみてください。

また、使っている製品を定期的に見直すことも大切です。髪の状態は季節や年齢によっても変化するので、同じ製品を使い続けるのではなく、髪の状態に合わせて調整していきましょう。

まとめ

皮膜毛は、シリコンやポリマーなどのコーティング成分が髪に蓄積することで起こります。シャンプーが泡立たない、髪がベタつく、乾きにくいといった症状が出たら、皮膜毛を疑ってみましょう。

改善方法としては、炭酸シャンプーやプレシャンプーの使用が効果的と言われています。週に1〜2回使うことで、蓄積した皮膜を落とすことが期待できます。美容室の炭酸スパもおすすめです。

重曹や食器用洗剤を使う方法はネット上で見かけますが、髪や頭皮へのダメージが大きいためおすすめしません。髪専用に開発された製品を使って、安全にケアしましょう。

皮膜毛は一度改善しても、同じケアを続けていると再発します。シャンプーとトリートメントのバランスを見直し、週1回のディープクレンジングを習慣にすることで予防できます。

頭皮にかゆみや炎症がある場合は皮膚科を受診

適切なケアを続けて、健康的な髪を取り戻しましょう。

※本記事の内容は一般的な情報提供を目的としており、効果には個人差があります。頭皮や髪に異常を感じた場合は、皮膚科医や専門家にご相談ください。

この記事の監修者
監修者 原 征弘の写真

原 征弘
株式会社ゼロメディカル 代表取締役

2005年設立の株式会社ゼロメディカルで、医療・介護・福祉領域における経営支援や医療情報メディア運営、WEBマーケティングを統括。医療機関や関連施設の課題解決を支えるとともに、Kenkotto/Diamell/デンタルマイクロスコープClinic などの自社メディアを通じて、正確で分かりやすい情報を届ける体制づくりに取り組んでいる。

本記事では、医療機関の経営支援と医療メディア運営で培った知見にもとづき、情報の客観性・表記の妥当性・最新性を確認しています(※個別の診断・治療方針の判断は医師が行います)。

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