AGA治療を続けているけれど、「いつまで飲み続けるんだろう」「やめたらどうなるのかな」と不安を感じていませんか。
治療費の負担や副作用への心配から、治療の継続に迷う方は少なくありません。
結論からお伝えすると、AGA治療をやめると髪は再び薄くなる可能性が高いです。
AGAは進行性の脱毛症であり、治療薬は症状を抑えているだけで根本的に「治す」ものではないからです。
ただし、やめどきの判断基準を知っておくことで、ご自身にとって最適な選択ができるようになります。
この記事では、AGA治療をやめた場合に起こること、やめどきの判断基準7つ、段階的な減薬の方法、そして治療を再開した場合の効果について詳しく解説します。
- AGA治療をやめると数ヶ月〜1年で薄毛が再び進行する
- やめどきの判断基準は7パターンあり、自分の状況に照らし合わせて検討できる
- いきなりやめるより段階的に減薬する方法がある
- 結論:治療の継続・中止は個人の状況により異なるため、必ず医師に相談して判断しましょう。

2005年設立の株式会社ゼロメディカルで、医療・介護・福祉領域における経営支援や医療情報メディア運営、WEBマーケティングを統括。医療機関や関連施設の課題解決を支えるとともに、Kenkotto/Diamell/デンタルマイクロスコープClinic などの自社メディアを通じて、正確で分かりやすい情報を届ける体制づくりに取り組んでいる。
本記事では、医療機関の経営支援と医療メディア運営で培った知見にもとづき、情報の客観性・表記の妥当性・最新性を確認しています(※個別の診断・治療方針の判断は医師が行います)。
AGA治療をやめると髪はどうなる?結論から解説
AGA治療の中止を検討する際、最も気になるのは「やめたら髪がどうなるのか」という点ではないでしょうか。ここでは、治療を中断した場合に起こりうる変化について、医学的な観点から解説します。
治療をやめると再び薄毛が進行する
AGA治療をやめると、数ヶ月から1年程度で薄毛が再び進行し始めます。
これは治療薬がAGAの原因であるDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑えているだけで、薄毛の根本原因を取り除いているわけではないためです。
日本皮膚科学会のガイドライン(2017年版)でも、AGA治療薬は継続使用が前提とされており、中止後の再発については注意が促されています。治療で得られた発毛効果は、薬の服用を続けている間だけ維持されるものと考えておく必要があります。
効果が消えるまでの期間は個人差がある
薄毛再進行までの期間は人によって大きく異なります。
数週間で抜け毛が増える方もいれば、半年以上現状を維持できる方もいます。この差は、AGAの進行度合い、年齢、遺伝的な要因、治療を続けていた期間などによって生まれます。
一般的には、治療期間が長かった方ほど効果が持続しやすい傾向がありますが、これも確実なものではありません。いずれにしても、完全に治療前の状態に戻るのではなく、治療開始前の進行ペースに戻ると考えるのが妥当です。
副作用は治療をやめれば改善する
フィナステリドやデュタステリドの副作用として報告されている性欲減退や勃起不全などは、服用を中止すれば多くの場合改善します。副作用が気になって治療の継続を迷っている方にとって、これは重要なポイントです。
すぐに改善する方もいれば、数ヶ月かかる方もいます。副作用が出ている状態で急に中止するのではなく、医師と相談しながら減薬や薬の変更を検討することをおすすめします。
AGAが根本的に改善しない理由|治療を続ける必要性とは
「なぜAGAは治療をやめられないのか」という疑問を持つ方は多いでしょう。ここでは、AGAの医学的なメカニズムを解説し、継続治療が必要な理由を説明します。
AGAは進行性の脱毛症
AGAは「Androgenetic Alopecia」の略で、男性ホルモンと遺伝が関係する脱毛症です。最大の特徴は「進行性」であること。つまり、何もしなければ時間とともに薄毛が進んでいきます。
日本人男性の約30%がAGAを発症するとされており、20代後半から症状が現れ始める方も珍しくありません。AGAは風邪のように「治って終わり」という病気ではなく、生涯にわたってコントロールしていく必要がある症状なのです。
DHT(男性ホルモン)が薄毛を引き起こす仕組み
AGAの直接的な原因はDHT(ジヒドロテストステロン)です。
テストステロンが5α還元酵素という酵素によってDHTに変換され、このDHTが毛乳頭細胞に作用することでヘアサイクルが乱れます。
