直撃インタビュー|肩こりからくる頭痛治療はボトックス注射の洗足整形形成外科

直撃インタビュー

<肩こり,治療>

洗足整形・形成外科に一歩足を踏み入れると、そこには昔ながらの整形外科のイメージとは大きく異なる、サロンのような空間が広がる。 整形外科、形成、美容皮膚科を併設。
最新の医療機器の導入はもちろん、PT、鍼灸マッサージ師、柔道整復師といった人材を揃え、ハイレベルかつ幅広い治療を可能としている。2010年からは、ボトックスによる肩こりの治療を開始。
日本ではまだ珍しい治療法だけに、注目度も高い。

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先生のプロフィールを教えてください。

信州大学医学部を卒業後、慶應大学医学部整形外科を経て、ここ洗足に開業しました。

整形外科医を目指したきっかけは。

子どもの頃から手先が器用で、楽器も得意でした。
バイオリンを習っていて、実は音大にも合格していたんです。 でも、医者のほうが向いているかなと思い、医学部に進学しました。 整形外科を選んだのは、「作る部分が多い」科だったからです。外科って基本的には患部を取ってしまう仕事がメインですが、整形は違う。骨折も、つないでこちらからもってきて、という治療でしょう。そこが大きな魅力でしたね。

大学卒業後は、慶應の形成外科に入局されて。

慶應って「実学」の学校なんです。学問としての医学を実際の現場の治療に当てはめて考えるスピリットを持っているのです。どのような状態でも、なんとか治す方法を考えて実践する。
このような環境で経験を積んだことが、今の自分の仕事にもいい影響を与えてくれていると思います。

いい影響が活かされている部分とは?

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整形外科の分野、例えば肩こりや腰痛って、「治らない」という考えが何となくありますよね。肩が痛い、腰が痛いといっても、マッサージして、湿布して、薬を処方する程度。治らないのは年のせい、慢性化しているせいだから仕方ない、と。
僕はこのスタンスが嫌いだった。
だって、どうにかして治そうとするのが医者の仕事でしょう。その点、慶應の整形は実学だから、とにかくいろいろな方法を考えて治そうとするんです。

ですから開業にあたっても、「治すこと」を大切に考えるクリニックにしたいと思いました。
具体的には、さまざまなオプション、つまり治療法を用意して、治す選択肢を広げる。患者様が治療方法を選択でき、僕も医者の立場でひとりひとりに合ったアドバイスをしながら治していく、そんなイメージです。
基本的に僕は、患者様が何によって治ってもいいと思っているんです。マッサージ、鍼灸、機械、薬、注射、何でもいい。ボトックスで肩こりを治療するというのも、そのうちのひとつなのです。

ボトックスで肩こりを治療するというのは、どのようなメカニズムなのですか。

肩こりは、姿勢や緊張などで筋肉が勝手に収縮し、肩の一部分に「こり玉」のようなものができてしまう症状です。
マッサージなどで、こり玉をほぐすと楽になりますが、そのうちまたこり玉ができてしまう。そこに、筋肉の動きを制御する作用や、痛みを感じる物質を抑える作用を持つボトックスを注射して肩こりを治す、というのがボトックスによる肩こり治療のしくみです。
こり玉がある部分にピンポイントで注射して、筋肉の動きを制御してしまうので、こり玉そのものができなくなる。本当に驚くべき効果があります。注射から10日ほどで効いてきて、効果は4~5カ月持続します。

効果が薄れてきたら、繰り返し治療が必要になるのでしょうか。

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五かけの法則というのがあって、5回くらい打つと、打たなくてもよくなると言われています。筋肉は、使わないと衰えていきますので、2年くらい治療を続けると筋肉自体があまり収縮しなくなり、結果的に肩こりを感じなくなる。
寝たきりの人が立てなくなるのと同じ理屈ですね。
とはいっても、動かなくなる筋肉はこり玉の部分のみですから、体への悪影響はありません。
ですから、どのような職業の方でも問題なく治療ができます。 肩こりって、肩全体がこっているというイメージを持つ方がほとんどだと思いますが、本当にこっているのはほんの一部。そこをピンポイントで治療できることが、ボトックスのメリットでもあるのです。

こり玉の見極めが治療のカギとなるのですね。

そうですね。整形外科医だからこそ、適切な診断が可能で、神経も血管も傷つけることなくピンポイントで注射を打つことができます。また、同時に僕は美容外科医でもありますから、ボトックスはしわ取りなどで頻繁に使用しています。つまり、ボトックスの効果と副作用をよく理解していて、どこにどう打てば最大の効果が得られるのかを熟知していることが当クリニックの強さになっています。

この治療を始められて約1年とのことですが、反応はいかがでしょう。

クリニックのホームページに掲載してからは、「ボトックスで肩こりを治してほしい」と来院される患者様が増えました。当院では、マッサージや鍼灸もできるし、さまざまな機器を用いた治療メニューがありますので、ボトックスだけを推奨しているわけではないのですが、「何を試しても効かなかったからボトックスを」という方はとても多い。
確かにボトックスはとても効きますから、患者様からは非常に反応が良いです。

副作用の心配をされる患者様に対しては、どのような説明をされていますか。

ボトックスは、ボツリヌス菌から抽出されたタンパク質の一種。ボツリヌス菌は、強い食中毒を引き起こす菌として知られていますが、使用するものはもちろん完全に無毒化されており、安全性も確立されています。
シワの治療など、すでに幅広く使用されているものなので、副作用の心配はまずありません。
実際、当院にいらっしゃる方で、副作用が出る方はほとんどいません。

肩こり治療に関しては、日本ではあまり知られていない治療法ですが、今後は広がっていきそうですか。

アメリカではかなりメジャーな治療法なのですが、日本ではまだまだ知名度が低いです。
とはいえ効果は高いので、知名度さえアップすれば、やりたいという方は増えるのではないでしょうか。
保険適用ではないため、一見高そうなイメージがありますが、半年近く継続的に効くということを考えると、週に1回高いマッサージに通うよりもリーズナブルかもしれません。ですからまずは、「こんな治療法がある」ということを広く知っていただくことが大切だと考えています。

最後に、クリニックの展望や、将来の夢についてお聞かせください。

以前は、クリニックを増やしたいという思いがありましたが、今はここを充実させたいという気持ちに変わっています。理学療法士の人数も増やす予定ですし、ドクターももうすぐ僕を含めて3人体制になります。設備も新しいものをどんどん入れていきたいですね。

ひとりひとりの患者様とじっくり向き合って治療を行っていくことをモットーとしているクリニックですが、スタッフが増えることで、もっと余裕を持った治療が可能になると思います。
気持ちにも時間にも余裕を持って診察できる。
きちんとした治療をして、患者様にも納得していただき、ありがとうと言っていただけるのは、開業医にとってとても幸せなことだと実感しています。

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