音の鳴らない歯ぎしりに注意・・・!
こんにちは。
豊春駅前の歯科医院、のもとデンタルクリニックです。
皆さん、「歯ぎしり」というと、どのようなものをイメージされますでしょうか?
「ギリギリ、ギシギシ」と大きな音を立てて歯を軋る癖。
家族や一緒に寝ている同居人に迷惑が掛かてしまう癖。
多くの方はそのようなイメージをお持ちなのではと思います。
睡眠中に無意識におこなわれる習癖であることから自覚しにくく、
ご家族や同居人に指摘されてご相談にいらっしゃる患者さまが多いのが特徴です。
しかしながら、歯ぎしりの中には、「音のならないタイプ」のものもあり、
ご自身もちろんのこと、周りの人にも気づいてもらえない場合もあります。
中には、
「音がしないのであれば周りに迷惑かけないし、放っておいても大丈夫なのでは?」
と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、
歯ぎしりのデメリットは周囲に迷惑をかけるという事だけではありません。
ご自身の顎の周りの筋肉に、起きているときにはないような異常な力が加わることにより、
このため歯が極端に磨耗したり、歯を支えている歯槽骨が壊れて歯周病の原因になったり、
顎の関節が痛んだり、首の周りの筋肉が凝ったりと不快な症状がでることも多いのです。
本日は、さまざまタイプの歯ぎしりとその対策についてご紹介させていただきます。
歯ぎしりの3つのタイプ
一言で「歯ぎしり」と言っても、その歯の合わせ方によって、主に下記の3種類に分けられます。
グラインディング
グラインディングとは、 上下の歯を強く噛んだ状態で横に滑らせこすり合わせるタイプの歯ぎしりです。
一般的に「歯ぎしり」というと、このタイプを想像される方が多いのではないでしょうか?
多くの場合はギシギシギリギリと音がしますので、
比較的周りの人に気が付いてもらいやすい症状と言えるでしょう。
お口の中を拝見すると、歯の「すり減り」が激しいのが特徴で、
進行すると歯の表面の硬くて白いエナメル質が削れてしまい、
中の黄色い象牙質の部分が見えてしまうほどの人もいます。
また、歯は上下の力に対しては比較的強いのですが、横に揺さぶられるには弱いため、
歯槽骨へのダメージも大きくなってしまいます。
クレンチング
クレンチングとは、 上下の歯をギューッと強い力で噛みこむタイプの歯ぎしりで、
いわゆる「食いしばり」と表現されることもあります。
音が出ないのが特徴のため、周りの人も本人も、気が付きにくいタイプと言えるでしょう。
クレンチングをしている人は、頬の筋肉に力が入るため堅く膨らんで見えたり、
お口の中に骨隆起と呼ばれる、骨が膨らんでできたコブのようなものがあったりします。
また、歯が割れやすいという方も、このクレンチングタイプの方に多く見られます。
タッピング
タッピングとは、上下の歯をぶつけ合って、カチカチと噛み合わせるタイプの歯ぎしりです。
タッピングは、歯ぎしりのタイプとしては比較的珍しく、
歯や顎へのダメージも、グランディングやクレンチングと比べれば、それほど大きくはありません。
寝ていいるときも、起きている時も起こりますが、カチカチと音が鳴りますので、
自覚しやすいタイプと言えるでしょう。
周りへの迷惑だけではない。歯ぎしりがもたらす悪影響
歯ぎしりの弊害は、一緒に寝てる人に迷惑をかけるという事だけではありません。
ご自身の歯や顎、顔貌にも大きな影響を及ぼしてしまいます。
歯が摩耗してしまう(すり減り)
歯と歯を必要以上の力で摺り合わせることによって歯がどんどん削られてしまい、短くなってしまいます。
また、歯の咬み合わせの面(咬合面)が削れることで
正しい噛み合せの位置も分からなくなってしまうこともあります。
歯周病が悪化する
歯ぎしりによる強い力で歯が揺さぶられることで、それを支える顎骨が徐々に溶かされ始めてしまいます。
そして歯と歯茎の隙間が広がるとそこに細菌が入り込みやすくなりますので、
歯周病が悪化してしまう原因になります。
顎関節症になる
歯ぎしりによって顎周辺の筋肉が過度に緊張している状態が続くと、
咀嚼筋や靭帯など顎口腔に大きな負担がかかり、顎関節症を引き起こす原因となります。
また、歯のすり減りによって噛み合わせが崩れてしまう事も、
顎関節症を発症させる原因となります。
お口元のしわが増える
歯ぎしりによって歯が擦り減ってしまうと、その分噛み合わせが低くなってしまいます。
噛み合わせが低くなると、口角が下がり、お口元のシワが目立つようになり
頬が全体的にたるんだように見えてしまうため、老けて見えるようになってしまいます。
「歯ぎしり」を改善するには
歯ぎしりの治療法としては、就寝時にマウスピースを装着して歯を守る方法がとられることが一般的です。
当院では、通常行われているマウスピースによる治療に加え、ボトックスによる治療も行っております。
ボトックス治療
今までの歯科医療では、歯ぎしりの治療法としてはナイトガードによる歯の保護が主な治療法として定着していましたが、「嘔吐反射が強くてマウスピースが使えない」ような場合は、それ以上打つ手がないような状態でした。
しかし、最近では医療分野でも使用されている「ボトックス治療」が
歯科における歯ぎしり・食いしばりの治療に有効であるとして注目され始めています。
具体的には、歯ぎしりや食いしばりの癖のある方は、咬筋(ものを噛むときに使う筋肉)が
過度に緊張してしまっているため、その部分にボツリヌス菌を注入することで筋肉の緊張をほぐし、
無意識のうちに過度に力んでしまうことを防ぐという方法です。
ボトックス治療には残念ながら保険適用外のため、自費治療となりますが、
副作用もなく即効性があるため、マウスピースができない方や症状が強い方にはおススメの治療法です。
ボトックス治療は当院の院長、野本恵子が行います。
当院の院長、野本恵子は、審美歯科の分野、特にヒアルロン酸やボトックスを活用したお口元の審美回復において多数の実績と経験を積んでおり、メーカー主催歯科医師向けセミナーの講師としても活躍をしております。
ボトックス治療は、お顔の筋肉の動きをコントローする治療。打つ薬の量や場所、濃度を誤ってしまうと、笑い方が不自然になってしまうこともありますので、治療を受ける際は是非ドクターの治療実績もしっかりと調べた上で受診されることをおススメします。