通常、髪の毛は2〜6年かけて成長しますが、DHTの影響を受けると成長期が数ヶ月〜1年程度に短縮されてしまいます。その結果、髪が十分に太く長く成長する前に抜け落ち、徐々に薄毛が目立つようになるのです。
遺伝的にAGAになりやすい体質は変わらないため、治療を中止すればDHTの影響を再び受けることになります。
治療薬は症状を抑えているだけ
フィナステリドやデュタステリドは、5α還元酵素の働きを阻害してDHTの生成を抑える薬です。薄毛の原因を取り除いているのではなく、原因物質の生成を「ブロック」しているだけなんですね。
薬を飲んでいる間はDHTの生成が抑えられ、ヘアサイクルが正常化に向かいます。しかし、服用をやめればDHTは再び生成され始め、薄毛の進行が再開します。これが「AGA治療は一生続ける必要がある」と言われる理由です。
AGA治療のやめどきはいつ?7つの判断基準
「一生続ける必要がある」とはいえ、さまざまな事情で治療の中止を検討するタイミングはあります。ここでは、治療をやめる判断基準として考えられる7つのパターンを紹介します。
満足できる発毛効果を得られたとき
治療を始めて1〜2年が経ち、「この髪の状態なら満足」と思えるレベルに達したとき、維持療法への切り替えや減薬を検討するタイミングかもしれません。ただし、完全に中止するのではなく、薬の量を減らして現状維持を目指す方法が一般的です。
満足できる状態を維持するためには、完全な中止ではなく「攻めの治療から守りの治療へ」という切り替えを医師と相談することをおすすめします。
12か月以上続けても効果が出ないとき
AGA治療薬は効果が現れるまでに3〜6ヶ月かかるとされています。そのため、少なくとも6ヶ月は継続して様子を見る必要があります。しかし、12ヶ月以上続けても改善が見られない場合は、現在の治療法が合っていない可能性があります。
この場合、単に「やめる」のではなく、別の治療薬への変更や治療法の見直しを医師と相談しましょう。フィナステリドからデュタステリドへの変更、ミノキシジルの追加など、選択肢はあります。
副作用が気になり始めたとき
副作用として性欲減退(約1.1%)、勃起不全(約0.7%)などが報告されています。
これらの副作用が日常生活に支障をきたすレベルであれば、治療の継続について医師と相談すべきタイミングです。
副作用が気になる場合でも、減薬や別の薬への変更など、副作用を軽減しながら治療を続ける方法を探ることが大切です。
肝臓の数値に異常が出たとき
AGA治療薬は肝臓で代謝されるため、まれに肝機能に影響を与えることがあります。定期的な血液検査で肝機能の数値に異常が見られた場合は、治療の一時中断や変更が必要になることがあります。
定期的な血液検査を受けることで早期発見が可能です。異常が出た場合は自己判断で中止せず、必ず医師の指示に従ってください。
子作りを考えているとき
フィナステリドやデュタステリドは、男性の精液を介して胎児に影響を与える可能性が指摘されています。
子作りを計画している場合は、事前に休薬を検討する必要があります。
フィナステリドは約1ヶ月、デュタステリドは約6ヶ月の休薬が目安とされています。具体的な休薬期間は必ず医師に確認してください。
治療費の負担が大きくなったとき
長期にわたる治療費の負担が家計を圧迫している場合、治療の継続方法を見直すタイミングかもしれません。
この場合、完全に中止するのではなく、より安価なジェネリック医薬品への変更や、オンライン診療を利用した費用削減、維持療法への切り替えなど、コストを抑えながら治療を続ける方法を検討しましょう。
年齢相応の外見を受け入れたとき
60代、70代になり、「薄毛も含めて今の自分でいい」と思えるようになったとき、治療を終了するという選択も尊重されるべきです。
AGAの治療は、あくまで「髪を維持・回復したい」という本人の希望があってこそ意味があるものです。
年齢を重ねるにつれて薄毛が気にならなくなる方も多くいます。無理に治療を続ける必要はなく、ご自身の価値観に基づいて判断することが大切です。
いきなりやめるのは危険?段階的な減薬の進め方
治療の中止を決めた場合でも、いきなり完全にやめるのではなく、段階的に減らしていく方法があります。ここでは、減薬の進め方について解説します。
急にやめると急激に抜け毛が増えることも
AGA治療薬を急に中止すると、一時的に抜け毛が増えることがあります。
体内のホルモンバランスが急激に変化することで起こる現象で、「リバウンド」とも呼ばれます。特に長期間治療を続けていた方に起こりやすい傾向があります。
急激な変化を避けるためにも、医師の指導のもとで段階的に減薬していくことをおすすめします。
減薬のステップ例(用量を減らす→頻度を減らす)
段階的な減薬の一般的なステップを紹介します。これはあくまで参考例であり、実際の減薬プランは必ず医師と相談して決めてください。
ステップ1:用量を減らす
フィナステリド1mgを服用している場合、0.5mgや0.25mgに減量します。デュタステリド0.5mgの場合は0.1mgへの減量を検討します。
ステップ2:服用頻度を減らす
毎日服用から1日おき、さらに週3回、週2回と段階的に頻度を減らしていきます。各段階で1〜2ヶ月程度様子を見ながら進めます。
ステップ3:経過観察
減薬中は抜け毛の状態や髪の変化を注意深く観察します。急激な悪化が見られた場合は、前の段階に戻すことも検討します。
維持療法への切り替えという選択肢
完全に治療をやめるのではなく、「維持療法」に切り替えるという選択肢もあります。これは、発毛を目指す「攻めの治療」から、現状維持を目指す「守りの治療」への移行です。
具体的には、ミノキシジルを中止してフィナステリドのみ継続する、フィナステリドの用量を減らす、服用頻度を減らすなどの方法があります。維持療法であれば、費用も副作用リスクも軽減しながら、ある程度の髪の状態を保つことが期待できます。
一時休薬はどれくらいまで大丈夫?休薬期間の目安
子作りや手術前など、一時的に薬を休む必要がある場合もあります。ここでは、薬剤別の休薬期間の目安を解説します。
フィナステリドの休薬期間の目安
フィナステリドの血中半減期は約6〜8時間と比較的短いため、服用を中止してから約1週間程度で体内からほぼ消失します。ただし、子作りを目的とした休薬の場合は、安全性を考慮して1ヶ月程度の休薬期間を設けることが一般的です。
1〜2週間程度の短期間であれば、髪への影響は最小限に抑えられることが多いですが、1ヶ月を超える休薬では薄毛の進行が始まる可能性があります。
デュタステリドは長めの休薬が必要
デュタステリドは半減期が約3〜5週間と非常に長いです。
体内から完全に消失するまでには数ヶ月かかります。子作りを目的とした休薬の場合、6ヶ月程度の休薬期間が推奨されることが多いです。
このように、デュタステリドはフィナステリドと比べて休薬期間が長くなるため、将来的に子作りを考えている方は、あらかじめ医師に相談しておくことをおすすめします。
| 薬剤名 | 半減期 | 子作り時の休薬目安 |
|---|---|---|
| フィナステリド | 約6〜8時間 | 約1ヶ月 |
| デュタステリド | 約3〜5週間 | 約6ヶ月 |
子作り中の休薬についての注意点
妊婦が触れることも避けるべきとされています。
フィナステリドやデュタステリドは皮膚からも吸収される可能性があり、胎児に影響を与えるリスクがあるためです。
子作りを計画している場合は、パートナーとも情報を共有し、薬の管理にも注意を払いましょう。また、休薬中の薄毛進行が気になる場合は、ミノキシジル外用薬など、妊娠への影響が少ないとされる治療法で代替することを医師と相談してみてください。
治療を再開したら効果は戻る?再開時のポイント
一度治療を中断しても、再開すれば効果は期待できるのでしょうか。ここでは、治療再開時の注意点について解説します。
再開すれば効果は期待できる
治療を一時的に中断しても、再開すれば再び効果を得られる可能性は十分にあります。AGAの治療メカニズムは変わらないため、DHT抑制薬を再び服用すればヘアサイクルの正常化が期待できます。
中断中に進行した薄毛がすべて元に戻るわけではありません。特に、毛根が完全に死滅してしまった部分については、内服薬での回復は難しくなります。
中断期間が長いほど回復に時間がかかる
中断期間が数週間〜1ヶ月程度であれば、再開後の回復も比較的スムーズです。しかし、半年以上の長期中断の場合、元の状態に戻るまでに時間がかかることがあります。
また、中断期間が長いほど、再開後に初期脱毛(一時的な抜け毛の増加)が起こる可能性も高くなります。これは治療が効き始めているサインでもあるため、焦らず継続することが大切です。
再開時は医師に中断期間を伝えよう
必ず医師に中断していた期間とその理由を伝えてください。
中断期間や現在の髪の状態によって、最適な治療プランが変わってくる場合があります。
以前と同じ治療法で再開するケースもあれば、より効果の高い治療法への変更を提案されるケースもあります。正直に状況を伝えることで、あなたに合った治療プランを立ててもらえます。
よくある質問(Q&A)
AGA治療の中止に関して、よく寄せられる質問にお答えします。
AGA治療は一生続けないといけない?
AGAは進行性の脱毛症であり、治療薬は症状を抑えているだけなので、髪の状態を維持したいのであれば基本的に継続が必要です。ただし、年齢を重ねて薄毛が気にならなくなった場合や、維持療法に切り替えて負担を減らすなど、状況に応じた選択肢はあります。
治療をやめたら元より薄くなる?
治療をやめても「治療開始前より薄くなる」わけではありません。治療をやめると、治療開始前と同じペースで薄毛が進行し始めます。つまり、治療をしていなかった場合に到達していたであろう状態に近づいていくということです。
自毛植毛なら治療をやめられる?
自毛植毛は、AGAの影響を受けにくい後頭部の毛髪を薄毛部分に移植する手術です。移植した毛髪はAGAの影響を受けにくいため、その部分は半永久的に維持できます。しかし、移植していない部分のAGAは進行するため、完全に治療をやめられるわけではありません。植毛後も内服薬の継続が推奨されることが多いです。
初期脱毛が起きてもやめない方がいい?
治療開始後1〜2ヶ月で起こる初期脱毛は、治療が効き始めているサインです。古い毛髪が抜け、新しい毛髪の成長が始まる過程で起こる一時的な現象なので、この時期にやめてしまうのはもったいないです。初期脱毛は通常1〜2ヶ月で落ち着くため、焦らず継続することをおすすめします。
まとめ
AGA治療をやめると、多くの場合、数ヶ月から1年程度で薄毛が再び進行し始めます。
これはAGAが進行性の脱毛症であり、治療薬は症状を抑えているだけで根本的に「治す」ものではないためです。
ただし、治療の継続・中止は一概に「続けるべき」「やめるべき」と言えるものではありません。満足できる効果を得られた方、副作用が気になる方、子作りを考えている方、治療費の負担が大きい方など、やめどきを検討するタイミングは人それぞれです。
治療を中止する場合でも、いきなりやめるのではなく、段階的な減薬や維持療法への切り替えなど、急激な変化を避ける方法があります。また、一度やめても再開すれば効果は期待できるため、「やめたら終わり」というわけではありません。
本記事でご紹介した治療法の効果には個人差があります。治療の継続や中止について迷っている方は、自己判断で急にやめるのではなく、まずは担当医師に相談してください。ご自身の状況に合った最適な選択ができるよう、専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。

2005年設立の株式会社ゼロメディカルで、医療・介護・福祉領域における経営支援や医療情報メディア運営、WEBマーケティングを統括。医療機関や関連施設の課題解決を支えるとともに、Kenkotto/Diamell/デンタルマイクロスコープClinic などの自社メディアを通じて、正確で分かりやすい情報を届ける体制づくりに取り組んでいる。
本記事では、医療機関の経営支援と医療メディア運営で培った知見にもとづき、情報の客観性・表記の妥当性・最新性を確認しています(※個別の診断・治療方針の判断は医師が行います)。









